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5月の下旬には、学校の課外活動があった。
私達の高校の裏には、山があり、その山を登山するのがメインだが、途中にチェックポイントを設けて通過していくという、オリエンテーリングになっている。
毎年一年生の恒例行事で、チェックポイントも決まっていた。
「じゃあ、学級委員で手分けして、チェックポイントの看板と、スタンプとスタンプ台を前日に設置しに行くからな、クラスで割り振られた、場所の設置に行くように!」
と学年委員会で先生が話す。
そうだ、この行事の前日の準備で私と、一彩は二人で裏山を登って、仲良くなったのだ。
初めは、山登りなんて面倒で嫌だと思っていた私だが、一彩と一緒だと楽しくてあっと言う間に終わった。
この時くらいから、私は一彩の事をいいなぁっと思うようになっていたのだ。
「山登り好き?」
学年委員会が終わってから一彩が私に聞いてくる。
「えー、、、苦手かな。体力ないし。道迷いそうだし。」
「確かに、そんな感じ。」
「酷いなー。」
私が言うと、一彩が笑いながら言う。
「俺がコンパスと地図持つから大丈夫だよ。
昔よく、あの裏山で遊んだし。」
「へえ、そうなんだ!裏山登った事あるんだ。」
「秘密基地作ってたよ。小学生の時。」
(そう言えばそんな話し昔にしていたなぁ。)
「だから、俺にまかしといて!」
と笑う。
いちいち、爽やかでかっこいいんだよなぁ、、、。
その優しさでさえ、憎らしく思える。
委員会が終わって、私は隣りのクラスの女の子に話しかけられる。
「あの、ちょっと良いですか?」
確か、前橋 未来ちゃんって言ったかな?
私は薄れている記憶を辿る。
「はい?」
私が答えると、前橋さんは言いにくそうに、私に言ってくる。
「あの、お願いがあるんですけど、、、。前日準備、私のクラスと交代してもらえませんか?」
突然の申し出に私は驚く。
「なんで?交代?」
私が聞き返すと、前橋さんが言う。
「私、相沢君と同じ中学でずっと相沢君の事好きなんです。だから、前日準備、相沢君とどうしても、まわりたくて、、、」
な、、なんだって!!!!!
無理!無理!無理!
なんで私がそんなお膳立てしなきゃいけないの!!!
いや、まて、、、
、、、、でも、そうか。
別にいいのか。
むしろ良い事か。
これで、私と一彩との距離が縮まる事もないし、、、。
ってかこんな事、前はなかった気がするけど、、、。
私が一人で悩んでいると、前橋さんが言ってくる。
「だめかなぁ?」
前橋さん、、、。
一彩の事好きだったんだ。
全然知らなかったよ。
「良いよ!じゃあ、私は1組の設置にいくね!」
と言うと、前橋さんはぱぁーっと笑顔になって私に言う。
「ありがとう!本当にありがとう!嬉しい!」
と私に盛大に感謝する。
可愛い感じの子だ。性格も良さそう。
上手くいったら彼女と一彩が付き合って、私と付き合う事にはならないかもしれない、、、。
本当にそれでいいの?
私はまた自分に問いかける。
何を今更迷ってるんだ、、、。
私達の高校の裏には、山があり、その山を登山するのがメインだが、途中にチェックポイントを設けて通過していくという、オリエンテーリングになっている。
毎年一年生の恒例行事で、チェックポイントも決まっていた。
「じゃあ、学級委員で手分けして、チェックポイントの看板と、スタンプとスタンプ台を前日に設置しに行くからな、クラスで割り振られた、場所の設置に行くように!」
と学年委員会で先生が話す。
そうだ、この行事の前日の準備で私と、一彩は二人で裏山を登って、仲良くなったのだ。
初めは、山登りなんて面倒で嫌だと思っていた私だが、一彩と一緒だと楽しくてあっと言う間に終わった。
この時くらいから、私は一彩の事をいいなぁっと思うようになっていたのだ。
「山登り好き?」
学年委員会が終わってから一彩が私に聞いてくる。
「えー、、、苦手かな。体力ないし。道迷いそうだし。」
「確かに、そんな感じ。」
「酷いなー。」
私が言うと、一彩が笑いながら言う。
「俺がコンパスと地図持つから大丈夫だよ。
昔よく、あの裏山で遊んだし。」
「へえ、そうなんだ!裏山登った事あるんだ。」
「秘密基地作ってたよ。小学生の時。」
(そう言えばそんな話し昔にしていたなぁ。)
「だから、俺にまかしといて!」
と笑う。
いちいち、爽やかでかっこいいんだよなぁ、、、。
その優しさでさえ、憎らしく思える。
委員会が終わって、私は隣りのクラスの女の子に話しかけられる。
「あの、ちょっと良いですか?」
確か、前橋 未来ちゃんって言ったかな?
私は薄れている記憶を辿る。
「はい?」
私が答えると、前橋さんは言いにくそうに、私に言ってくる。
「あの、お願いがあるんですけど、、、。前日準備、私のクラスと交代してもらえませんか?」
突然の申し出に私は驚く。
「なんで?交代?」
私が聞き返すと、前橋さんが言う。
「私、相沢君と同じ中学でずっと相沢君の事好きなんです。だから、前日準備、相沢君とどうしても、まわりたくて、、、」
な、、なんだって!!!!!
無理!無理!無理!
なんで私がそんなお膳立てしなきゃいけないの!!!
いや、まて、、、
、、、、でも、そうか。
別にいいのか。
むしろ良い事か。
これで、私と一彩との距離が縮まる事もないし、、、。
ってかこんな事、前はなかった気がするけど、、、。
私が一人で悩んでいると、前橋さんが言ってくる。
「だめかなぁ?」
前橋さん、、、。
一彩の事好きだったんだ。
全然知らなかったよ。
「良いよ!じゃあ、私は1組の設置にいくね!」
と言うと、前橋さんはぱぁーっと笑顔になって私に言う。
「ありがとう!本当にありがとう!嬉しい!」
と私に盛大に感謝する。
可愛い感じの子だ。性格も良さそう。
上手くいったら彼女と一彩が付き合って、私と付き合う事にはならないかもしれない、、、。
本当にそれでいいの?
私はまた自分に問いかける。
何を今更迷ってるんだ、、、。
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