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第171話
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談笑を終えて再び、話に戻る。
ジックペリンから今回の件と説明した内容を口外しないことと、円盤収集への協力を約束された。
リゼたちが約束すると宣言すると、ラドカが三人の目の前に誓約書を置いた。
「内容を確認したうえで、署名頂けますか?」
紙には細かい文字で契約内容が書かれていた。
リゼとアンジュは内容を確認していたが、ジェイドは内容を確認せずに署名をしていた。
「ちょっと、内容くらい確認しなさいよ」
「どうせ署名するスよね? 細かい内容はアンジュかリゼに聞けば大丈夫っス」
「ったく……これだから脳筋は嫌なのよ」
アンジュは面倒臭そうに答える。
リゼはアンジュとジェイドの会話が微笑ましいと感じながら、誓約書に目を通す。
リゼが先に署名して、その後すぐにアンジュも署名をした。
大まかには口外しないことや、口外したら牢獄行きのようなこと。
そして、生きている限りこの内容は有効になること。
「ありがとうございます。申し訳ありませんが、こちらに血判をお願いします」
ラドカが誓約書を確認したあと、小さなナイフと共に誓約書を目の前に置く。
リゼは血判することが初めてのことだったので戸惑いながら、署名する際に一緒に行わないことを不思議に思いながら、アンジュとジェイドを見るが、普通に対応をしていた。
血判する時は、こういうものなのだと理解して、左手の親指をナイフで切り、誓約書に押し付けた。
すると、左手首に文字の輪が浮かび、手首の大きさになると光を増しながら手首に吸収されるかのように消えていった。
その時、誓約書にあった”誓約書を交わしていない第三者へ口外した瞬間、命を失う”の文章を思い出した。
「これで完了です。今後ともご協力の程宜しく御願い致します」
グローアが感謝の意を述べて、ラドカが誓約書を回収した。
「続いて追加報酬の件ですが、協力頂くことも考えて出来るだけのことはさせて頂きたいと考えております」
グローアは通貨以外にも武器に防具、魔法書などの提供できることを説明する。
武器と防具は、魔法付与が施されている物になるので、市場に出回っている物の中でも高級品になるそうだ。
「自分、武器がいいっス」
説明が終えると同時にジェイドが要望を伝えた。
即答するジェイドを呆れた顔で見るアンジュだったが、すぐに要望を口にした。
「火属性のブック。それも上級、可能出れば超級を頂きたいです」
上級魔法や超級魔法のブックは高価だ。
数も少ないため、簡単には手に入れることは出来ない。
魔法師のアンジュとしては、是が非でも欲しいだろう。
なにより、ここは魔法研究所だ。
上級魔法や超級魔法のブックがあると考えた上で、アンジュはジックペリンたちに要望を伝えた。
「超級魔法は用意できませんが、上級魔法のブック二冊で宜しいですか?」
「はい、それで構いません」
アンジュの顔がほころんでいた。
嬉しさを隠し切れないのだろう。
超級魔法のブックは王都魔法研究所でも何冊か所持している。
しかし、希少なブックだからこそ、円盤収集に協力してくれるとはいえ、簡単に渡せないとジックペリンは判断した。
「リゼは、なににされますか?」
「その刀匠が作った武器でも宜しいですか?」
リゼは厚かましいと思いながらも、ダメもとで頼んでみた。
「申し訳御座いません。当研究所では、刀匠の武器は所持しておりません」
「そうですか……ありがとうございます」
分かっていたことだったが、はっきりと言われると思っていたよりも心へのダメージが大きかった。
「少しだけ考える時間を頂けますか?」
「はい、構いません。後日、私宛に来所頂ければ対応致します」
「ありがとうございます……それと、ずうずうしい御願いなのですが、この魔法研究所ではブックの買取などもしていますか?」
「はい。中級以上であれば、提携している店から研究材料として入手することもあります。ラドカが鑑定することが出来ますが、ブックをお持ちですか?」
「はい」
リゼはアイテムバッグからオリシスの迷宮で入手した『闇の中級魔法』二冊と、『雷の中級魔法』が五冊、『光の中級魔法』一冊、そして『闇の上級魔法』一冊を机の上に置いた。
これにはアンジュも驚いた様子でリゼに詰め寄る。
