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気がつくと、俺はまた新宿の廃墟ビルの屋上で眠っていた。
朝日が目に入ってきて眩しくて目が覚めた、、、。
全身が痛い、、、。
俺はなんでこんな所で眠っていたんだ?
すっかり夜は明け、朝になっていたようだ。
車の行き交う音がする。
人々の生活音も、、、。
ここは、今?
俺は混乱した頭を寝起きの冴えない頭で整理する。昨日の夜中、流華とこのビルにきて、それで俺は、、、。
その瞬間頭の中にぶわーっと記憶が物凄い勢いで蘇る。
流華とこの屋上に来て、流華と新宿の夜景を眺めた事、流華が自分は未来から来たと行った事、流華に連れられて、未来へ行った事。流華は、父さんの薬が未来を救うと言っていた、、、。
叔父さんが、父さんを殺すと。
|《》
流華はそれを阻止する為に、ここへ来たのだと、、、。
俺はそこで気がついた。
今は、何時だ?
俺は慌てて自分の携帯をポケットから取り出す。
日付と時刻を確認すると、2024年7月15日の午前9時だった、、、。
今日の20時までに、流華は叔父さんを殺害する。
俺は慌てて、叔父さんに連絡する。
叔父さんなら話せばわかってくれるはずだ。
ちゃんと説明して、父さんはそんなウィルスの研究などしていないってわかれば、父さんを殺したりしないはずだ。
流華が叔父さんを殺害する前に、間に合うのか。
とにかく急がないと、、、。
俺はとりあえず叔父さんに電話する。
けれど、いくらかけても叔父さんは、電話に出ない。
俺は、慌ててそのビルを降りて、叔父さんの事務所へ向かう。
お願いだから、流華、叔父さんを殺さないでくれ。
(本当の私を知ったら、恭弥は私を憎むと思う)
流華が言っていた。
俺は流華が叔父さんを殺そうとしていても、俺は流華を恨む事など出来そうになかった。
むしろ、小さい時から不思議な力があるだけで、1人で重大な任務を任されて、俺の想像もできないような厳しい訓練を積んで1人で頑張ってきたんだ。
その事を考えると、恨むなんて事は考えられなかった。
何で、流華はわざわざ俺に真実を告げたのか。
俺に何も言わず、任務を遂行したら良かったんじゃないか。
でも流華は最後の最後で、全てを俺に打ち明けた。
俺に止めて欲しいんじゃないか?
俺に叔父さんを止めて欲しいんじゃ、、、。
流華と出会った、この1ヶ月本当に楽しかった。
振り回されっぱなしだったけど、流華に一目惚れして、叔父さんと3人で探偵事務所で働いて。
ただ、そんな平凡な毎日が過ぎていけばいいと思っていたのに、、、。
俺はエレベーターで、高倉探偵事務所の前に行き、玄関を開ける。
鍵は閉まっていない、、、。
中に入ると、誰もいる気配はなく静まりかえっている。
「叔父さん!」
俺が呼んでも返事がない。
応接間、叔父さんの居住スペースの方も見てみたが、叔父さんは見当たらない。
(帰ってないのかな、、、。)
、と俺は思った。
叔父さんが他に行きそうな所は何処だ?
俺はない頭で考える。
何処かで張り込みでも、しているのか。
最近来ていた依頼はなんだ?
殆ど似たような、浮気や不倫調査ばかりだ。
とりあえず、俺は新宿の街へ飛び出した。
叔父さんがよく行く、ラーメン屋や、定食屋を見てまわった。
けれど、何処にも叔父さんらしき人物は見当たらない。
っていうか、無理だろこれ。
こんな、何もわからないまま闇雲に探しても見つけられるわけないよな。
暑い、、、。
7月も半ばにきて、梅雨明け間近だ。
どんどん気温が上がっていく、そういえば、今日夏日になるって言ってたな。
何処へ行けばいいんだ、、、。
俺は疲れて、新宿の街路樹の下に座り込む。
いつもと同じ見慣れた新宿の街だ。
沢山の人が行き交う、活気のある風景。
俺はフラッシュバックする様に思い出す。
流華と見た、未来の新宿だ。
人は歩いておらず、廃棄ばかりのビル群明かりはなく、まるで世界の終わりみたいだった。
いや、あのままいくと本当に世界は終わるのかもしれない。
それを何とか回避する為の、手段がもう流華にしかないのかもしれない。
流華は人が沢山乗っている満員電車や、新宿の煌びやかな夜景を見て、心底感動している様子だった。
きっと体験した事のない日常だったのだろう。
俺がこれから繋いでいく未来はあんな未来なのか、、、?
