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川西美和子の場合
アキラ・ハヤーサ、語ります
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金属の国の空は今日も青い。地球の空も青かったな。
「はぁ」
「ちょっとアキラ!! いい加減にしなさい!!! アンタ、溜息が鬱陶しいのよ! 掃除の邪魔!!!」
折角の休日。家に居たら掃除の邪魔だと母さんに追い出された。
仕方なく家を出たけど、歩き回る気分にもなれない。はぁ。
近所の兄の家にお邪魔して、ここ最近の悩みを義姉たちに聞いてもらおうと思った。
アネットの家に行ったら、ハンナも兄2人も一緒に居た。丁度いい!!
「お、アキラ! どうしたんだ?」
一番上の兄が俺に声をかけてきた。流石長男、弟をよく見てるな。
「母さんに鬱陶しいって追い出された」
「それはしょうがないわねぇ~」
「だな。確かに今のアキラ鬱陶しいもん」
「ぐさっ」
「大体、もう3週間も経ってるのに、いつまでウジウジしてんのさ。そんなんだからミワコに振られたんでしょ?」
「そうよぉ。あんなナイーブな時期にリーナが帰ってきたことを【彼女が帰ってきた】なんて言うからブロックされちゃったのよぉ~」
「ぐさぐさっ」
兄嫁2人の容赦ない言葉が、俺の心に幾度となく超合金の槍を突き立てた。
く、くそ~。もう少し労わってくれても良いと思うんだけど! でも正しいのでなんも言えねぇ。
兄2人は、苦笑してるだけで助けてくれない。
そう。ミワコに『あえ~る』でブロックされてから3週間が過ぎていた。
あの日は、何年も行方不明になっていた幼馴染兼元カノのリーナが急に帰ってきたことから始まった。
昔から親交のあった俺とリーナの家は、急に男を連れて帰ってきたリーナを大騒ぎで出迎えた。
なんと! リーナが男を連れて帰ってきた! めでたい!! って騒ぎになった訳だ。
何でも婚約者らしい!
あの、ちっちゃい頃から俺の影に隠れてたリーナが嫁に行く。俺にとっては衝撃だった。
だから、その驚きのまま、ミワコにメッセージを送った。
それがとんでもない誤解を生むとも知らずに、俺は……はぁ。
家族総出でお祝いの準備をするとなれば、下っ端は駆り出される。
当然のように端末を確認する暇もなく、せっせと働かされて、解放された時、詳しい話をしようと思って開いた『あえ~る』には、ミワコのアカウントはなくなっていた。
その時の俺の後悔は、もう、な……。
「あ~! どう考えても、俺が中途半端にしかリーナの話をしなかったから、こんなことになったんだよな……」
――後悔してる。
好きって言わなかったことも、ちゃんと説明しなかったことも。
ミワコ、あの元カレのせいで、裏切りってことに敏感だったはずなのになぁ。
言い訳になるけど、次会ったらちゃんと告白するつもりだったんだからな!?
あの時仕事に行った俺が悪かったのか……はぁ、くそぉ。
そんな感傷に浸っていると通信機が震えた。着信か。相手は、俺の担当仲人のハルカだ。
「はい。どうした?」
「――ちょっと緊急事態です。貴方が連絡とってた、ミワコさんともう一度会えるかもしれませんが、どうします?」
「――は? どういうことだ?」
ミワコにもう一度会える?