「ちょっ、ちょっと、なんでリゼがこんな希少なブックを持っているのよ‼」
「迷宮で手に入れたんだけど、信用出来る店以外では売らない方がいいって言われたので、ずっと持っていただけ」
戸惑いながらアンジュに応えるリゼだったが、その横でラドカが真剣にブックを見ていた。
「リゼの職業は盗賊でしたよね?」
「はい。それがなにか?」
「希少な属性の魔法書なので全て買い取ることは可能です。ただ、今後職業を中級職や上級職に変えるのであれば、闇属性の魔法は習得してもいいと思いますよ」
「そうなんですか?」
「はい、リゼの魔法特性はなんですか?」
「分かりません」
「覚えていないのではなく、分からないということですか?」
「はい。調べたことがありませんので、分かりません」
貴族の子供であれば、学習院に入る以前に魔法特性検査をすることも多い。
冒険者ということも考えるとリゼの回答は、ジックペリンたちはリゼが学習院に通っていないこと決定させるには十分だった。
「では、今ここで調べてみますか?」
「いいんですか?」
「はい、難しいことではないですから」
ラドカはアイテムバッグから幾つも小さな珠が入った木で出来た器具を取り出すと、机の上に置く。
「では、手の平に力を込めて、この珠の上を撫でるように触って下さい」
リゼは言われる通りに珠を撫でると、幾つかの珠が大小の光を発した。
「なるほど……リゼの魔法特性ですが、最も相性がいいのは闇ですね。続いて……風、水の順ですね。火と土に光は適応無しですね。と言っても、闇と風でもかなり適応の差はあります。実質、闇属性だけだと考えてもいいでしょう。珍しい魔法特性ですよ」
「そうなんですか……ありがとうございます」
自分の魔法属性が分かったところで、次にどうしたら良いのか頭が回らなかった。
「こんなことを聞くのも変ですが、戦闘職が魔法を習得することもあるのでしょうか?」
「そうですね。無いとは言えませんが……その辺りは、冒険者であるお二方の方が、良く御存じではないでしょうかね?」
ラドカがアンジュとジェイドの顔を見る。
「そんなに珍しいことでは無いわ。魔法を習得すれば、いずれ習得するだろう職業スキルを使用する時に、魔力の量で制限があるくらいじゃないかしら」
「そうっスね。職業スキルを使用する際に魔力を使うので、使用回数に制限がかかるっス。もちろん、与えられたスキルが特殊な場合も魔力を使うことがあるらしいっス」
アンジュとジェイドの話を聞いている最中、目の前に『メインクエスト発生(+)』『サブクエスト発生(+)』の表示が現れる。
まず『メインクエスト発生(+)』の『(+)』を押すと、『魔法習得。期限:二十四時間』『報酬:魔力(二増加)、魔法力(二増加)』だった。
続けて『サブクエスト発生(+)』の『(+)』を押すと、『魔法習得。二十四時間以内』『報酬一回習得につき(最大五回):魔力(二増加)、魔法力(二増加)』とメインクエストと同じだったが、二十四時間内であれば五回まで達成報酬を得ることが出来る。
「どうかした?」
一点を見つめたまま固まっているリゼを心配した、アンジュが声を掛ける。
「あっ、なんでもない……クウガさんは魔法を習得しているんですか?」
「クウガさんは習得していないわよ。自分のスキルに魔法力を消費するからって、以前に行っていた気がするわね」
「そう」
リゼはクウガのスキル【予見】を知らないが、与えられたスキルが優秀であったり、自分に合っていれば魔法力を消費するのだと考える。
「自分も火の属性を持っているっス。だけど、魔法は習得していないっス」
リゼが落ち込んだと思ったジェイドは元気づけようと笑顔で話してきた。
「なにそれ! ジェイド、あんた火属性だったの」
「そうっスよ」
火属性を持っている人は、火属性を持っていない人よりも魔法耐性がある。
つまり、火属性の魔法を得意とするアンジュにとっては驚愕の事実だったのだ。
何度も対戦しているジェイドに自分の得意魔法が効かないのを納得した様子だった。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:三十五』
『魔力:十八』
『力:二十二』
『防御:二十』
『魔法力:十一』
『魔力耐性:十六』
『敏捷:八十四』
『回避:四十三』
『魅力:十九』
『運:四十五』
『万能能力値:零』
■メインクエスト
・魔法習得。期限:二十四時間
・報酬:魔力(二増加)、魔法力(二増加)
■サブクエスト
・魔法習得。期限:二十四時間
