上 下
29 / 69
試練・精霊契約編

第27話《魔法力基礎テスト》

しおりを挟む


「ふーむ……………」
  校長は時計の針を睨み付ける。刻々と時を刻んでいるそれは、午後5時半を指していた。生徒たちはとっくに帰宅している時間帯だが、アツナガとジェンダーは体育館に留まっていた。
  ラサール魔法学校の、魔法力基礎テスト。
  全校生徒は勿論もちろん、Y組のメンバーも余裕の顔でクリアしたものだが、未だに1人だけ、試験を受けに来ていない者がいた。
  福本アヤノン――――。
  彼女は魔力を引き出す『リード力』が足りないためか、測定値がほぼゼロに近い少女であった。特別に公欠扱いし、『精霊契約』といった幻想を求め、精霊を探させたのだが。
「…………っ。やはり来ないか…………」
  校長は自分の判断がいけなかったのだと後悔した。素直に退学を勧めるべきだったと。そうすればあんな目には遭わなかったはずなのだと。
  あんな目とは、つまりくだんの事件である。
  国道B-1号線で発生した、『少女人身売買事件』。アヤノンはその事件に巻き込まれたらしい。刑事が校長を訪ねた時、
「あんな時間帯から、あの子は一体なにをしてたんですかねぇ?」
  と嘆息しながら言われたのは、正直胸が痛んだ。
  精霊の話なんかしなければよかった。妙な期待感を持たせなければよかった。
  後悔が先だって、仕事にもろくに手がつけられなくなってしまった。
「すまぬ、クロ先生…………」
「はい…………?」
  隣でその時を迎え撃つかのように立っている教師に、校長は言った。
「わしのせいだ。わしが………あの子に変な試練を課せてしまったから、こんなことに………」
「なっ………なにを仰いますか! 今回はあなたの責任ではありません。悪いのは、彼女を巻き込んだあの凶悪犯罪者ですよ」
「だとしても、わしが彼女を外に解き放ったからこうなったのだ。“精霊”などというくだらない妄想を追いかけさせ、命の危機にさらしてしまったのだ」
  結果無駄に命をもてあそんだだけだったのだよ―――と校長は止めを刺した。
  しかしその時。プルプルと震えるクロ先生が逆鱗を上げた。
「いい加減にしろこのクソ校長っ! いつまでそんなメソメソとしてんだ!」
「クロ…………先生…………?」
「あれはあんたのせいじゃない、 だから気にすんなと何度言えば分かるんだ! 彼女は自分の意思で精霊という空想に身を委ねたんだ。あんたは関係ない」
「し、しかし…………」
「しかしもクソもない!」
  普段ぐうたらな教師の顔が迫った。
「 いいかっ。あの子にとっては、『精霊』というのが唯一の希望だったんだ。ここに残るためには、それしか道がなかった。それでも彼女はそこに全てを賭けたんだ。あの子が同じ話を聞いたら、一体どうなると思う!?」
  アツナガとジェンダーはその様子を背後から意外そうに眺めていた。
  普段から感情のこもってない声で、いい加減にしか言わない彼が、今熱く説教をしている。しかも校長にだ。そんな光景は、今まで見たことすらない。
  担任は体育館で跳ね返る自分の声に反応し、頭を軽く上げた。
(やってしまった…………)
  こんなキャラではないはずだ。表は冷えきった顔でいるのに。普段はこんなヤツではないのに。何故かこの校長の対応を見ていると、妙に苛立って、ついカッとなって。
(…………おかしくなったものだな)
  彼は内面では生徒を一番に想っている教師である。しかしそれは本人の無意識のなかである。とうの彼は、冷えきっていて、冷たくて、感情を表にださない―――自分はそういう陰険な性格だと分析していた。今回みたく感情に任せた“お説教”紛いなことをしたのは初めてである。
(お説教はお説教でも、相手がアレじゃないかよ………)
  クロ先生は頭を抱えた。
  そう、彼はやってしまったのだ。
  この学園一の権力を誇る人間に、“叱咤しったつ”とかいう、愚かな行為を。
「………そうだな、君の言うとおりだクロ先生」
「はいぃ…………?」
  何故に悟った様子で言っているのだろう。彼は何かに目覚めたのか。
「ワシは身勝手な現実逃避で、危うく生徒の思いを踏みにじるところだった。本当に申し訳ない」
  頭を下げ、ツルツル頭部を反射させてきて、一時目が眩んだ。
  しかしこれは異常事態だ。なんせ、病み上がりのような教師に校長が深々と頭を下げているのだ。これを異常と言わずなんと言おうか。
  クロ先生はあたふたと困り果てた。こういう時の対処法を、彼は心得ていないのだ。
「あ、頭を上げてください校長! 私みたいな教師に、あなたが頭を下げては…………」
「なんだね? さっきとは打って変わって…………」
「あれは感情に乗せて文句を言っただけで…………」
「でも、先生が言ったこと、正しいと思いますよ」
  アツナガがしっかりとフォローする。教師は初めて生徒からそんな言葉をかけられた。
「アツナガ…………お前…………」
「だって、校長がこの調子だと、福本さん試験受けづらいでしょ。僕たちはこうして、信じて! 待つしか! ないんですから!」
  さすがに暇になったのか。アツナガ少年はバットを一定のリズムで、明日の夕日に向かって振り続けた。教師も拍子抜けな顔をする。
「何やってるんだアツナガ…………お前そんなキャラだったのか…………?」
  そこはジェンダーが答えた。
「これがアツナガくんですよ。マリナーラちゃん曰く、“変な人”らしいです」
「ふーん…………アツナガ、お前もしかして野球部?」
「違いっ! ますっ! けどっ!?」
「なるほど、こりゃあ“変な人”だな」
  呆れ顔でその様子を見ながら言った。するとクスクスと、隣でジェンダーが笑う。本当に女の子と見違えるような微笑みだ。
「アヤノンちゃんも同じ事を言ってましたよ………って、何か足音が聞こえてきませんか?」
「足音…………?」
  するとその発言を皮切りに、

