いつか私もこの世を去るから

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祭り

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 夏休みに入って私は毎日ダラダラ過ごした。
 友達もいないし、遊びに行くところもないし、スマホと睨めっこするだけの毎日だった。

 そんな私に、かつを入れるように、国子さんは私に畑仕事を手伝わした。

 国子さんは家の前の大きな土地で色んな作物を育てていた。

 虫が大嫌いな私にとって畑仕事は嫌だったが、この家に住まわせて貰っている以上、出来る事はやらなければいけないと思った。

 小さな虫にも悲鳴をあげている私を見て、国子さんは呆れた顔をして
「糸、そんな小さいもんにいちいちギャーギャー言ってたら、生きていかれないぞ。」
 と言ってくる。

 でも仕方ないだろう。だって、今まで畑仕事はおろか、土をいじったりする事もなかったのだから。

 私は庭の水道でお昼に食べる野菜を洗っていると、また鳥居の前で参拝している人がいた。

 作業着を着た、おじいさんが私に気がつくと話しかけてくる。
「こんにちは。君が国子さんのひ孫さんかい?」

「はい。上村 糸です。よろしくお願いします。」

 私が挨拶すると、そのおじいさんはニコニコ笑って。
「そうかそうか。国子さんもひ孫さんが来てくれたなら寂しくなくて良かったな。」
 そう言って、私が洗っている野菜に目を向ける。

「美味しそうな、トマトとなすびだな~。国子さんの野菜は格別に旨いからな。」
 と言う。

 国子さんの作る野菜は確かにどれも味が濃くてとても美味しかった。

 今まで食べていたスーパーの野菜とはまるで別物のようだった。
 そこへ国子さんがやってきた。

「玄さんじゃないか?なんだ参拝にきてたんか?」

「美味しいお菓子を貰ったからの、ちょっとお供えさせてもらったよ。」

「ご苦労様です。野菜いらないかい?」

「おーいつも悪いね!国子さんのトマトを食べると糖尿の数値がよくなるんだよ。」
 などと二人で話している。

 私は玄さんにも渡す野菜を洗っていく。
 そして玄さんが思いついたように言ってくる。

「糸ちゃんは、明日の祭りにいかないのか?」
 お祭り?

 私が不思議そうにしていると、国子さんが横から口をはさむ。
「明日、すぐそこの集会所でお祭りがあるんだよ。婦人会は毎年出店を出すんだ。私も手伝いに行くから糸も来るかい?」
 と聞いてくる。

「そりゃいい!近頃は人でが足りないからな。若い糸ちゃんが来てくれたら、助かるな。」
 玄さんは私がくると決めつけている。

 まあ、やる事もないので行く事になると思う。
 何より国子さんのいないこの広い家に、夜1人でいるのは怖すぎる。

 私が国子さんにそう言うと、国子さんはまた呆れた顔をして
「糸は本当にビビりだな。14歳にもなるのにそんなお子ちゃまで大丈夫か?」
 と本気で心配そうに言ってくる。

 自分で言うのもなんだが、私は母にだいぶ大事に育てられてきたようだ。

 母はいつも大雑把な性格でサバサバしていたが、私の事になると物凄く心配性だった。

 ちょっと、風邪を引いたり、ケガをしただけで私が死ぬんじゃないかと言うくらいに大げさに心配した。

 そんな母が私を置いて死ななければいけないとわかった時、母はどれだけ私の事を心配に思っていたのだろうか。

 でも何故か、最後の言葉は
「大丈夫。安心して。笑ってね。」
 だったのだ。

 今思えば全然安心できる状況ではない。
 母は私をただ安心させたくて最後にそう言ったのか。
 母の気持ちはわからないままだ。

 お祭り当日、国子さんが浴衣があるから着たらどうかと言ってくれたが、私は断った。

 お祭りを一緒に周る友達もいないし、手伝いだけするつもりだから、動きやすい恰好の方が良いと思ったのだ。

 出かけようとしたその時、携帯がなった。
 東京の親友の結奈ゆいながSNSをアップした知らせだった。

 結奈が、『彼氏とデート』と彼氏との写真をアップしていた。

 私はその写真を見た瞬間固まった。
 親友と写っていたのは、私がずっと片思いをしていた先輩だった。

 私が先輩にずっと片思いしていて、結奈もずっと応援していてくれてたのに。

 どうゆう事?結奈、先輩の事本当は好きだったの?いつから付き合っていたの?

 コメントには他の友達から「デートいいな~。お似合い!」とあった。

 みんな知っていたの?私だけ知らなかったって事?

