エンドロールを巻き戻せ

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のっちがまた意地悪な顔して聞いてくる。

「それは、、、悩むね、、、。彼氏を応援するか、自分のクラスを応援するか。」

「悩むのかよ!体育祭実行委員!そこは嘘でもクラスだろ!また、甲子園の予選の時みたく、応援してくれよ!」

「うーん。最後の体育祭だしね。わかった!明日はのっちを応援する!
明日の応援演奏は、野球部応援曲と同じ演目だから。『かっとばせーのっーち!』
ってやるよ!」

「いいねー!!頼むよ得点マーチ!!」

そう言って、のっちは帰っていった。
私は一人教室に残って、一彩への手紙を書く。
付き合いたての頃は、よく一彩へ手紙を書いていた。

今となっては、一体何を書いていたのか、全然思い出せない。
多分、なんて事ないくだらない文書を、だらだらと綴っていただけだと思う。

今は、どんな言葉を書いたとしても、一彩に私の気持ちが届く気はしなかった。

結局私は、途中で手紙を書くのを辞めて、体育祭の準備が終わったグラウンドを眺めていた。


一彩は、大丈夫だろうか?
また家で何かあったのだろうか?

18歳の一彩を支えたいと思って、戻ってきたのに、結局何一つ一彩を支える事ができていない。

こんな、私は結婚相手に選ばれなくて当然かもしれないと思った。
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