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感染者達の異常な身体能力と有事に対応出来ない警察官
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その情景とは対比的に、先ほどまで遠目(とおめ)だった沢山の人々の姿がどんどんと近付いてきて、顔の表情が見える頃には、ヘリは離陸をし始めた。
上空5~6メートルまで上昇した頃には、3人が走って逃げて行った方向から装甲車が勢いよく飛び出し、大勢の人間なのか感染者なのか?が向かってくる方向を避けるように4号線の道路目指して飛ばしていた。
「これからどうなるの?」
桐山千賀子は上昇するヘリを捕まえようとするように、両手を上げながら上空のヘリを見ている大勢の感染者らを見ながら、そう呟いた。
プロペラの音がうるさいが、それでも健常の普通の人間達なら、助けて!なり言葉を発するのだが、彼ら?奴らは決して言葉を発することは無く、しかし、以前!人間の頃の声帯は以前通り、持っているから獣のような奇妙な雄たけびや、唸り声?が微かに聞こえてきた。
今まで着陸していたカ所には感染者らが増え始め、遠くでは救急車なのかパトカーのサイレンが聞こえてきた。
AH‐1Sベルヘリコプターの高度を50メートルくらい上昇し、ホバリングしながら駆けつけたパトカーや救急車の状況を見守っていたら、最悪の状況?宇都宮の警察官や消防隊員はテレビのニュースなどでは見ている、知っている筈の感染者を目の前にして、どう対処すべきか分からなくなり、パニックに陥っているのか、パトカーの外に出ていた警察官に、躊躇わずに全速力でタックル?襲いかかる感染者に抵抗むなしく倒され、それを見ていた相方が急いで運転席に乗ったが、運悪くパワーウィンドーが空いていて、男は感染者に頭や顔を触られ、掴まれ、完全に感染させられた。
目視出来る範囲まで、ヘリをパトカーや救急車に近付くと、運転席の男の顔は既に血だらけで、片耳が感染者の凄い力でもぎ取られ、片眼も潰されているようだった。
そのような状態で、なんとかパトカーを発進させたのだが、運転中に感染者になったのか?出血多量で意識不明になったのか、パトカーは10メートル先の電柱に突っ込み、フロント部分が潰れて白い煙が出始めた。
直ぐに駆けつけた救急隊員も先程の警察官二人と同じような悲劇が降りかかり、3人のうち2人は直ぐに感染者達と揉み合いになり、直ぐに横に倒され、餌食となっていた。
その惨劇を見たもう一人は、彼なりの全速力で走って逃げたのだが、感染者達の走るスピードは、まるでオリンピックの短距離選手の身体能力を思わせる凄まじいスピードで追い掛け、直ぐに追い付かれ、倒され、無残な結果となった。
その惨劇を真昼間に真近に観てしまった桐山千賀子は絶句した状態でただただ、地上の惨劇を見続けるだけだった。
パトカーや消防車のサイレンがまた近付いてきていたが、もはやヘリのスピーカーから警告をすることも無駄なように思え凄惨な状況から機体の向きを変えた。
桐山千賀子も私に非難の声を上げるでもなく、力無く地上から離れるゆく景色を見続けていた。
サイレンの音が遠のくのを感じながらヘリはより北へと飛び立つのであった。
4号線バイパスの道路沿いをAH‐1Sベルヘリコプターで飛行していると直ぐに佐々木ミカと二人が乗っているであろう装甲車が、やはり東北は福島を目指して走行していた。
「なんで?宇都宮はまだ感染者はいないはずよ」
桐山千賀子は先程のショックから正気に戻ったのか、かなり興奮した感じで、独り言のように喋っている。
その内に、感情が高ぶって来たのか、関西にいる両親や兄弟!友達の安否を心配しだし、声を押し殺して泣いているようだった。
後芳から見ていた私は、彼女の肩が小刻みに震えている様子を見て、そう推測した。
普通の健常者たちなら、この、今の現状に精神が参ってしまうのは仕方がないことだろう。
こんな状態でも冷静で合理的な判断が出来る私は、やはり記憶喪失だからだと思われる。
自分の家族や知り合いの事を心配したり、自分が今まで生きて来た、努力してきた実績による努力の結晶の未来が今現在!Cウイルスによって破壊され始めているのだから、正常な精神状態を保て!と、言うのはかなり酷な状況だ。
私は桐山千賀子の今の状況に優しい言葉を掛けることは無く、ただただ可哀そうだが、次の目的地のことを考えていた。
次の避難地域は、やはり自衛隊のヘリを使っているから間違いなく自衛隊駐屯地で、そうすると近場はやはり福島駐屯地か。
時速70キロの装甲車を先ほど、追い越したAH‐1Sベルヘリコプターは早くも10キロは4号線道路を東北へと飛行した。
ヘリの眼下では4号線は政府の指示により、国民が無暗に外出を控えることを徹底されているのか、交通量は殆ど無く、警察のパトカーが時折徐行しているのが見えるだけだった。
4号線と東北高速道路が交差する処に差し掛かり、うわぁっっと思わず声を上げてしまった。
東北高速道路が超大渋滞で、本当に動いているのか?分からない感じで時速4キロ?徒歩のような速度で避難している車の渋滞が宇都宮の先、多分!埼玉県や群馬県からの長い長い渋滞が続いていた。
「感染者達も、高速道路に侵入して移動してくるかも」
桐山千賀子は鼻声のような声で不吉なことを言う。
しかし、多分!その通りだろう。
東北高速道路の下り側の路肩には定期的に自衛隊員が武装して配置されていたのが見えた。
下り方面の渋滞とは裏腹に空いている上り車線には、ところどころ装甲車や自衛隊トラック、そして大袈裟にも戦車まで停車していた。
そんな状況の下界を見ていると、ヘリの後ろから小型だが自衛隊用ヘリが近付いて来た。
上空5~6メートルまで上昇した頃には、3人が走って逃げて行った方向から装甲車が勢いよく飛び出し、大勢の人間なのか感染者なのか?が向かってくる方向を避けるように4号線の道路目指して飛ばしていた。
「これからどうなるの?」
桐山千賀子は上昇するヘリを捕まえようとするように、両手を上げながら上空のヘリを見ている大勢の感染者らを見ながら、そう呟いた。
プロペラの音がうるさいが、それでも健常の普通の人間達なら、助けて!なり言葉を発するのだが、彼ら?奴らは決して言葉を発することは無く、しかし、以前!人間の頃の声帯は以前通り、持っているから獣のような奇妙な雄たけびや、唸り声?が微かに聞こえてきた。
今まで着陸していたカ所には感染者らが増え始め、遠くでは救急車なのかパトカーのサイレンが聞こえてきた。
AH‐1Sベルヘリコプターの高度を50メートルくらい上昇し、ホバリングしながら駆けつけたパトカーや救急車の状況を見守っていたら、最悪の状況?宇都宮の警察官や消防隊員はテレビのニュースなどでは見ている、知っている筈の感染者を目の前にして、どう対処すべきか分からなくなり、パニックに陥っているのか、パトカーの外に出ていた警察官に、躊躇わずに全速力でタックル?襲いかかる感染者に抵抗むなしく倒され、それを見ていた相方が急いで運転席に乗ったが、運悪くパワーウィンドーが空いていて、男は感染者に頭や顔を触られ、掴まれ、完全に感染させられた。
目視出来る範囲まで、ヘリをパトカーや救急車に近付くと、運転席の男の顔は既に血だらけで、片耳が感染者の凄い力でもぎ取られ、片眼も潰されているようだった。
そのような状態で、なんとかパトカーを発進させたのだが、運転中に感染者になったのか?出血多量で意識不明になったのか、パトカーは10メートル先の電柱に突っ込み、フロント部分が潰れて白い煙が出始めた。
直ぐに駆けつけた救急隊員も先程の警察官二人と同じような悲劇が降りかかり、3人のうち2人は直ぐに感染者達と揉み合いになり、直ぐに横に倒され、餌食となっていた。
その惨劇を見たもう一人は、彼なりの全速力で走って逃げたのだが、感染者達の走るスピードは、まるでオリンピックの短距離選手の身体能力を思わせる凄まじいスピードで追い掛け、直ぐに追い付かれ、倒され、無残な結果となった。
その惨劇を真昼間に真近に観てしまった桐山千賀子は絶句した状態でただただ、地上の惨劇を見続けるだけだった。
パトカーや消防車のサイレンがまた近付いてきていたが、もはやヘリのスピーカーから警告をすることも無駄なように思え凄惨な状況から機体の向きを変えた。
桐山千賀子も私に非難の声を上げるでもなく、力無く地上から離れるゆく景色を見続けていた。
サイレンの音が遠のくのを感じながらヘリはより北へと飛び立つのであった。
4号線バイパスの道路沿いをAH‐1Sベルヘリコプターで飛行していると直ぐに佐々木ミカと二人が乗っているであろう装甲車が、やはり東北は福島を目指して走行していた。
「なんで?宇都宮はまだ感染者はいないはずよ」
桐山千賀子は先程のショックから正気に戻ったのか、かなり興奮した感じで、独り言のように喋っている。
その内に、感情が高ぶって来たのか、関西にいる両親や兄弟!友達の安否を心配しだし、声を押し殺して泣いているようだった。
後芳から見ていた私は、彼女の肩が小刻みに震えている様子を見て、そう推測した。
普通の健常者たちなら、この、今の現状に精神が参ってしまうのは仕方がないことだろう。
こんな状態でも冷静で合理的な判断が出来る私は、やはり記憶喪失だからだと思われる。
自分の家族や知り合いの事を心配したり、自分が今まで生きて来た、努力してきた実績による努力の結晶の未来が今現在!Cウイルスによって破壊され始めているのだから、正常な精神状態を保て!と、言うのはかなり酷な状況だ。
私は桐山千賀子の今の状況に優しい言葉を掛けることは無く、ただただ可哀そうだが、次の目的地のことを考えていた。
次の避難地域は、やはり自衛隊のヘリを使っているから間違いなく自衛隊駐屯地で、そうすると近場はやはり福島駐屯地か。
時速70キロの装甲車を先ほど、追い越したAH‐1Sベルヘリコプターは早くも10キロは4号線道路を東北へと飛行した。
ヘリの眼下では4号線は政府の指示により、国民が無暗に外出を控えることを徹底されているのか、交通量は殆ど無く、警察のパトカーが時折徐行しているのが見えるだけだった。
4号線と東北高速道路が交差する処に差し掛かり、うわぁっっと思わず声を上げてしまった。
東北高速道路が超大渋滞で、本当に動いているのか?分からない感じで時速4キロ?徒歩のような速度で避難している車の渋滞が宇都宮の先、多分!埼玉県や群馬県からの長い長い渋滞が続いていた。
「感染者達も、高速道路に侵入して移動してくるかも」
桐山千賀子は鼻声のような声で不吉なことを言う。
しかし、多分!その通りだろう。
東北高速道路の下り側の路肩には定期的に自衛隊員が武装して配置されていたのが見えた。
下り方面の渋滞とは裏腹に空いている上り車線には、ところどころ装甲車や自衛隊トラック、そして大袈裟にも戦車まで停車していた。
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