 私は突然の親友の裏切りに唖然とした。
 私はもう引っ越してしまったからどうでもいいって事なのか。

 楽しかった東京の思い出が一気に踏みにじられたような気がした。

 私が携帯を持ったまま立ちすくんでいると、国子さんが
「糸?何してるんだ?もう行くぞ。」
 と言ってさっさっと歩きだす。
 私は国子さんの後をとぼとぼとついていく。

 集会場につくと、私の気分とは逆に、みんなお祭りで盛り上がっていた。

 私は国子さんと一緒に、婦人会のテントで出す焼きそばのキャベツを切っていく。

 外の道路には屋台が並び、提灯が赤く染まっている。

 お囃子の太鼓と笛の音が鳴り響く。

 この村、こんなに人がいたんだと、私は祭りに来ている大勢の人を見て思う。

 浴衣をきて、楽しそうに屋台でご飯を買っていく大勢の人。

 私はぼーっとしながら、その人ゴミを眺めていた。

 私がパックの焼きそばを並べていると、知っている顔と目があった。
 いつも家の神社に参拝にきている優子さんだ。

 私は軽く会釈をすると、優子さんも私に向かってお辞儀をしてくれた。

 優子さんは浴衣を着ていて盆踊りの会場に行くようだった。

 家の神社には、国子さんが言っていた通り、色んな人が参拝に来ていたが、優子さんが一番参拝に来ているように思う。

 随分熱心な信心深い人なのだなと、私は思っていた。

 盆踊りに人が集まっているせいか、屋台にいる人が少なくなってきた。

 私は全然気分が上がらず1人で泣きたい気分だった。

 告白する前に振られるなんてね。
 しかも、私の親友と付き合うなんて。

 友達も恋もいっきに失った気分だ。
 神坂村にきてから良い事がちっともない。

 と言うか母が死んでからか、、、。

「糸ちゃん!ご苦労様!これ飲みなさい。」
 そう言って玄さんが私にジュースをくれる。

「ありがとうございます。」
 私がお礼をいって受け取ると、玄さんがキョロキョロしながら
「国子さんは中かな?今日は国子さんカミサマやるのかな?」
 と聞いてくる。

 神様?神様をやるってなんだ?
 私が不思議そうな顔をしていると、玄さんが驚いた顔をして
「糸ちゃん、カミサマしらないのかい?国子さんのひ孫なのに。」
 と言ってくる。

「知らないです。神様ってなんですか?」

 私が聞くと、玄さんが余計な事話しちゃったかなという顔をして
「神様ってあの神様じゃなくて、カミサマってカタカナで書くんだけどな。昔からこの辺にまつわる神事でな。
 糸ちゃんの家にある、あの神社の屋敷神さんがご祭神なんだよ。」

 うちの庭にある屋敷神様が?
 どおりで色んな人がわざわざ参拝にくるはずだ。

「国子さんは、あの神社の巫女さんなんだよ。今、唯一カミサマができる貴重な巫女さんだ。」

「カミサマができるって一体何なんですか?カミサマって。」
 私が聞くと、玄さんは少し小声になって

「おろすんだよ。」
「おろす?」
「死者の魂を山から降ろすんだ。」

 私は玄さんが何を言っているか訳がわからなかった。
 私は少し驚いた。なんだか怖い。

「そんな事可能なんですか?死んだ人の魂を山から降ろしてどうするんですか?」

 玄さんはいたって真面目な表情で私に向かって説明する。
「国子さんは出来るんだよ。死者の魂をおろして、国子さんの口を通じて死者が伝えたい事を教えてくれるんだ。
 今まで何人もの魂を国子さんは降ろしてきた。今日みたいな祭りの日は、死者に会いたい人が国子さんにカミサマをしてくれる様に頼みこんだもんだよ。」

 国子さんに本当にそんな力があるのか?私は全然信じられなかった。
 昔話の七不思議の様な話しだ。

「国子さんに言えば必ず死者の魂を降ろしてくれるんですか?」

「必ずとは限らない、色々条件があるんだよ。わしもやって貰った事はないから、くわしくはわからないが。
 昔から糸ちゃんの家の裏山は、神様と死者が住む山と言われているんだ。」

 裏山が?
 そう言えば、国子さんもそんな事言ってたな。

「あの山全体が御神体だからね。
 昔からの言い伝えでな。あの山の中に祠があってその祠にたどり着いて願い事を言うと何でも願いが叶うって話しだ。
 見つけられたら良いが、見つける事ができなければ、山で迷って死ぬ。」

