1 / 57
BLゲームの世界
しおりを挟む
気付いたら僕は前世でしていたBLゲームの世界に転生していた。何番煎じになるか分からないけれど、僕の読んでいた漫画も大体転移、転生ものだった。
あるある話し。でもそれは漫画や小説であって決してリアルの話ではなかった。
勇者召喚されて異世界転移する普通の高校生。生まれながらにして前世の記憶がある悪役令嬢。チートで無双する元日本人冒険者。
どの作品も最後は幸せになる。だってフィクションだから。僕も一度は憧れた。
ゲームの世界に入って草原を自由に走り回りたいなとか。漫画の様に男女共に好かれ、青春を謳歌したいと。
夢を見るのはタダだからいつも狭い箱の中で、思いを馳せた。いつだって僕は長い管に繋がれて生かされていたから…だから、
海の色、
空の色、
芝生や砂の色や匂いが堪能出来る、と舞い上がった。生まれ変わったと知ったその瞬間だけは。そう、ただの人間で生を受けていたのならきっと幸せだったかもしれない。
けれど人には存在しないモノが僕の背中には生えていた。
ふわふわと上下する薄っぺらい羽。
時折でん粉みたいなキラキラした粉を撒き散らす。自分の意志とは関係なしにだ。一瞬思ったのは「蛾に転生したのかな」くらいだったけれど。
池に流れる水で自分の容姿を確認したところ、人間の容姿に羽が生えたような見た目でなんとも違和感だらけの格好だった。
身につけているものは洋服というよりはただの布で、どちらかといえば白に近い生地。
異種族での転生は、漫画でも珍しくはなく。無機物の転生よりかはマシかな、くらいの認識だった。まぁ、実際、異種族というよりかは誰からも認知されない妖精でまともに会話なんて出来ないと知った時は相当ガッカリしたけれど。
あるある話し。でもそれは漫画や小説であって決してリアルの話ではなかった。
勇者召喚されて異世界転移する普通の高校生。生まれながらにして前世の記憶がある悪役令嬢。チートで無双する元日本人冒険者。
どの作品も最後は幸せになる。だってフィクションだから。僕も一度は憧れた。
ゲームの世界に入って草原を自由に走り回りたいなとか。漫画の様に男女共に好かれ、青春を謳歌したいと。
夢を見るのはタダだからいつも狭い箱の中で、思いを馳せた。いつだって僕は長い管に繋がれて生かされていたから…だから、
海の色、
空の色、
芝生や砂の色や匂いが堪能出来る、と舞い上がった。生まれ変わったと知ったその瞬間だけは。そう、ただの人間で生を受けていたのならきっと幸せだったかもしれない。
けれど人には存在しないモノが僕の背中には生えていた。
ふわふわと上下する薄っぺらい羽。
時折でん粉みたいなキラキラした粉を撒き散らす。自分の意志とは関係なしにだ。一瞬思ったのは「蛾に転生したのかな」くらいだったけれど。
池に流れる水で自分の容姿を確認したところ、人間の容姿に羽が生えたような見た目でなんとも違和感だらけの格好だった。
身につけているものは洋服というよりはただの布で、どちらかといえば白に近い生地。
異種族での転生は、漫画でも珍しくはなく。無機物の転生よりかはマシかな、くらいの認識だった。まぁ、実際、異種族というよりかは誰からも認知されない妖精でまともに会話なんて出来ないと知った時は相当ガッカリしたけれど。
344
お気に入りに追加
1,121
あなたにおすすめの小説

それ以上近づかないでください。
ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」
地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。
まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。
転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。
ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。
「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」
かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。
「お願いだから、僕にもう近づかないで」

アルファな俺が最推しを救う話〜どうして俺が受けなんだ?!〜
車不
BL
5歳の誕生日に階段から落ちて頭を打った主人公は、自身がオメガバースの世界を舞台にしたBLゲームに転生したことに気づく。「よりにもよってレオンハルトに転生なんて…悪役じゃねぇか!!待てよ、もしかしたらゲームで死んだ最推しの異母兄を助けられるかもしれない…」これは第2の性により人々の人生や生活が左右される世界に疑問を持った主人公が、最推しの死を阻止するために奮闘する物語である。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

【本編完結】運命の番〜バニラとりんごの恋〜
みかん桜(蜜柑桜)
BL
バース検査でオメガだった岩清水日向。オメガでありながら身長が高いことを気にしている日向は、ベータとして振る舞うことに。
早々に恋愛も結婚も諦ていたのに、高校で運命の番である光琉に出会ってしまった。戸惑いながらも光琉の深い愛で包みこまれ、自分自身を受け入れた日向が幸せになるまでの話。
***オメガバースの説明無し。独自設定のみ説明***オメガが迫害されない世界です。ただただオメガが溺愛される話が読みたくて書き始めました。

無自覚お師匠様は弟子達に愛される
雪柳れの
BL
10年前。サレア皇国の武力の柱である四龍帝が忽然と姿を消した。四龍帝は国内外から強い支持を集め、彼が居なくなったことは瞬く間に広まって、近隣国を巻き込む大騒動に発展してしまう。そんなこと露も知らない四龍帝こと永寿は実は行方不明となった10年間、山奥の村で身分を隠して暮らしていた!?理由は四龍帝の名前の由来である直属の部下、四天王にあったらしい。四天王は師匠でもある四龍帝を異常なまでに愛し、終いには結婚の申し出をするまでに……。こんなに弟子らが自分に執着するのは自分との距離が近いせいで色恋をまともにしてこなかったせいだ!と言う考えに至った永寿は10年間俗世との関わりを断ち、ひとりの従者と一緒にそれはそれは悠々自適な暮らしを送っていた……が、風の噂で皇国の帝都が大変なことになっている、と言うのを聞き、10年振りに戻ってみると、そこに居たのはもっとずっと栄えた帝都で……。大変なことになっているとは?と首を傾げた永寿の前に現れたのは、以前よりも増した愛と執着を抱えた弟子らで……!?
それに永寿を好いていたのはその四天王だけでは無い……!?
無自覚鈍感師匠は周りの愛情に翻弄されまくる!!
(※R指定のかかるような場面には“R”と記載させて頂きます)
中華風BLストーリー、ここに開幕!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
*
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
【完結】悪役令息の従者に転職しました
*
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。
依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。
皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ!
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく、舞踏会編、はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる