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六章 変化
どこ見てるの……
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アルさんに抱えられる形で部屋に拐われベッドの上で健全に、ただごろごろとまったりしていたらいつの間にか夕方に。
お夕飯をたらふく頂いた僕は現在お部屋のお風呂場に来ている。
今日はなんか疲れたでござる、とお風呂場の戸をあければ湯船からあったかい湯気が裸の体を包み頬が緩む。
そして視界が真っ白にそまる…………眼鏡外すの取り忘れてた。
いそいそと脱衣場に眼鏡を置き、改めてお風呂場に入った。
このお風呂場、僕の家にあるお風呂の二倍はある上に一面綺麗なタイルが敷き詰められて豪華。
照明は小さなシャンデリアがついてて湯船には真っ赤な薔薇の花びらが浮いている。
………………今って夏の終わりだったような…………。
薔薇って五月から六月くらいにかけて咲くんじゃなかったっけ? 今、確か8月? だよね。
まあいいや、体冷えるし早く洗おう。
のんびりと椅子に座った僕は四角い石鹸を手に取りこれまたのんびり泡立てていく。
今は特別急ぐ必要はないし、体が疲れとか乗馬とかアルさんとかでバキバキだから今軍隊式に三分以内に風呂やれとか言われたら余裕で詰む。
それにこっちじゃリンスみたいなのはあるけどシャンプーとかハンドソープっていうのは全部これでやるんだよね~。
程よく泡を立てたら、それを濡らした頭にのっけてわしゃわしゃと洗っていく。
んー、確かテレビでみたけど、指で優しく揉み混むようにすればいいんだっけ?。
こうか?
よいしょ………やっぱ泡立ちがイマイチだから微妙だねぇ。
そもそもこの石鹸香りはいいのに泡があんまりでないやつだから家にあるやつ今度持ってこよう。
一通り満足するまで頭を洗ったら、桶に湯船のお湯をすくって、頭にながす。
するとお湯からミントの香り漂い、これまた首を傾げる。
薔薇に……ミント? 組み合わせちぐはぐだね。
まあでも。
「のんびり一人で広いお風呂貸しきりってのもいいよねぇ」
「ご機嫌なところ邪魔するぜぇ」
「ふぉっ! 」
後ろから突然聞こえた声に椅子から飛び上がる。
心臓をばくばくとさせながら振り替えれば、真っ赤な酒瓶片手に苦笑した裸のアルさんが、堂々と入ってきま………筋肉すごい。
肩幅広いし奥行きあるし胸板凄いし脇腹とかどうなってんのあれ、なんか線入ってる………。
そんなアルさんは風呂椅子に座ると惜しげもなく出されるアルさんの股にある黒くてでっかいご子息………。
いや……前々から思ってたけどあれって普通に大きい、それに黒い……やだ怖い。
「なに人のもんみてんだぁ? 」
にやにやと聞いてくるアルさんの視線に僕は冷めた目を向ける。
「別に深い意味はないよ」
だからそのにやにややめい、……そして人の股間をみるな。
「俺に比べればお前の奴は………可愛いな、さわっていいか? 」
「やめい」
聞いておきながらもう手を伸ばしてるやんけ。
ぺしんとその手をはたき落とした。
「ちぇー、なら俺の触っていいからよー触らせろよ」
「やーだ」
「寄越せ」
「無理無理」
「ああーん? 」
そんな口尖らしてるけどアルさんあんたね。
「アルさん……変態親父みたいだよ」
体の泡を流しながら言うとアルさんは酒瓶を湯船の縁におく。
「はっ、まあいいじゃねえか、なら洗ってやろうか?」
「もう洗ったから結構」
僕が湯船に入ろうと立ち上がりながら言うとあからさまに不満げな顔でアルさんは首を鳴らす。
「ちっ」
舌打ちしたよこの人…………しゃーないね~。
「んじゃあ、僕が洗ってあげようか? 」
呆れ半分に僕が言った瞬間途端に綻ぶ顔に思わず僕も笑顔になるが。