  トタトタトタ――――

  それは体育館の天井から聞こえてくる。
  ここは校舎が体育館よりも大きいため、天井に道が設置されている。生徒がそこを自由に行き来し、時間短縮のために活用されている。もちろん真正面から来ることはできるが、急ぎの時は天井から行った方が早いのだ。
「こんな時間に………いったい誰が………?」
  校長は聞こえる音に顔を上げて言った。しかし、そんな事は考える間でもなかった。
  クロ先生は確信する。
「来たか…………あいつが!」
「来た…………って、まさか!」
  トタトタトタ――――が段々と近づいてくる。やがて天井からではなく、体育館の入り口から聞こえてきて、そして。

「すいませんっ! 遅れましたっ!」

  福本アヤノンが姿を現した。
「アヤノンちゃん!」「福本さん!」
  アツナガはバットを投げ捨てて、ジェンダーはまさしく美少女の面構えで彼女に駆け寄った。その際、彼が捨てたバットが校長の焼け野原にクリーンヒットしたことを知る者は少ない。
  しかしよく見ると、彼女の背後には見知らぬ少女がついてきていた。
  ジェンダーはピョンピョンと跳ねた。
「アヤノンちゃん遅いよっ!? なんで早く来なかったの?」
「いやーゴメンゴメン。病院からここまで若干遠くてさ。渋滞に巻き込まれたりとか、色々あってね………」
  真実は、単に道順が分からなかっただけである。
  アツナガはそこでしっかりと背後の少女を捉えた。
「福本さん、そこの女の子は?」
  背後の少女は怖がって、彼女の背中にしがみついた。アヤノンは笑って誤魔化す。
「こいつは俺の契約精霊のフォルトゥーナだ。その………人見知りなんだ」
「せ、精霊じゃと!?」
  絆創膏ばんそうこを貼った校長が驚愕きょうがくあらわにした。
「ア、アヤノンくん。それはまことか? 本当に精霊を…………」
「いや、その…………たまたま、その、出会っちゃいまして」
  彼女はなるべく事件との関与は伏せたかった。
「な、なんと…………居るかも分からない精霊と、本当に契約を交わしてしまうとは…………」
「っていうことは、テスト受けられるんだね!」
 ジェンダーが言う。
「おう。今から早速受けるぜ。フォルトゥーナ、頼むぞ!」
「うん!」


      *


「それでは、今から魔法力基礎テストを実施する!」
  クロ先生のとびっきりの声が聞こえた。体育館だから、辺りにビシビシと伝わりやすい。俺、福本アヤノンの肌にも、その振動が跳ね返ってきた。
  俺は横を振りむき、隣のフォルトゥーナを見た。
  アイコンタクトで、俺に「大丈夫」と言ってくる。中々配慮が行き届くヤツだ。微笑みがいとおしい。
  どうやら準備万端のようだ。
  クロ先生は言う。
「これから、こちらが出題した魔法ナンバーを提唱し、魔法を発動させなさい。魔法書は、こちらが用意した魔法書を使うこと」
「あのー、魔法書ってどうやって使うんですか?」
「それはいたって単純シンプルだ。魔法書を開き、そこに書いてある魔法ナンバーと魔法名を叫ぶだけだ」
「え、それだけ?」
  確かにマリナーラとかは、魔法ナンバーと魔法名を口にしただけで発動させていた。しかし、そんなに簡単なことだったとは…………。
  ただし―――先生が続けて忠告する。
「魔法書を持った状態でなければ発動しないので注意すること。また、指定された魔法を一つでも発現できなければ、指導の対象とする。以上だ」
  やはり一つでもダメだとアウトのようだ。まぁそれくらいできないと魔法学校なんて居られるわけがない。
  俺は大きく深呼吸をし、隣の相棒に。
「フォルトゥーナ!」
「うん、なの!」
  精霊は両手を掲げ、何かを唱え始めた。
「…………『Adbd:IdCdRpbd:WnHaCnNgRnWg』」
  俺の知らない、何かの言葉。神聖な雰囲気をまとったフォルトゥーナが、少しずつ光だした。すると、それと連動して俺も発光し始める。淡くにじみ出るような謎の光は、次第に少しずつ大きくなっていく。
「あぁ………なんか、体が軽い………」
  今にも空を飛べそうな気がした。重力を無効にするような、そんな浮遊力を感じる力。