そんな絶望しかない未来なんて俺は歩みたくない。
俺は、父さんの研究所へ行ってみた。
高倉恭一の息子だと言って中へ入れてもらう。
研究所の中は、壁も天井も床も真っ白だった。
休憩スペースの場所があり、そこで待つ
ように言われたので、俺はソファーに座って待っていた。
そこに白衣を着た父さんが現れた。
「恭弥?どうしたんだ、こんな所まで。」
父さんが不思議そうな顔をして、俺に言ってくる。
それは、そうだろう。俺は父さんの職場にくるのは初めてだった。
「ごめんね。仕事中に、ちょっと聞きたい事があってさ。」
「構わないけど、何だ?」
と椅子に座りながら父さんが聞いてくる。
「健一叔父さんがここへ尋ねてこなかった?」
俺が聞くと、父さんは驚いた顔をした。
「健一が?いや、尋ねてきてないけど。最近の事か?健一とは見ての通り、母さんが死んでから1回も話してないよ。」
そうだよな。
そのはずだ、、、。
父さんが、叔父さんの行方なんて知るはずないだろう。
昨日叔父さんがこの研究所へ来ていたのは、この研究所でウィルス開発されていないか、調べる為にきていたんだ。
「恭弥、今日は墓参りに行くのか?」
父さんが聞いてくる。
墓参り?
俺はそれを言われて、今日が母さんの命日だった事に今きがついた。
そうだ、、、。
叔父さんは母さんのお墓にいるんじゃないか、、、?
朝日が目に入ってきて眩しくて目が覚めた、、、。
全身が痛い、、、。
俺はなんでこんな所で眠っていたんだ?
すっかり夜は明け、朝になっていたようだ。
車の行き交う音がする。
人々の生活音も、、、。
ここは、今?
俺は混乱した頭を寝起きの冴えない頭で整理する。昨日の夜中、流華とこのビルにきて、それで俺は、、、。
その瞬間頭の中にぶわーっと記憶が物凄い勢いで蘇る。
流華とこの屋上に来て、流華と新宿の夜景を眺めた事、流華が自分は未来から来たと行った事、流華に連れられて、未来へ行った事。流華は、父さんの薬が未来を救うと言っていた、、、。
叔父さんが、父さんを殺すと。
|《》
流華はそれを阻止する為に、ここへ来たのだと、、、。
俺はそこで気がついた。
今は、何時だ?
俺は慌てて自分の携帯をポケットから取り出す。
日付と時刻を確認すると、2024年7月15日の午前9時だった、、、。
今日の20時までに、流華は叔父さんを殺害する。
俺は慌てて、叔父さんに連絡する。
叔父さんなら話せばわかってくれるはずだ。
ちゃんと説明して、父さんはそんなウィルスの研究などしていないってわかれば、父さんを殺したりしないはずだ。
流華が叔父さんを殺害する前に、間に合うのか。
とにかく急がないと、、、。
俺はとりあえず叔父さんに電話する。
けれど、いくらかけても叔父さんは、電話に出ない。
俺は、慌ててそのビルを降りて、叔父さんの事務所へ向かう。
お願いだから、流華、叔父さんを殺さないでくれ。
(本当の私を知ったら、恭弥は私を憎むと思う)
流華が言っていた。
俺は流華が叔父さんを殺そうとしていても、俺は流華を恨む事など出来そうになかった。
むしろ、小さい時から不思議な力があるだけで、1人で重大な任務を任されて、俺の想像もできないような厳しい訓練を積んで1人で頑張ってきたんだ。
その事を考えると、恨むなんて事は考えられなかった。
何で、流華はわざわざ俺に真実を告げたのか。
俺に何も言わず、任務を遂行したら良かったんじゃないか。
でも流華は最後の最後で、全てを俺に打ち明けた。
俺に止めて欲しいんじゃないか?