「そんな子供だましみたいな話し、信じる人がいるんですか?」

「昔何人も祠を探しに山へ入って行ったが、戻ってきたもんはいないんだよ。」

 嘘でしょ?私が信じられない顔をしていると、玄さんが少し笑って
「まあ、今じゃ国子さんも年をとってカミサマもできないと言って、滅多にやる事はなくなったし、山に入るもんも居なくなったけどな。」

 そうか、だからこの間末永蒼が私に向かって、国子さんは呪いがかけれるとかなんとかって言っていたのか。
 あの話はあながち嘘でもなかったのだ。

 玄さんはその後集会所の中に入っていってしまった。

 私はトイレに行こうと思って仮設トイレに入って行くと、外から末永蒼の声がした。

 クラスの友達と祭りに来ているようだ。さっき私もちらっと姿を見かけた。

「さっき見た?上村さん、婦人会の出店で焼きそば売ってたね。」

「みたみた。東京からきた都会の子なのに、こんな祭りの手伝いなんてするんだね。」

 私は出ていこうか迷ったが、そのままトイレの中で話しを聞く事にした。

 まさか、こんな所で自分の話しを聞く事になるとは思わなかった。

「なんか転校して来たときから感じ悪かったよね。自分はこの村の子とは違うってかんじで。」

「そうそう、東京の人気なカフェに行ったとかさ、うちらが行けないのわかってて自慢してんだよ。」

 そうか本音はそんな事思っていたのか。

「もう仲良くする気ないわ。合わないよね。元々住む世界が違うって感じ。」

 私はそのまましばらくトイレの中で座って動けなかった。

 今までの人生で1度もいじめや、仲間外れなどされた事はなかった。

 いつも仲の良い友達がいて、喧嘩したりはあったけどこんなに敵意を向けられた事などなかった。

 何故自分がこんなに嫌われなければいけないか全く理由がわからない。

 東京出身だから。
 理由はそれだけじゃないか。
 もう何もかも嫌になった。

 私は祭りを後にして、どんどん歩いていく。
 東京にだって、帰りたくない。

 結奈は私がいなくなって喜んでいたのだ。
 心おきなく、先輩とつきあえるのだから。

 でも、ここにいるのも、もう嫌だ。
 この村の子なんて全員嫌いだ。

 何がカミサマだ。それなら今すぐに母をあの山から降ろして欲しい。

 私はずっと適当に歩いていたら、大きな川の橋まできていた。

 随分と高さのある橋だ。
 下では川がゴーゴーと流れている。

 母に会いたい。
 辛い事があればいつも私の話しをちゃんと聞いてくれた。

 母に話せば大抵の事は解決されるような気がしていた。

 私は1人では生きれない。

 その証拠に母が死んでから何1つとして上手くいってないじゃないか。
 私も母の側にいきたい。

 降ろすだけじゃだめだ、、、。

 私があの山へいくのだ。

 そしたらまた母と一緒にいられる。

 川から風が強く吹いている。

 暗闇の中でざわざわと音がする。

 早くおいでよ。
 といわれた気がした。

 私は自分で気づかないうちに、橋の欄干に登ろうとしていた。

 後押しするように、今まで吹いていなかった強い風が吹く。

 不思議と怖さは全くなかった。

 むしろこれで母とまた会えると思うと、嬉しいとさえ思った。

 橋の欄干に足をかけ、私は身体を乗り出した。


 その瞬間


「ちょっと辞めてくんない?」


 声がした。

 私がびっくりして声のした方へ向くと、私と同じ中学の制服を着た男の子が橋に立っていた。

「ここでそうゆう事されると困るんだけど。」

 私がそのまま止まっていると、その男の子は更に言ってくる。

「ここ、俺の大事な釣り場なの。
 そうゆう事されると釣り禁止になるじゃん。
 あんた責任とれんの?」

 私はあっけにとられて返事が出来ない。
 普通こうゆう場面にでくわしたら、もっと違う止め方をするんじゃないのかな。釣りって、、、。

「あんた誰?」

「お前こそ見ない顔だなあ?ひょっとして観光客?いや?こないか、こんな何もない田舎の村に。」

「私、つい最近転校してきたの。
 神坂村中、2年の上村糸、、、。」

「同じ中学じゃん!俺の方が一個上だけど。
 俺3年荒木 光あらき ひかりとりあえず降りろよ。ここ中途半端な高さだし、落ちても死ねないぜ。」

 私は改めて橋の下の川を見る。

「死ぬならもっと上に高い橋があるからそっちいけ。なっいいな?」

 私はなんか段々腹が立ってきた。
 知らない相手とは言っても、もっと声の掛け方があるんじゃないか。

