失ってから始まる異世界生活

ヒロ

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始まりの町 イステリア

24話 初めてのリザードマン退治 その1

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4人でキングのところに会いに行くことになった。
「準備は終わったみたいですね!」

「あんないい装備を無料でもらえて本当に助かったよ。
で、俺たちは何をすれば良いんだ?」

「レオンさんにはまず斥候をしてもらいたいと考えています。
リザードマンの現状を掴みきれていないので、危険ですが内情を調べてきてもらいたいです。
ここに侵入したあなたなら出来ると思います。」

「なるほど!俺はそれでいいとして、他の3人は何をしたらいいんだ?」

「他の3人の方にはそれぞれの配置でわたし達と一緒に戦闘に参加していただきたいと思います。
レオンさんも戻り次第参加してもらいたいと考えています。」

「アリシア、ミド、バドソンはそれでいいか?」

「リーダーの方が危険だと思うぞ!わたし達は大丈夫だ。」
アリシアは本当に優しいな。
本当はこんな戦いに参加しなくてもいいんだけど、俺のわがままに付き合ってもらって本当に悪いと思ってる。

「あぁこんないい装備ももらったしな。
俺もそれなりに頑張るよ。
ただし、俺はこの戦いにそこまで命かけてないからな、危ないと思ったら逃げるからな。」
バドソンはそれでいいと思う。
危ないと思ったら逃げるように他の2人にも言って聞かせた。

「無事を祈る。」
ミドは相変わらずだな。

「3人ともまたあとで会おう!」

「ではレオンさんはこちらへ、詳しく説明したいと思います。
他の3人の方は別部屋の作戦会議室へどうぞ
私の側近ガレロが案内します。」

俺たちはそれぞれ別行動することになった。
バドソンがギルドにもこのことを連絡してくれてるらしく、上手くいけば増援も期待できるかもしれない。

「レオンさんこの地図を見てください。
この場所にリザードマンの集落があります。
池周辺を根城にしていて、攻め込むには相当な犠牲を強いられるでしょう。
ただ合点のいかないことがありまして、今までそこまでのいざこざがなかったのに、なぜ突然ここまで強気に攻めてくる気になったのか不思議でならないのです。
少しでもいいので敵陣から情報をいただければありがたいです。」

「わかった内部情報を探ってくるよ。
ただ俺のスキル隠密はすごいMPを使うから、多めに回復薬もらうことになるけど、大丈夫かな?」

「わかりました。道具屋に上級MP回復薬を出すように話しておきます。
あとでまたよってください。」

「ありがとう!
それと一つだけ質問がある。
キングは村全体を把握してるんだよな?」

「ええこの村のほとんどのことはわたしのスキルでわかりますよ。」

「オークの家族の中で女の子二人いる家族はいるかな?」

「んーそれだと何組か該当しますね。
どういうことですか?」

「これは内密にしてほしいんだが、俺は実は異世界からの転生者で、俺の家族もこちらの世界に来ているみたいなんだ。
ただ場所もヒューマンに転生しているのかもわからないんだ。
それでもしかしてオークの中にいる可能性もあるのかなと」

「なるほど、レオンさんは転生者だったのですね!
稀にそう言う方もいらっしゃると噂で聞いたことがあります。」

「信じてくれるのか?」

「ふふっわたしのスキルで嘘を見抜くスキルがあるんですよ!
なのでレオンさんが嘘をついてないことはわかりますよ。」
嘘を見抜く?俺の心眼スキルと同じようなスキルかな?

「ちなみにそのご家族は以前の記憶を持ってるのですか?」

「そのはずだ!該当してそうな家族に彩綾、優衣、優奈の名前に心当たりがないか聞いてもらえないだろうか?
それとみんなが集まりそうな場所にこの張り紙を貼ってもらえないだろうか?」

「なるほど!事情はわかりました。
わたしが直接調べましょう。
安心して調査の方をお願いします。」

「ありがとう!俺も力になれるように頑張るよ。」
お互いに嘘を見抜けるから、嘘もつかないしつけない、だからスッキリした関係で付き合えるんだな。


それからキングとわかれ、道具屋によって多めに上級MP回復薬をもらった。
リザードマンの集落近くまでの案内は、バルゴと言う痩せ型のオークがしてくれることになった。
「キングから聞いております。協力感謝します。」

「いえいえこちらこそ!
案内お願いします。」

キング以外にも丁寧な対応のオークがいるんだな。
それにこのオークは相当強いな。
装備もすごくいいのを使ってる。心強いな。

「では行きましょうか。
リザードマンと会わないように少し遠回りしていきます。ついてきてください。」
「よろしく頼む。」

それから二人で1時間ほど歩いただろうか。
リザードマンの集落までもう少しというところで、2匹のリザードマンを見つけた。
周りには他のリザードマンはいないようだ。
やり過ごそうとしたが、ふとリザードマンてどれくらい強いのか試してみたくなった。
「バルゴさん、この周りにはリザードマンはいないみたいだし、どれくらい強いのか知っておきたいから戦ってみてもいいかな?」

「えっ?戦うのですか?
んーまぁ確かにどれくらい強いのか知らないのは今後の戦闘に影響があるとは思いますね。
んー敵は2人、こちらも2人なので1対1で戦いますか!
わたしも本当はあなたがどれほどの手練れか知りたいと思ってました。」

「1対1ならまぁ勝てると思うよ!
バルゴさんも気をつけてな。」

隠密を使って奇襲をかけることもできるがそれだと面白くないので、普通に戦うことにした。
普通に正面に現れるとリザードマンも驚いていたが、すぐ剣を抜いて対応してきた。
バルゴさんが1匹をうまく誘導し、俺も1対1で、戦うことができた。
「なんだおまえら?オークはわかるがなぜヒューマンがいるんだ?」

「なぜだろうな?まぁその理由を知ることはできないと思うよ。」

「たかがヒューマンが、なめんじゃねぇぞ!」

リザードマンが怒って剣を振り回してきた。
それを避けながら懐に入り込み、すれ違いざまに短剣でリザードマンの脇腹を切ってみる。
ズビュ!少し硬いが切ることができた。
さすがミスリル製だな!
前の剣だったらダメージは与えられてもここまで切ることは出来なかっただろう。

「なっ俺の鱗をあっさりと切るだと?」

これは効くかな?
「サンダー!」

バリバリバリ、「ギャー!」

おお期待以上のダメージを与えたみたいだな。
少し濡れてたからサンダーが効きやすいとは思った。
「よしとどめだ!」

俺は痺れて動けないでいるリザードマンの喉笛を短剣で素早く切った。
血が吹き出て倒れるリザードマン

「ふうなんとか倒せるな。少し安心した。」

横を見るとバルゴもとどめをさしたところだった。
「さすがですね!まさか私よりも早く倒してしまうとは!」

「魔法が効いたからね。剣だけだったらもう少しかかってたよ。
でもおかげで大体のレベルはわかったよ。
付き合わせてしまって申し訳ない。」

「いえいえこちらもあなたの実力を知ることが出来て良かったです。
では気を取り直してリザードマンの集落に向かいましょう。」

ここからは戦闘はせずに静かに行くことにした。
それから15分ほど身を隠しながら歩くと目の前に集落が見えてきた。
「マスター油断せず行きましょうか。」
ナビの言葉に気を引き締め直して行くことした。




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