  これが…………魔力なのか。

「それでは、テストを行います。まず、手元の魔法書、『ナンバー762.ステップロック』を提唱し、目前から迫るロボットを止めてください」
  機械の骨格が丸見えのロボットが姿を現す。両目がカメラの役割をしているのだろう。ロボットは2つのレンズを微調整して、俺を見据えている。
「テスト…………開始!」
  クロ先生の合図と同時に、ロボットはものすごい速さで突進してくる。その姿に一瞬度肝を抜かれる俺だったが、こうしてないで早く魔法を唱えなければ。
  渡された魔法書を開き、項目762を開いた。
  魔法書は一つのページに魔法ナンバー、魔法名、それから詳しい仕組みなど―――掲載が満載である。
  俺からにじみ出た魔力が、魔法書に流れていくのを感じる。ロボットはもう目の前だ。唱えるなら―――今だ!

「『ナンバー762.ステップロック』!」

  ロボットの足に帯状の陣形がまとわりつく。紫色である。足の付け根からアキレス腱に伸びていき、それが一瞬光ったと思うと、ロボットはその場で転倒した。
  ギシ、ギシ―――ロボットは立ち上がろうとするが、俺の唱えた魔法がそれを妨げる。
「よし、状態魔法は完璧だな」
  クロ先生のグッドが聞こえてくる。俺はホッと胸をで下ろした。ちなみに次が最後のテストである。
  俺は所定の位置についた。
  目前には、分厚い木材が縦に一定の間隔で並べ立てられている。計10枚はあった。
「次が最後だ。次は実践的な魔法のテストを行う。今、目の前に木材があると思うが、福本は自分の剣を用いて、『ナンバー039.L・衝撃剣』を唱え、これを全て破壊しろ。一枚でも残っていれば、指導の対象とする」
  またまたハードなことを仰るものだ。少々心配になる。心なしか、魔力はさっきよりも弱まった気がした。
  だが、隣ではフォルトゥーナが魔力を送り続けてくれてるのだ。それをムダにするわけにはいけない。
  俺は刀を抜いた。
  抜いた瞬間、魔力の影響か、刀身の周りに魔力がまとわりつき、ビームサーベルのような形となった。
  俺はガッチリと柄を握った。
「それでは、始め!」
  俺は左手で魔法書を開く。項目ナンバーは0番台だ。
  あった。俺は再び魔力をそれに送る。そして提唱した。

「『ナンバー039.L・衝撃剣』!」

  刀の魔力が上がり、さらに強力なものとなった。足に力を入れ、駆け出した。
  目標は、前面の木材全て。
  高く飛び出して、刀の矛先をそこに向けて、魔力をそこにぶつける形で空を斬る。
  すると魔力による衝撃斬が発現し、独りでに目標へと飛んで行き、そして――――

  板を1枚、2枚、3枚、4枚破壊――――ラスト10枚!

  体育館内に突風が巻き起こった。少し吹き飛ばされそうな、強い風だ。
  俺が降り立つと、クロ先生が板の状態を確認する。
「…………板は全て破壊されている。よって、テストは合格だ!」
  その言葉を聞いて、体育館内に歓声が。あの二人が嬉しそうに喜んでいる。
  その様子を微笑ましく見ていると――――
  
  急に視界がぼやけ―――俺は倒れた。





  

  
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。 ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。 ※短いお話です。 ※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。

【R18】ダイブ〈AV世界へ堕とされたら〉

ちゅー
ファンタジー
なんの変哲も無いDVDプレーヤー それはAVの世界へ転移させられる魔性の快楽装置だった 女の身体の快楽を徹底的に焦らされ叩き込まれ心までも堕とされる者 手足を拘束され、オモチャで延々と絶頂を味わされる者 潜入先で捕まり、媚薬を打たれ狂う様によがる者 そんなエロ要素しかない話

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

女体化入浴剤

シソ
ファンタジー
康太は大学の帰りにドラッグストアに寄って、女体化入浴剤というものを見つけた。使ってみると最初は変化はなかったが…

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

処理中です...