エンドロールを巻き戻せ

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今の自分にとっては、全てが完璧に仕上がっている。

私は自信を持って玄関のドアを開けて行く。
新しい人生の始まりだ、、、。
私はそんは気分でいた。

なんで私がこんなに浮かれているかといると、
今日の夜、私が高校生の時から付き合っている
相沢あいざわ 一彩いっさとデートの約束があるからだ。

恋人同士なのだから、一緒にお祝いするのは当たり前だ。

けれど、付き合って9年、今年はいつもの誕生日とは違うのだ。

一彩は、今晩私の為に代官山のおしゃれなレストランを予約してくれた。
それだけでも、私は充分過ぎるくらいに幸せだった。
どんな服を着て行こうか、考えるだけでウキウキしていた。

しかし、今回はそれだけじゃ終わらなかった。
一彩が私に言ったのだ。

『瑞稀、誕生日の日だけどさ、大切な話しがあるんだ』

少しはにかむように、一彩が私に切り出したのだ。

それを聞いた瞬間、私の妄想は爆発した。
付き合って9年、ついに夢にみたプロポーズをされるに違いないと。


私はここ数年、いつ一彩にプロポーズされるんじゃないかとドキドキしていた。
お互い大学を卒業して、私は幼稚園教諭、一彩は飲料水メーカーに就職して、いつ結婚の話しが出てもおかしくない状況だった。


私の友人も、ちらほら結婚する子が出てきて、結婚式に招待される事もあった。

私は、幸せそうにドレスを着る友人を見て、どんどん結婚への希望を募らせていった。

次は、私がウェディングドレスを着たいと夢を見ていたのだ。
一応言っておくが、別に結婚できればそれで良いわけではない。


一彩と付き合って9年。
25歳にとって9年はとてつもなく長い年月だと思う。
『飽きないの?』
これはよく友達に言われる言葉だ。
『違う人とも付き合ってみた方がいいんじゃない?』
これもそう。


けれど私は全力で『NO』を突きつける。
どんなに、付き合いが長くなろうとも、私の一彩への思いは薄れる事はなかった。
むしろ年々濃くなるように、どこまでも好きな気持ちは強くなっていった。




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