俺に叔父さんを止めて欲しいんじゃ、、、。
流華と出会った、この1ヶ月本当に楽しかった。
振り回されっぱなしだったけど、流華に一目惚れして、叔父さんと3人で探偵事務所で働いて。
ただ、そんな平凡な毎日が過ぎていけばいいと思っていたのに、、、。
俺はエレベーターで、高倉探偵事務所の前に行き、玄関を開ける。
鍵は閉まっていない、、、。
中に入ると、誰もいる気配はなく静まりかえっている。
「叔父さん!」
俺が呼んでも返事がない。
応接間、叔父さんの居住スペースの方も見てみたが、叔父さんは見当たらない。
(帰ってないのかな、、、。)
、と俺は思った。
叔父さんが他に行きそうな所は何処だ?
俺はない頭で考える。
何処かで張り込みでも、しているのか。
最近来ていた依頼はなんだ?
殆ど似たような、浮気や不倫調査ばかりだ。
とりあえず、俺は新宿の街へ飛び出した。
叔父さんがよく行く、ラーメン屋や、定食屋を見てまわった。
けれど、何処にも叔父さんらしき人物は見当たらない。
っていうか、無理だろこれ。
こんな、何もわからないまま闇雲に探しても見つけられるわけないよな。
暑い、、、。
7月も半ばにきて、梅雨明け間近だ。
どんどん気温が上がっていく、そういえば、今日夏日になるって言ってたな。
何処へ行けばいいんだ、、、。
俺は疲れて、新宿の街路樹の下に座り込む。
いつもと同じ見慣れた新宿の街だ。
沢山の人が行き交う、活気のある風景。
俺はフラッシュバックする様に思い出す。
流華と見た、未来の新宿だ。
人は歩いておらず、廃棄ばかりのビル群明かりはなく、まるで世界の終わりみたいだった。
いや、あのままいくと本当に世界は終わるのかもしれない。
それを何とか回避する為の、手段がもう流華にしかないのかもしれない。
流華は人が沢山乗っている満員電車や、新宿の煌びやかな夜景を見て、心底感動している様子だった。
きっと体験した事のない日常だったのだろう。
俺がこれから繋いでいく未来はあんな未来なのか、、、?
そんな絶望しかない未来なんて俺は歩みたくない。
俺は、父さんの研究所へ行ってみた。
高倉恭一の息子だと言って中へ入れてもらう。
研究所の中は、壁も天井も床も真っ白だった。
休憩スペースの場所があり、そこで待つ
ように言われたので、俺はソファーに座って待っていた。
そこに白衣を着た父さんが現れた。
「恭弥?どうしたんだ、こんな所まで。」
父さんが不思議そうな顔をして、俺に言ってくる。
それは、そうだろう。俺は父さんの職場にくるのは初めてだった。
「ごめんね。仕事中に、ちょっと聞きたい事があってさ。」
「構わないけど、何だ?」
と椅子に座りながら父さんが聞いてくる。
「健一叔父さんがここへ尋ねてこなかった?」
俺が聞くと、父さんは驚いた顔をした。
「健一が?いや、尋ねてきてないけど。最近の事か?健一とは見ての通り、母さんが死んでから1回も話してないよ。」
そうだよな。
そのはずだ、、、。
父さんが、叔父さんの行方なんて知るはずないだろう。
昨日叔父さんがこの研究所へ来ていたのは、この研究所でウィルス開発されていないか、調べる為にきていたんだ。
「恭弥、今日は墓参りに行くのか?」
父さんが聞いてくる。
墓参り?
俺はそれを言われて、今日が母さんの命日だった事に今きがついた。
そうだ、、、。
叔父さんは母さんのお墓にいるんじゃないか、、、?
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