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私はびっくりして、目を丸くする。
「あ、相沢君その格好どうしたの?ワイシャツ真っ黒だし、顔も黒いよ?」
私がそう言うと、一彩は私に紙の束を渡してきた。それはよく見ると私の探していた楽譜だった。
「焼却炉にあった。もう少しで燃やされそうだったよ。ってか、少し燃えちゃってたごめん。」
と何故か一彩が謝る。
私は、ボロボロの楽譜を受け取る。
確かに何枚か、燃えてしまったようだが、殆どが無事だった。
私は全てが燃えてしまわなくて少し安心する。
「相沢君、本当にありがとう。
なんで焼却炉にあるって思ったの?」
「教室にないんじゃ、後捨てるなら焼却炉かな?って。」
「やっぱり捨てられたのかな、、、。」
私は結構ショックだった。
この手の嫌がらせを受けた事が今までなかったからだ。
「大丈夫?あんまり気にするなよ、また何かあったら俺にも言ってよ。一緒に考えるから。とりあえず顧問の先生にはちゃんと経緯を伝えた方がいいよ。立花悪くないんだし。」
一彩の一つ一つの言葉が優しく、私の胸に広がる。
私の前でワイシャツの汚れをはらっている、一彩を見ていると、無性に抱きつきたいと思ってしまう。
何とか、頭を振ってその衝動から逃れる。
「あの、ワイシャツごめん。大丈夫?帰り。」
「帰り?部活の練習着で帰るから全然平気だよ。とりあえず俺は顔を洗ってくる、立花も部活いけよ。ほらっ!」
「えっ!?」
そう言って一彩が笑いながら私の腕に汚れをつけてくる。
「じゃあな!」
そう言って去っていく。
私は廊下を走っていく一彩をずっと見つめていた。
その後、部活に行くと私は楽譜の事を顧問の先生に説明して謝る。
先生は、焼けた楽譜を見て、怒らずに私に新しい楽譜をくれた。
一彩が見つけてくれたおかげだ。
焼けた楽譜がなければ、私はきっと自分の不注意で無くしたと思われて、怒られていただろう。
とりあえず、楽譜の件は解決したが、根本の所は解決していなかった。
誰かが私に悪意を持っている。
楽譜だけじゃ終わらない気がした。
「あ、相沢君その格好どうしたの?ワイシャツ真っ黒だし、顔も黒いよ?」
私がそう言うと、一彩は私に紙の束を渡してきた。それはよく見ると私の探していた楽譜だった。
「焼却炉にあった。もう少しで燃やされそうだったよ。ってか、少し燃えちゃってたごめん。」
と何故か一彩が謝る。
私は、ボロボロの楽譜を受け取る。
確かに何枚か、燃えてしまったようだが、殆どが無事だった。
私は全てが燃えてしまわなくて少し安心する。
「相沢君、本当にありがとう。
なんで焼却炉にあるって思ったの?」
「教室にないんじゃ、後捨てるなら焼却炉かな?って。」
「やっぱり捨てられたのかな、、、。」
私は結構ショックだった。
この手の嫌がらせを受けた事が今までなかったからだ。
「大丈夫?あんまり気にするなよ、また何かあったら俺にも言ってよ。一緒に考えるから。とりあえず顧問の先生にはちゃんと経緯を伝えた方がいいよ。立花悪くないんだし。」
一彩の一つ一つの言葉が優しく、私の胸に広がる。
私の前でワイシャツの汚れをはらっている、一彩を見ていると、無性に抱きつきたいと思ってしまう。
何とか、頭を振ってその衝動から逃れる。
「あの、ワイシャツごめん。大丈夫?帰り。」
「帰り?部活の練習着で帰るから全然平気だよ。とりあえず俺は顔を洗ってくる、立花も部活いけよ。ほらっ!」
「えっ!?」
そう言って一彩が笑いながら私の腕に汚れをつけてくる。
「じゃあな!」
そう言って去っていく。
私は廊下を走っていく一彩をずっと見つめていた。
その後、部活に行くと私は楽譜の事を顧問の先生に説明して謝る。
先生は、焼けた楽譜を見て、怒らずに私に新しい楽譜をくれた。
一彩が見つけてくれたおかげだ。
焼けた楽譜がなければ、私はきっと自分の不注意で無くしたと思われて、怒られていただろう。
とりあえず、楽譜の件は解決したが、根本の所は解決していなかった。
誰かが私に悪意を持っている。
楽譜だけじゃ終わらない気がした。
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