・報酬一回習得につき(最大五回):魔力(二増加)、魔法力(二増加)
ジックペリンから今回の件と説明した内容を口外しないことと、円盤収集への協力を約束された。
リゼたちが約束すると宣言すると、ラドカが三人の目の前に誓約書を置いた。
「内容を確認したうえで、署名頂けますか?」
紙には細かい文字で契約内容が書かれていた。
リゼとアンジュは内容を確認していたが、ジェイドは内容を確認せずに署名をしていた。
「ちょっと、内容くらい確認しなさいよ」
「どうせ署名するスよね? 細かい内容はアンジュかリゼに聞けば大丈夫っス」
「ったく……これだから脳筋は嫌なのよ」
アンジュは面倒臭そうに答える。
リゼはアンジュとジェイドの会話が微笑ましいと感じながら、誓約書に目を通す。
リゼが先に署名して、その後すぐにアンジュも署名をした。
大まかには口外しないことや、口外したら牢獄行きのようなこと。
そして、生きている限りこの内容は有効になること。
「ありがとうございます。申し訳ありませんが、こちらに血判をお願いします」
ラドカが誓約書を確認したあと、小さなナイフと共に誓約書を目の前に置く。
リゼは血判することが初めてのことだったので戸惑いながら、署名する際に一緒に行わないことを不思議に思いながら、アンジュとジェイドを見るが、普通に対応をしていた。
血判する時は、こういうものなのだと理解して、左手の親指をナイフで切り、誓約書に押し付けた。
すると、左手首に文字の輪が浮かび、手首の大きさになると光を増しながら手首に吸収されるかのように消えていった。
その時、誓約書にあった”誓約書を交わしていない第三者へ口外した瞬間、命を失う”の文章を思い出した。
「これで完了です。今後ともご協力の程宜しく御願い致します」
グローアが感謝の意を述べて、ラドカが誓約書を回収した。
「続いて追加報酬の件ですが、協力頂くことも考えて出来るだけのことはさせて頂きたいと考えております」
グローアは通貨以外にも武器に防具、魔法書などの提供できることを説明する。
武器と防具は、魔法付与が施されている物になるので、市場に出回っている物の中でも高級品になるそうだ。
「自分、武器がいいっス」
説明が終えると同時にジェイドが要望を伝えた。
即答するジェイドを呆れた顔で見るアンジュだったが、すぐに要望を口にした。
「火属性のブック。それも上級、可能出れば超級を頂きたいです」
上級魔法や超級魔法のブックは高価だ。
数も少ないため、簡単には手に入れることは出来ない。
魔法師のアンジュとしては、是が非でも欲しいだろう。
なにより、ここは魔法研究所だ。
上級魔法や超級魔法のブックがあると考えた上で、アンジュはジックペリンたちに要望を伝えた。
「超級魔法は用意できませんが、上級魔法のブック二冊で宜しいですか?」
「はい、それで構いません」
アンジュの顔がほころんでいた。
嬉しさを隠し切れないのだろう。
超級魔法のブックは王都魔法研究所でも何冊か所持している。
しかし、希少なブックだからこそ、円盤収集に協力してくれるとはいえ、簡単に渡せないとジックペリンは判断した。
「リゼは、なににされますか?」
「その刀匠が作った武器でも宜しいですか?」
リゼは厚かましいと思いながらも、ダメもとで頼んでみた。
「申し訳御座いません。当研究所では、刀匠の武器は所持しておりません」
「そうですか……ありがとうございます」
分かっていたことだったが、はっきりと言われると思っていたよりも心へのダメージが大きかった。
「少しだけ考える時間を頂けますか?」
「はい、構いません。後日、私宛に来所頂ければ対応致します」
「ありがとうございます……それと、ずうずうしい御願いなのですが、この魔法研究所ではブックの買取などもしていますか?」
「はい。中級以上であれば、提携している店から研究材料として入手することもあります。ラドカが鑑定することが出来ますが、ブックをお持ちですか?」
「はい」
リゼはアイテムバッグからオリシスの迷宮で入手した『闇の中級魔法』二冊と、『雷の中級魔法』が五冊、『光の中級魔法』一冊、そして『闇の上級魔法』一冊を机の上に置いた。
これにはアンジュも驚いた様子でリゼに詰め寄る。
「ちょっ、ちょっと、なんでリゼがこんな希少なブックを持っているのよ‼」
「迷宮で手に入れたんだけど、信用出来る店以外では売らない方がいいって言われたので、ずっと持っていただけ」
