170 / 299
第170話
しおりを挟む◇ 公都フェルナンド ◇
「ここが公都フェルナンドか…。」
私は目の前に広がる壮大な景色に息をのんだ。
「すごいですね!こんなに大きな街があるなんて!」
ジュリアは、初めて目にする公都の外観に驚きを隠せない様子である。
私たちはホセ村を出発してから10日間の旅を経て、ようやく公都フェルナンドに到着したのだ。
公都は高い石の壁に囲まれており、正門以外からは侵入できないようになっていた。
高い壁によって街の様子を見られなかったが、遠くにそびえる城塞は圧巻だった。
街道に沿って進むと、公都の出入りを管理する正門が見えてきた。
正門には兵士たちが警備に当たっており、入りたい者は身分証を提示しなければならないようだ。
私たちは正門の前で列に並んだ。
しばらく待っていると、ついに私たちの番がやってきた。
「止まれ!身分証を見せろ!」
兵士の一人が私たちに声をかけた。
「私たちはホセ村から来た。身分証は持っていない。だが、ルカ村の村長さんから兵士さんに渡す手紙を預かっている。」
「ほう…。ホセ村からか。あそこはずいぶん遠いところだな。まさか、歩いて来たのか?」
兵士は驚いたように言った。
「ああ、そうだ。」
「凄いな…。静寂の森を抜けるのは大変だっただろう?それで、ルカ村の村長からの手紙だったな。」
私は兵士に手紙を渡した。
兵士は手紙を開いて読み始めた。
「なんだと!?お前たちがサンギョ盗賊団を壊滅させたのか!?それは凄いな!サンギョは怪力で我々も手を焼いていたんだ。お前たちには感謝しなくちゃな。」
(やはりこの国の兵士はあまり強くないみたいだ。ジンディオールの故郷であるレーナス帝国は、大陸を征服する野望を持っている。もし魔剣士隊がこの国に攻め込んだら…。)
「紹介状もあるし、サンギョを倒した英雄だというのなら、通行を拒否するわけにはいかないな。通れ!だが、身分証は作っておけよ。」
「ありがとう!身分証はどこで作れるんだ?」
「そうだな。商人や農民になる気がないなら、冒険者ギルドに行くといい。この道をまっすぐ行けば、すぐに見つかるはずだ。」
「そうか。それなら冒険者ギルドに行ってみよう。」
「ああ、そうだな。サンギョを倒すほどの実力があるなら、冒険者になるのがいいだろう。それに冒険者ギルドには色々な依頼があるからな。」
「ああ、そうだった。ジンにジュリアだったかな?サンギョの懸賞金が入ったら、冒険者ギルドに連絡しておこう。」
「わかった。よろしくお願いする。」
私たちは兵士に礼を言って、公都に入った。
公都は中世ヨーロッパ風の建築で統一された美しい街だった。
ホセ村とは比べ物にならないほどの人や馬車が行き交っており、活気に満ちていた。
私たちは冒険者ギルドに向かいながら、周囲の光景に目を奪われた。
「ジンさん、公都は凄いですね!街並みや行き交う人たち…。全てがホセ村とは全然違います!」
私は、これぞ異世界という街並みに興奮気味だったが、ジュリアはホセ村との大きな違いに驚き、感動しているようだった。
私はこれからの冒険に胸が躍っていたのであった…。
「ここが公都フェルナンドか…。」
私は目の前に広がる壮大な景色に息をのんだ。
「すごいですね!こんなに大きな街があるなんて!」
ジュリアは、初めて目にする公都の外観に驚きを隠せない様子である。
私たちはホセ村を出発してから10日間の旅を経て、ようやく公都フェルナンドに到着したのだ。
公都は高い石の壁に囲まれており、正門以外からは侵入できないようになっていた。
高い壁によって街の様子を見られなかったが、遠くにそびえる城塞は圧巻だった。
街道に沿って進むと、公都の出入りを管理する正門が見えてきた。
正門には兵士たちが警備に当たっており、入りたい者は身分証を提示しなければならないようだ。
私たちは正門の前で列に並んだ。
しばらく待っていると、ついに私たちの番がやってきた。
「止まれ!身分証を見せろ!」
兵士の一人が私たちに声をかけた。
「私たちはホセ村から来た。身分証は持っていない。だが、ルカ村の村長さんから兵士さんに渡す手紙を預かっている。」
「ほう…。ホセ村からか。あそこはずいぶん遠いところだな。まさか、歩いて来たのか?」
兵士は驚いたように言った。
「ああ、そうだ。」
「凄いな…。静寂の森を抜けるのは大変だっただろう?それで、ルカ村の村長からの手紙だったな。」
私は兵士に手紙を渡した。
兵士は手紙を開いて読み始めた。
「なんだと!?お前たちがサンギョ盗賊団を壊滅させたのか!?それは凄いな!サンギョは怪力で我々も手を焼いていたんだ。お前たちには感謝しなくちゃな。」
(やはりこの国の兵士はあまり強くないみたいだ。ジンディオールの故郷であるレーナス帝国は、大陸を征服する野望を持っている。もし魔剣士隊がこの国に攻め込んだら…。)
「紹介状もあるし、サンギョを倒した英雄だというのなら、通行を拒否するわけにはいかないな。通れ!だが、身分証は作っておけよ。」
「ありがとう!身分証はどこで作れるんだ?」
「そうだな。商人や農民になる気がないなら、冒険者ギルドに行くといい。この道をまっすぐ行けば、すぐに見つかるはずだ。」
「そうか。それなら冒険者ギルドに行ってみよう。」
「ああ、そうだな。サンギョを倒すほどの実力があるなら、冒険者になるのがいいだろう。それに冒険者ギルドには色々な依頼があるからな。」