「ほんとか!? じゃあ早速この俺のち「どこ洗わす気じゃど変態」」
お決まりの展開を叩き潰す、
アルさんのあからさま過ぎる親父発言に思わずため息をついた。
お夕飯をたらふく頂いた僕は現在お部屋のお風呂場に来ている。
今日はなんか疲れたでござる、とお風呂場の戸をあければ湯船からあったかい湯気が裸の体を包み頬が緩む。
そして視界が真っ白にそまる…………眼鏡外すの取り忘れてた。
いそいそと脱衣場に眼鏡を置き、改めてお風呂場に入った。
このお風呂場、僕の家にあるお風呂の二倍はある上に一面綺麗なタイルが敷き詰められて豪華。
照明は小さなシャンデリアがついてて湯船には真っ赤な薔薇の花びらが浮いている。
………………今って夏の終わりだったような…………。
薔薇って五月から六月くらいにかけて咲くんじゃなかったっけ? 今、確か8月? だよね。
まあいいや、体冷えるし早く洗おう。
のんびりと椅子に座った僕は四角い石鹸を手に取りこれまたのんびり泡立てていく。
今は特別急ぐ必要はないし、体が疲れとか乗馬とかアルさんとかでバキバキだから今軍隊式に三分以内に風呂やれとか言われたら余裕で詰む。
それにこっちじゃリンスみたいなのはあるけどシャンプーとかハンドソープっていうのは全部これでやるんだよね~。
程よく泡を立てたら、それを濡らした頭にのっけてわしゃわしゃと洗っていく。
んー、確かテレビでみたけど、指で優しく揉み混むようにすればいいんだっけ?。
こうか?
よいしょ………やっぱ泡立ちがイマイチだから微妙だねぇ。
そもそもこの石鹸香りはいいのに泡があんまりでないやつだから家にあるやつ今度持ってこよう。
一通り満足するまで頭を洗ったら、桶に湯船のお湯をすくって、頭にながす。
するとお湯からミントの香り漂い、これまた首を傾げる。
薔薇に……ミント? 組み合わせちぐはぐだね。
まあでも。
「のんびり一人で広いお風呂貸しきりってのもいいよねぇ」
「ご機嫌なところ邪魔するぜぇ」
「ふぉっ! 」
後ろから突然聞こえた声に椅子から飛び上がる。
心臓をばくばくとさせながら振り替えれば、真っ赤な酒瓶片手に苦笑した裸のアルさんが、堂々と入ってきま………筋肉すごい。
肩幅広いし奥行きあるし胸板凄いし脇腹とかどうなってんのあれ、なんか線入ってる………。
そんなアルさんは風呂椅子に座ると惜しげもなく出されるアルさんの股にある黒くてでっかいご子息………。
いや……前々から思ってたけどあれって普通に大きい、それに黒い……やだ怖い。
「なに人のもんみてんだぁ? 」
にやにやと聞いてくるアルさんの視線に僕は冷めた目を向ける。
「別に深い意味はないよ」
だからそのにやにややめい、……そして人の股間をみるな。
「俺に比べればお前の奴は………可愛いな、さわっていいか? 」
「やめい」
聞いておきながらもう手を伸ばしてるやんけ。
ぺしんとその手をはたき落とした。
「ちぇー、なら俺の触っていいからよー触らせろよ」
「やーだ」
「寄越せ」
「無理無理」
「ああーん? 」
そんな口尖らしてるけどアルさんあんたね。
「アルさん……変態親父みたいだよ」
体の泡を流しながら言うとアルさんは酒瓶を湯船の縁におく。
「はっ、まあいいじゃねえか、なら洗ってやろうか?」
「もう洗ったから結構」
僕が湯船に入ろうと立ち上がりながら言うとあからさまに不満げな顔でアルさんは首を鳴らす。
「ちっ」
舌打ちしたよこの人…………しゃーないね~。
「んじゃあ、僕が洗ってあげようか? 」
呆れ半分に僕が言った瞬間途端に綻ぶ顔に思わず僕も笑顔になるが。
「ほんとか!? じゃあ早速この俺のち「どこ洗わす気じゃど変態」」
お決まりの展開を叩き潰す、
アルさんのあからさま過ぎる親父発言に思わずため息をついた。
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