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シャルル御一行はグラムデル城を目指す
しおりを挟む俺は、微(かす)かにフラッシュバックする記憶を思い出していた。
そこは東京都江東区の豊洲のマンションの一室だ。
暗闇の中、サンスイのアンプのオレンジの光が点滅していた。
その中で、シャーロット・グラムデルは俺にカスナ国のシリウス・バーンスタイン王子の相談をされたのだった。
シャーロットは俺にとって声だけの恋人だった。
「我がキサナ国のシャーロット・グラムデル姫を愚弄(ぐろう)する言い方をするな。
全てはあの時代が悪かったのだから」
「ようやく、話し始めたかシャルル、しかし、
元はと言えば、シャーロット・グラムデル姫の歌が原因ではないか、
あれさえなければ、この世界がこのようにはならなかった筈だ」
シャルルは舞台上で悔しそうな表情と両手を握りしめて耐えている感じだった。
俺にもこの世界での、この異世界でのシャーロット・グラムデル姫には、
かなりの影響を与えてしまった記憶を思い出した。
俺の元いた世界、日本では既に20年の歳月が流れ、
俺は、その時の経過を利用して故意に忘れたのだった、
まさか、俺が20年前に心配していたことが、このような異世界の現状を生み、
俺の20年前の人生の全てだったシャーロンとの声だけのお付き合いが、
シャーロンに当時の日本の音楽や世界の音楽を教えることが、
いずれ悲劇を生むであろうことを予知していても、
俺は豊洲のマンションでシャーロンの歌声を聴かない訳にはいかなかった。
「その、失踪したキサナ国のシャーロン姫は、本当は一体どうなったのだ?」
俺は3人が丁度、正三角形のような位置にいた状態だと、この距離感を見て思った。
シャルルが舞台中央に立っていて、ペトルが丁度、シャルルから真っ直ぐ観客席の中央に居て、
俺がペトルの左側のシャルルに近い観客席に座っていて、ペトルの方に向きながら、そう質問をした。
「私が知っている限りでは、シャーロット・グラムデルはキサナ国の魔法の森深くに入り、
森の魔法使いの老婆の所に行き、
そこで消息を絶ったとか、その辺は私よりもシャルルの方が知っている筈だ。
勇者ムート、シャーロンのことを知りたいなら、シャルルに直接聞けばいい」
ペトルにそう言われ、俺はシャルルの方に身体を向けて何か話そうとした時、
突然、小ホール後ろの扉がノックされ、俺とシャルルをいつもいつも監視している監視兵が現れた。
「何事だ?」
ペトルは威厳を保った声で、二人の監視兵に投げかける。
「衛生班から指示を仰ぎたいと、例の大量な娘達の死体についてですが」
要は、マーガレットが自分の若返りの為に若い娘達の生き血を抽出した、
出血多量した無数の屍を、今後どうするのか?
娘達の親たちにまずは還さなければならないのだが、どうしたものか、とまだ決めかねているらしい。
本当に最近の犠牲者なら身元は割れやすいが、既に腐っていたり、
白骨化状態の死体の方が大多数だし、地下拷問室の死体置き場の悪臭は、
今度は新たな疫病の根源になりかねない不衛生な状況にもなっていた。
「ま、兎に角、例の件はシャルルに聞いてくれ、
私は、ここの死体の件や色々とやることが多い、先程も話したが、
ジュリアスは今現在、精神が参っていて、鬱状態だから、
臨時代行業務をしなくれはならない」
「分かった、で、俺はどうしたらいい?」
「そうだな、まずはシャルルと例の件の詳細を聞けばいい、そして、その後は好きにすればいい、
そう言うと語弊があるか。
シャルルとまずは、キサナ国の北東にある旧グラムデル城にでも行くといい、
シャルルも何か考えがあるのだろうから、
ま、一応、こいつらは今までと同じように監視係として同行させる、
後はそっちで連れて行く者がいたら勝手に連れて行っていいぞ!