「ああ、そうだった。ジンにジュリアだったかな?サンギョの懸賞金が入ったら、冒険者ギルドに連絡しておこう。」
「わかった。よろしくお願いする。」
私たちは兵士に礼を言って、公都に入った。
公都は中世ヨーロッパ風の建築で統一された美しい街だった。
ホセ村とは比べ物にならないほどの人や馬車が行き交っており、活気に満ちていた。
私たちは冒険者ギルドに向かいながら、周囲の光景に目を奪われた。
「ジンさん、公都は凄いですね!街並みや行き交う人たち…。全てがホセ村とは全然違います!」
私は、これぞ異世界という街並みに興奮気味だったが、ジュリアはホセ村との大きな違いに驚き、感動しているようだった。
私はこれからの冒険に胸が躍っていたのであった…。
43
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く
りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。
モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。
日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。
今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。
そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。
特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。
スキル盗んで何が悪い!
大都督
ファンタジー
"スキル"それは誰もが欲しがる物
"スキル"それは人が持つには限られた能力
"スキル"それは一人の青年の運命を変えた力
いつのも日常生活をおくる彼、大空三成(オオゾラミツナリ)彼は毎日仕事をし、終われば帰ってゲームをして遊ぶ。そんな毎日を繰り返していた。
本人はこれからも続く生活だと思っていた。
そう、あのゲームを起動させるまでは……
大人気商品ワールドランド、略してWL。
ゲームを始めると指先一つリアルに再現、ゲーマーである主人公は感激と喜び物語を勧めていく。
しかし、突然目の前に現れた女の子に思わぬ言葉を聞かさせる……
女の子の正体は!? このゲームの目的は!?
これからどうするの主人公!
【スキル盗んで何が悪い!】始まります!
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

生臭坊主の異世界転生 死霊術師はスローライフを送れない
しめさば
ファンタジー
急遽異世界へと転生することになった九条颯馬(30)
小さな村に厄介になるも、生活の為に冒険者に。
ギルドに騙され、与えられたのは最低ランクのカッパープレート。
それに挫けることなく日々の雑務をこなしながらも、不慣れな異世界生活を送っていた。
そんな九条を優しく癒してくれるのは、ギルドの担当職員であるミア(10)と、森で助けた狐のカガリ(モフモフ)。
とは言えそんな日常も長くは続かず、ある日を境に九条は人生の転機を迎えることとなる。
ダンジョンで手に入れた魔法書。村を襲う盗賊団に、新たなる出会い。そして見直された九条の評価。
冒険者ギルドの最高ランクであるプラチナを手にし、目標であるスローライフに一歩前進したかのようにも見えたのだが、現実はそう甘くない。
今度はそれを利用しようと擦り寄って来る者達の手により、日常は非日常へと変化していく……。
「俺は田舎でモフモフに囲まれ、ミアと一緒にのんびり暮らしていたいんだ!!」
降りかかる火の粉は魔獣達と死霊術でズバッと解決!
面倒臭がりの生臭坊主は死霊術師として成り上がり、残念ながらスローライフは送れない。
これは、いずれ魔王と呼ばれる男と、勇者の少女の物語である。

レジェンドテイマー ~異世界に召喚されて勇者じゃないから棄てられたけど、絶対に元の世界に帰ると誓う男の物語~
裏影P
ファンタジー
【2022/9/1 一章二章大幅改稿しました。三章作成中です】
宝くじで一等十億円に当選した運河京太郎は、突然異世界に召喚されてしまう。
異世界に召喚された京太郎だったが、京太郎は既に百人以上召喚されているテイマーというクラスだったため、不要と判断されてかえされることになる。
元の世界に帰してくれると思っていた京太郎だったが、その先は死の危険が蔓延る異世界の森だった。
そこで出会った瀕死の蜘蛛の魔物と遭遇し、運よくテイムすることに成功する。
大精霊のウンディーネなど、個性溢れすぎる尖った魔物たちをテイムしていく京太郎だが、自分が元の世界に帰るときにテイムした魔物たちのことや、突然降って湧いた様な強大な力や、伝説級のスキルの存在に葛藤していく。
持っている力に振り回されぬよう、京太郎自身も力に負けない精神力を鍛えようと決意していき、絶対に元の世界に帰ることを胸に、テイマーとして異世界を生き延びていく。
※カクヨム・小説家になろうにて同時掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる