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期限

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妖精とロカが接触していた、なんてゲームのシナリオには無かった筈なのに。

(これって所謂、バグになるんじゃ……)

不幸中の幸い、ロカの名前を聞いてこの世界が僕の知るゲームの世界だと知れた。

うっかり、なのか事故なのかは分からないけど。多分僕とロカはゲームの中で会う予定は無かった。

でも、逆にロカと知り合えたから…ここが何処だか知れた訳だし。


ある意味良かったのかもしれない。

ゲームの中の僕は彼と、そして彼らと接触する事のない妖精。

きっとこれから先、ロカと会うことはない。


(断言できる理由は…まぁ、かなりシンプルで)





「妖精様?大丈夫ですか?」

『え!?あ、うん。へいき、だよ?』

彼の名前を聞いた後、放心していた僕を心配そうに見つめてきた彼に、

慌てて笑顔を作って頷いた。

(うん。僕は大丈夫。ただ…吃驚したなぁ)

まさか見える時期に、キミと出会えるなんて。本当のストーリーには描かれていなかったけど…

もしかしてゲームの中でも僕とキミは出会っていたのかな。



予想外な出会いに少し驚いたけど、

きっとすぐいつもどおりの日常に戻る。もう彼と会うことは…きっとない。




だってキミはもうすぐ僕が見えなくなるから、ね。















◽︎

◽︎



代々受け継がれる能力はある時期を境に、消えるという。

突出した力は最初から無かったかのように、

また彼らもそれらを受け入れて生きてゆく。



(ロカ、キミが今何歳かはわからないけど…誕生日を迎えたらきっと–––––––––––)


その力は消えるだろう。












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