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歌い手活動を始めて早1年。
リスナーを増やすために様々な企画に参加した。勿論、企画に呼ばれる様にある程度知り合いの幅を広げたりして、
配信界隈の大手さんと呼ばれる先輩達と知り合うのは、簡単な様で難しい。まず底辺だと声を掛けても無視されるのがオチだ。
営業という名の、様々な配信者の枠周りをするのは最早作業行動にすらなってきて、
段々、自分のやり方が正しかったのかな。と、不安になってしまうのは俺が今足掻いているからだ。
そんな中で出会った晒し系配信者
名前は『あくあ』
声は明るいを通り越して、話し声が煩いとすら感じる声音なのだが不思議とその枠から離れられなかった。
どんなに誹謗中傷なコメントが来ても、
ほとんどといっていいほどそのコメントを拾って行くスタイル。
リスナーの半分がアンチだが、コメントは止まる事を知らず。彼もそれを楽しんでいる様な対応に…何故だか魅了された。
そして、あくあの配信を追い続けて3日目
ある職業が話題になった。
とは言っても彼がネタを提供したわけではなく、ただリスナーが将来あくあは何になりたいのか。といった、質問をしたのが始まりだった。
憶測でYouTubeだろ?などというコメントも飛んでいたが、
その内、1人のリスナーが『私は底辺の職をしてるから…あくあみたいに配信で活動できるのは羨ましい』と溢したのだ。
普段の彼の口調。性格なら、
『はっ。底辺の職とか、努力してなかった証拠じゃん?』と、笑い飛ばす。そう、誰もが思っていた…–––––––––––––––
だが、実際彼が口にしたのは予想外の一言で
“底辺ってなんだよ。職に上も下もないだろ”
いつもの煩い声ではなく何処か不機嫌な声音で、ぶっきらぼうに発せられた。
それが演技ではなく
素で発したのだと、その配信にいたリスナーは全員察した事だろう。実際あの後、彼のサポーター数は異常に増え
SNSのフォロワー数までもが跳ね上がったという。そして俺にも、彼に対する変化があった。
□
■
□
スマホを開き、あくあの配信ページを開く
彼が配信するのを今か今かと待っている。既に画録を回しておりいつ始まっても聞き逃すことはない。
因みに、まだ配信は始まっていないのだが
既にコメントが幾つも書き込まれていた
–まだ?
–わくわく
–今日は炎上してる人のを取り上げるんだよね?
–はやくっ、はやくっ!
–遅いぞハゲ
–首が伸びるって。まだ?
そんなコメントを見て今日の配信内容が炎上系配信者をあくあが取り上げる、という告知内容を思い出す。
「いいな…あくあに取り上げてもらえるなんて」
配信者が問題を起こせばあくあは嬉々とし、相手を分析し、リスナーに解説する
その度に炎上した輩の名前を彼が口にするのだが…
いつからか、彼が他人の名前を口にするたび不快感を感じる様になった。
会ったことのない相手にまさかこんな感情を抱くとは思わなかったが…、
きっと俺はあくあを好きになったのだ
彼を追いかけ始めて8ヶ月目。
日に日想いは募るばかりだが、苦しいとか切なさよりも愛おしさが勝#まさ____#っていた。
彼が配信を始める待ち時間が好きになったり
いつもより、声の調子が高かったら機嫌がいいのかとか分かったり、
彼の好きな食べ物が好きになったり、
配信を聞けば聞くほど彼が見えてくる気がして、近くに彼を感じる事が出来た。
『あー…テストテスト。おーい、声聞こえてますかー?』
リスナーを増やすために様々な企画に参加した。勿論、企画に呼ばれる様にある程度知り合いの幅を広げたりして、
配信界隈の大手さんと呼ばれる先輩達と知り合うのは、簡単な様で難しい。まず底辺だと声を掛けても無視されるのがオチだ。
営業という名の、様々な配信者の枠周りをするのは最早作業行動にすらなってきて、
段々、自分のやり方が正しかったのかな。と、不安になってしまうのは俺が今足掻いているからだ。
そんな中で出会った晒し系配信者
名前は『あくあ』
声は明るいを通り越して、話し声が煩いとすら感じる声音なのだが不思議とその枠から離れられなかった。
どんなに誹謗中傷なコメントが来ても、
ほとんどといっていいほどそのコメントを拾って行くスタイル。
リスナーの半分がアンチだが、コメントは止まる事を知らず。彼もそれを楽しんでいる様な対応に…何故だか魅了された。
そして、あくあの配信を追い続けて3日目
ある職業が話題になった。
とは言っても彼がネタを提供したわけではなく、ただリスナーが将来あくあは何になりたいのか。といった、質問をしたのが始まりだった。
憶測でYouTubeだろ?などというコメントも飛んでいたが、
その内、1人のリスナーが『私は底辺の職をしてるから…あくあみたいに配信で活動できるのは羨ましい』と溢したのだ。
普段の彼の口調。性格なら、
『はっ。底辺の職とか、努力してなかった証拠じゃん?』と、笑い飛ばす。そう、誰もが思っていた…–––––––––––––––
だが、実際彼が口にしたのは予想外の一言で
“底辺ってなんだよ。職に上も下もないだろ”
いつもの煩い声ではなく何処か不機嫌な声音で、ぶっきらぼうに発せられた。
それが演技ではなく
素で発したのだと、その配信にいたリスナーは全員察した事だろう。実際あの後、彼のサポーター数は異常に増え
SNSのフォロワー数までもが跳ね上がったという。そして俺にも、彼に対する変化があった。
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スマホを開き、あくあの配信ページを開く
彼が配信するのを今か今かと待っている。既に画録を回しておりいつ始まっても聞き逃すことはない。
因みに、まだ配信は始まっていないのだが
既にコメントが幾つも書き込まれていた
–まだ?
–わくわく
–今日は炎上してる人のを取り上げるんだよね?
–はやくっ、はやくっ!
–遅いぞハゲ
–首が伸びるって。まだ?
そんなコメントを見て今日の配信内容が炎上系配信者をあくあが取り上げる、という告知内容を思い出す。
「いいな…あくあに取り上げてもらえるなんて」
配信者が問題を起こせばあくあは嬉々とし、相手を分析し、リスナーに解説する
その度に炎上した輩の名前を彼が口にするのだが…
いつからか、彼が他人の名前を口にするたび不快感を感じる様になった。
会ったことのない相手にまさかこんな感情を抱くとは思わなかったが…、
きっと俺はあくあを好きになったのだ
彼を追いかけ始めて8ヶ月目。
日に日想いは募るばかりだが、苦しいとか切なさよりも愛おしさが勝#まさ____#っていた。
彼が配信を始める待ち時間が好きになったり
いつもより、声の調子が高かったら機嫌がいいのかとか分かったり、
彼の好きな食べ物が好きになったり、
配信を聞けば聞くほど彼が見えてくる気がして、近くに彼を感じる事が出来た。
『あー…テストテスト。おーい、声聞こえてますかー?』
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