 私は、乗り出していた身体をまた橋の方へ戻す。
 中途半端に怪我をするのだけは嫌だった。

 荒木光と名乗ったその子は、見た目はこの村の中学生には珍しく、少しヤンキーっぽい容姿をしていた。

 髪を明るく染めて制服の着方はルーズでだらしない感じだ。

 しかし、顔をよく見るとベビーフェイスで可愛い顔をしていた。

 私はいきなり正気に戻り、橋の下の真っ暗な川をみて今更ながら足がガクガクして、その場にへたり込む。

 その姿を見て荒木光は笑いだす。
「だっせーな!!
 びびってんじゃん!本当に死ぬ気あったのかよ!」

 私はその姿を見て物凄い怒りがこみあげてきた。

「うるさいなっ!
 あんたに何がわかるっていうのよ!
 何も知らないくせに!」

「何だよ!何があるって言うんだよ!
 どうせしょうもない事ですぐに、もうだめだ、死んでやる!ってなってたんだろ!」

 なんなのこいつ、、、。ありえない。

「違う!
 …お母さんが死んだんだ。 
 もうこんな世界生きていたくない。
 お母さんの所に行きたい。」

 そう言うと私は涙がポロポロ溢れてきた。
 なんでこんな知らないやつに、色々言われなくちゃいけないんだ。

 私の気持ちなんて、誰もわかるはずない。

 私が泣いてるのを見て、更に荒木光は笑いだす。

「何だおまえマザコンなのかよ。
 母ちゃんいなきゃ何もできないのかよ。
 母ちゃん母ちゃんって!
 甘ちゃんかよ!」

「あんたに私の気持ちがわかるわけないでしょ!」
 私は思わず荒木光に殴りかかろうとする。

 しかし、私の手を止めて
「俺の母ちゃんもとっくに死んでるわ。
 でもおまえみたいに、ぴーぴー泣いて死のうとしたりしねえよ。」

 私の腕を掴んで真面目な顔で言ってくる。
 私はその顔を見て自分の腕を下げる。

 そして本当に子供みたいに、ワーワー大声で泣いた。

 こんな風にずっと大声で泣きたかったのかもしれない。

 その後、私は自分の家が何処かわからなくなった事に気がつき、荒木光に道案内を頼んだ。

 荒木光は私の家を知っているようだった。
「アホみたいなでかい家だろ?知ってるよ。」

 家に着くまで私はまだメソメソ泣いていた。
 荒木光は呆れたような顔して
「よくそんな泣けるよな。脱水になるぜ。」
 とぶつぶつ言いながら歩いていく。

 家に着くと国子さんが玄関で待っていた。

「糸、何処へ行っていたんだい?
 危ないだろ。1人で夜中にで歩いちゃ。」
 そう言いながら、荒木光に気づいて
「あれ?この子は?」
 と尋ねる。

「こいつと同じ中学の荒木光!」
 ぶっきらぼうにそう言う。

 国子さんは嬉しそうに笑って、
「送ってくれたのかありがとう。」
 と言う。

 私は国子さんの顔を見ると安心してまた涙が溢れてくる。
「こいつの涙腺ほんと、どうにかなってるわ!じゃぁな!俺はもう帰る!」

 そう言って帰ってしまった。
 私はその後も国子さんの前で泣きながら、今日の出来事を話した。

 親友の裏切りや、末永蒼に悪口言われてたこと。

 自分も死んで母の所へ行きたいと思っていた事。

 何故か全て吐き出すように話していた。

「なんで、こんな嫌な事ばかりおこるんだろう?もう全部が嫌だ。」
 私が投げやりにそう言うと。

 国子さんが驚いた顔して私に言う。

「なんでって、それが当たり前だ。」
「あたり前?」
 私が聞き返す。

「良いこともあれば、悪い事もある。
 表があれば裏もある。
 それが自然の摂理で当然の事だ。」

 わかるような、わからないような。
 私が泣くのを辞めて考えていると、更に国子さんが続ける。


「死にたくなる程辛い日があれば、美味しいご飯を食べて、幸せな気持ちになってもっと食べたいと思う日もある。
 雨や嵐の日があれば、晴れの日もある。
 人間も自然の1部なんだから一緒だ。雨の日はずっと続かない。」

 雨はずっと続かない。

「当然だと思ってればいい。
 嫌な事があっても当然。良い事があっても当然。そうやって人生は進んでいく。」

 国子さんの話しは何故か私の胸にストンと落ちていった。

 国子さんには不思議な力がある。
 と言うか、この家全体や裏山には不思議なパワーがある気がするのだ。

 私は何故かそんな気がしていた。

























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