戸惑いながらアンジュに応えるリゼだったが、その横でラドカが真剣にブックを見ていた。
「リゼの職業は盗賊でしたよね?」
「はい。それがなにか?」
「希少な属性の魔法書なので全て買い取ることは可能です。ただ、今後職業を中級職や上級職に変えるのであれば、闇属性の魔法は習得してもいいと思いますよ」
「そうなんですか?」
「はい、リゼの魔法特性はなんですか?」
「分かりません」
「覚えていないのではなく、分からないということですか?」
「はい。調べたことがありませんので、分かりません」
貴族の子供であれば、学習院に入る以前に魔法特性検査をすることも多い。
冒険者ということも考えるとリゼの回答は、ジックペリンたちはリゼが学習院に通っていないこと決定させるには十分だった。
「では、今ここで調べてみますか?」
「いいんですか?」
「はい、難しいことではないですから」
ラドカはアイテムバッグから幾つも小さな珠が入った木で出来た器具を取り出すと、机の上に置く。
「では、手の平に力を込めて、この珠の上を撫でるように触って下さい」
リゼは言われる通りに珠を撫でると、幾つかの珠が大小の光を発した。
「なるほど……リゼの魔法特性ですが、最も相性がいいのは闇ですね。続いて……風、水の順ですね。火と土に光は適応無しですね。と言っても、闇と風でもかなり適応の差はあります。実質、闇属性だけだと考えてもいいでしょう。珍しい魔法特性ですよ」
「そうなんですか……ありがとうございます」
自分の魔法属性が分かったところで、次にどうしたら良いのか頭が回らなかった。
「こんなことを聞くのも変ですが、戦闘職が魔法を習得することもあるのでしょうか?」
「そうですね。無いとは言えませんが……その辺りは、冒険者であるお二方の方が、良く御存じではないでしょうかね?」
ラドカがアンジュとジェイドの顔を見る。
「そんなに珍しいことでは無いわ。魔法を習得すれば、いずれ習得するだろう職業スキルを使用する時に、魔力の量で制限があるくらいじゃないかしら」
「そうっスね。職業スキルを使用する際に魔力を使うので、使用回数に制限がかかるっス。もちろん、与えられたスキルが特殊な場合も魔力を使うことがあるらしいっス」
アンジュとジェイドの話を聞いている最中、目の前に『メインクエスト発生(+)』『サブクエスト発生(+)』の表示が現れる。
まず『メインクエスト発生(+)』の『(+)』を押すと、『魔法習得。期限:二十四時間』『報酬:魔力(二増加)、魔法力(二増加)』だった。
続けて『サブクエスト発生(+)』の『(+)』を押すと、『魔法習得。二十四時間以内』『報酬一回習得につき(最大五回):魔力(二増加)、魔法力(二増加)』とメインクエストと同じだったが、二十四時間内であれば五回まで達成報酬を得ることが出来る。
「どうかした?」
一点を見つめたまま固まっているリゼを心配した、アンジュが声を掛ける。
「あっ、なんでもない……クウガさんは魔法を習得しているんですか?」
「クウガさんは習得していないわよ。自分のスキルに魔法力を消費するからって、以前に行っていた気がするわね」
「そう」
リゼはクウガのスキル【予見】を知らないが、与えられたスキルが優秀であったり、自分に合っていれば魔法力を消費するのだと考える。
「自分も火の属性を持っているっス。だけど、魔法は習得していないっス」
リゼが落ち込んだと思ったジェイドは元気づけようと笑顔で話してきた。
「なにそれ! ジェイド、あんた火属性だったの」
「そうっスよ」
火属性を持っている人は、火属性を持っていない人よりも魔法耐性がある。
つまり、火属性の魔法を得意とするアンジュにとっては驚愕の事実だったのだ。
何度も対戦しているジェイドに自分の得意魔法が効かないのを納得した様子だった。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:三十五』
『魔力:十八』
『力:二十二』
『防御:二十』
『魔法力:十一』
『魔力耐性:十六』
『敏捷:八十四』
『回避:四十三』
『魅力:十九』
『運:四十五』
『万能能力値:零』
■メインクエスト
・魔法習得。期限:二十四時間
・報酬:魔力(二増加)、魔法力(二増加)
■サブクエスト
・魔法習得。期限:二十四時間
・報酬一回習得につき(最大五回):魔力(二増加)、魔法力(二増加)
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