だが、私は無理だ、見ての通りジュリアスの代理で大変忙しい」
ペトルは意外にひょうきんな表情で俺らに話した。
「ペトル、その大量の死体の件だが、疫病がここの城からカスナ国に蔓延する恐れがあるから、
仕方ないが、全て火葬にするべきでは?」
俺は老婆心ながら助言した。
「そうさな、あんな惨い死体を親族に見せて確認作業も双方で酷なことだし、
火葬にして、骨を遺族たちに渡す方が賢明か。
ま、勇者ムートの助言に従うのも悪くは無いな」
ペトルは早速、まずは監視兵にその流れを伝え、小ホールから退散しようとし
「ここで、シャルル様の歌を聴いていたのですか?」
と兵の一人がペトルに質問し
ペトルは
「だから歌ってのは、なんと言うか、
人の心を簡単に変え、影響力を及ぼすと言うか、
そうだよなシャルル、知っている筈だ、シャーロンの歌の力を、
そして、
この世界には無い外人の世界からの歌と曲により我々は一時的に狂ってしまったってことを
あの曲はなんだっけ、
ああ思い出したCeltic WomanとかのYou Raise Me Upだ。
あの圧倒的なシャーロンの歌唱力と嘗てこの世界の者は誰一人聴いたことが無い、
だけども我々民族の根底に眠る魂を揺さぶった歌だ。
行くが良い、グラムデル城へ」
俺は嘗てシャーロンと言う女性と声だけのお付き合いをした。
そのことで、俺は今の今まで現世ニッポンで生きた屍のような生活をしていた。
今なら分かるよ、俺が何故、この異世界に召喚されたのかを。
俺もまた、この異世界とシャーロン姫に大きな贖罪(しょくざい)があるのだから。
俺とシャルルの御一行は、次の日に、キサナ国の北東に佇(たたず)むグラムデル城を目指して、
またキサナ国へと戻って行った。
1台の軍馬車に騎手が2名、例の監視兵2名、俺は馬には乗れないから、軍幌馬車の中で、マルラと二人きりだ。
シャルルはなんと馬に乗れるので、
以前のジュリアスやペトルのように軽装な甲冑を身に着け軍幌馬車の周りを行ったり来たりして、
周りを伺っていた。
シャルルの身長は180cmだから、ちょっとした女騎士みたいだ。
一応、最近までジュリアス率いる視察討伐隊が通ったのだから、
また盗賊が現れたりすることは無いと思うがどうなることやら。
それと、今回はエルザが俺とシャルルの御一行に参加しなかった訳は、やはりエルザは元々カスナ国出身で、
例のマーガレットによる猟奇大量殺人事件を逃れるためにキサナ国に逃げて来たというのが真相で、
多くの犠牲者の中には、知り合いや友達等が多くいたようで、
死体焼却と、その後の両親や親族探しに尽力したいので、
泣く啼(な)く断って来た。
なので、昨夜遅くまでしばしお別れの濃厚お互いの涎混ざりベロチューと、俺の蛇並?
カメレオン並に長い舌をフルに使ってのクンニ、
そして激しくて長い肉棒ストローク「わっしょい」駅弁ファックを行い、
完全にトドメイキ絶頂失神させたが、さてさて何時まで禁欲が持つのだろうか?
三十路ちかいからな~エルザは、もうひと家族?
というかもうひと母娘も心配っちゃあ心配ですね。
やはり一番の心配は娘のドロシーでは無く、三十路越えで、なんとも男好きする顔のオルネラだ。
特にオルネラはクンニが本当に好きで、しかも俺の特に長い舌を膣奥まで入れられるのが大好きで、
勃起したクリを舐められるよりも好きかも知れない。
だから、俺は、昨晩はこのしばしのお別れ組で尚且(なおか)つ、
奇遇な歳が近い三十路女は毎晩熟れた女体が火照って我慢出来ない組だから、
入念に、マルラには昨夜は中途半端で我慢してもらって、
その分をエルザとオルネラに時間とエッチを裂いたのだが、果たしてどの位の日数が持つのか、
正直知りませんがな。
ドロシーの件に関しては、あのままズルズルと「男性恐怖症」治療をしていたら、
ロリコンエッチも秒読み真近状態だから、正直ほっとしてます。
ドロシーの見た目は、基本的に弩ストライクなんだけど、
出会いが盗賊輪姦レイプ現場ですから、なんともはや。
娘が見ている前でオルネラのおねだりクンニ&駅弁ファックで
なんか、日頃エロエロな中身オッサンな俺だけど、なんか恥ずかしいと言うか、なんと言いますか、
割り切ってエッチで楽しめない、もう一人の自分がいました。
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