そう思った瞬間、詳しい話はよく分からなかったから聞き飛ばして、条件反射の様にこう答えていた。
「会いたい。ミワコにもう一度会いたい!」
「了解です。準備出来たら連絡します」
そのままハルカの声は聞こえなくなった。
周りでは、兄嫁たちがミワコの名前に反応して聞き耳を立てたり、どうしたどうしたと聞いてくるけど、構ってられない。
会えるチャンスがあるなら、会って元気にしてるか確認したい。
傷つけたと思うから謝りたい。
そして、好きだって、俺とこの国で暮らしてほしいってちゃんと伝えたい。
「はぁ」
「ちょっとアキラ!! いい加減にしなさい!!! アンタ、溜息が鬱陶しいのよ! 掃除の邪魔!!!」
折角の休日。家に居たら掃除の邪魔だと母さんに追い出された。
仕方なく家を出たけど、歩き回る気分にもなれない。はぁ。
近所の兄の家にお邪魔して、ここ最近の悩みを義姉たちに聞いてもらおうと思った。
アネットの家に行ったら、ハンナも兄2人も一緒に居た。丁度いい!!
「お、アキラ! どうしたんだ?」
一番上の兄が俺に声をかけてきた。流石長男、弟をよく見てるな。
「母さんに鬱陶しいって追い出された」
「それはしょうがないわねぇ~」
「だな。確かに今のアキラ鬱陶しいもん」
「ぐさっ」
「大体、もう3週間も経ってるのに、いつまでウジウジしてんのさ。そんなんだからミワコに振られたんでしょ?」
「そうよぉ。あんなナイーブな時期にリーナが帰ってきたことを【彼女が帰ってきた】なんて言うからブロックされちゃったのよぉ~」
「ぐさぐさっ」
兄嫁2人の容赦ない言葉が、俺の心に幾度となく超合金の槍を突き立てた。
く、くそ~。もう少し労わってくれても良いと思うんだけど! でも正しいのでなんも言えねぇ。
兄2人は、苦笑してるだけで助けてくれない。
そう。ミワコに『あえ~る』でブロックされてから3週間が過ぎていた。
あの日は、何年も行方不明になっていた幼馴染兼元カノのリーナが急に帰ってきたことから始まった。
昔から親交のあった俺とリーナの家は、急に男を連れて帰ってきたリーナを大騒ぎで出迎えた。
なんと! リーナが男を連れて帰ってきた! めでたい!! って騒ぎになった訳だ。
何でも婚約者らしい!
あの、ちっちゃい頃から俺の影に隠れてたリーナが嫁に行く。俺にとっては衝撃だった。
だから、その驚きのまま、ミワコにメッセージを送った。
それがとんでもない誤解を生むとも知らずに、俺は……はぁ。
家族総出でお祝いの準備をするとなれば、下っ端は駆り出される。
当然のように端末を確認する暇もなく、せっせと働かされて、解放された時、詳しい話をしようと思って開いた『あえ~る』には、ミワコのアカウントはなくなっていた。
その時の俺の後悔は、もう、な……。
「あ~! どう考えても、俺が中途半端にしかリーナの話をしなかったから、こんなことになったんだよな……」
――後悔してる。
好きって言わなかったことも、ちゃんと説明しなかったことも。
ミワコ、あの元カレのせいで、裏切りってことに敏感だったはずなのになぁ。
言い訳になるけど、次会ったらちゃんと告白するつもりだったんだからな!?
あの時仕事に行った俺が悪かったのか……はぁ、くそぉ。
そんな感傷に浸っていると通信機が震えた。着信か。相手は、俺の担当仲人のハルカだ。
「はい。どうした?」
「――ちょっと緊急事態です。貴方が連絡とってた、ミワコさんともう一度会えるかもしれませんが、どうします?」
「――は? どういうことだ?」
ミワコにもう一度会える?
そう思った瞬間、詳しい話はよく分からなかったから聞き飛ばして、条件反射の様にこう答えていた。
「会いたい。ミワコにもう一度会いたい!」
「了解です。準備出来たら連絡します」
そのままハルカの声は聞こえなくなった。
周りでは、兄嫁たちがミワコの名前に反応して聞き耳を立てたり、どうしたどうしたと聞いてくるけど、構ってられない。
会えるチャンスがあるなら、会って元気にしてるか確認したい。
傷つけたと思うから謝りたい。
そして、好きだって、俺とこの国で暮らしてほしいってちゃんと伝えたい。
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