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川西美和子の場合
川西美和子、金属の国でデートします
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アキラの言うデカい店とやらは、私の思っていた百貨店のようなものではなく、2、3階建ての郊外にありそうなショッピングモールぐらいの建物だった。
その後ろにも同じような建物があり、いくつか連絡橋で繋がっているような造りになっているようだ。
まるで複雑なハムスターハウスみたいな感じだ。
縦には低いが、横に広い。
「さっ、入るぞー。何か見たいものはあるか?」
「うーん。何があるかよくわからないからねー。前みたいに上から順番に行くとかどう?」
「いいんじゃないか? じゃ上から行くか!」
先ずは一番手前の建物の最上階へ、移動式階段で向かう。
日本で言うエスカレーターみたいなものだ。
最上階はキッチン関係の日用品のフロアらしい。
カトラリーや食器、鍋やフライパンなどの調理器具が並び、思わず私のテンションも上がる。
「わ、このスプーンすっごく可愛い! 天使かな? あれ? この天使、どこかで見た気がする。 あ、こっちのコップも保温機能に優れてるんだって! でも持っても熱くないって」
「その2つはうちの会社が出してる商品だな。スプーンは女神エルをモチーフにしたシリーズで、他国にも人気なんだ。俺も売りこんでるヤツ。エルをモチーフにしたものなら、さっきのゲートとか、『あえ~る』のネックレスで見たんじゃないか? そのコップは人気のバルで使って評判が良くてさ、今は家庭用も広まってるんだ」
「そうなんだ」
なるほど、女神のモチーフはネックレスや銅像と同じらしい。
道理でどこかで見たことがあるような気がしていたんだ。
コップもカトラリーも地球にも同じような商品はあるが、何となく見たことのない感じのデザインが多いように思う。
調理器具も使い方の良く分からない器具があったりして、凄く新鮮だ。
小さな輪と大きな輪が紐で繋がれた不思議な商品があった。
「ねえアキラ」
「ん?」
「これは何?」
私が指さす方を見たアキラはすぐに合点がいったようだった。
「ああそれは、ヒョロ人の調理用拘束具」
「えっ!! 人食べるの!?」
拘束具とかヒョロ人とか、物騒な食習慣じゃないか!?
私それは無理だ。受け入れられない……。
そう思って落ち込んだところで、アキラが端末を操作して画面を見せてくれた。
「違うって。これがヒョロ人」
「ん? なにこれ……人参、に顔と手足が生えてる?」
「この国の野菜な、雨が少ないから自分で歩いて水辺に行くんだ。すぐ逃げるから、拘束具で捕まえておくんだ」
「へぇー」
マンドラゴラみたいなものかな。
野菜が抵抗するんだ。調理するの大変そう……。
その後私たちは下の階へ向かった。
私たちが最初に入った建物は、2階建てで下のフロアは吹き抜けのカフェスペースになっていた。
いろんなコンセプトのお店があるようで、何となくレトロに感じるような雰囲気あるお店やテイクアウト専門の屋台みたいな所、異国情緒漂う不思議な織物の壁掛けが飾られた店、テラス席のあるレンガ調の店舗等様々だ。
フロアの真ん中に銀色の水のような金属が流れる噴水があり、いくつかのベンチが置かれていて家族連れやカップルが座っている。
この銀色の金属は何なんだろう? 水銀?
それは危なすぎるから絶対違うと思うけど、何かの金属が流れている。
休憩にテイクアウトのドリンクでも買おうかと悩んでいたところ、近くで何か電子音がした。
アキラが先ほどヒョロ人の画像を見せてくれた端末を取り出したので、それが鳴ったようだ。
さっきのは電話だったようで、アキラはそれを耳に当てて話し始めた。
「どうした? なんかあったのか? え、会議!? それは、今からってことだよな? ――ちょっと後で掛け直すわ」
アキラは電話中、眉間にしわが寄ってたし、口調もちょっと焦っていた。これは……仕方ない感じのやつだ。
電話を切ったアキラは黙って少し考えこんでいるようだ。眉間のしわは相変わらず。
「ごめん。ミワコちょっと待ってて。もう一件電話かけるから」
私が頷くとアキラは電話をかけ始めた。
「あ、アネット? 今何してるんだ? ハンナと一緒なんだな! 朝言ってただろ? 俺たちジンの泉前にいるんだけど、仕事で呼び出されてどうしてもすぐ行かなきゃいけないんだ。ミワコに案内してやってくれないか? え? まだ言ってないけど……わ、分かった。ミワコに聞いてみる」
アキラの話から時折私の名前が聞こえるので、私をどうするか悩んでいるようだ。
電話をつないだまま、アキラが話しかけてきた。
「ミワコ、俺どうしても仕事に行かないといけなくなって」
「うん、さっきの電話だね。しょうがないよ。そういうこともある」
「本当にごめんな? せっかく来てもらったのに悪い。うちの兄の嫁さんがミワコと一緒にいてくれるから、仲人来るまで観光して待っててくれないか?」
「ん? お兄さんのお嫁さん? え、わざわざ来てくれるの!?」
「うん。今日ミワコと会うことは家族に言ってあったし、兄貴2人いるんだけど、その嫁たちが2人でお茶してるらしいから来てくれるって。いいか?」
え、え、どどどどうする美和子!? いきなりの兄嫁? 家族と対面?
アキラ、私の事家族に話してたのね。ていうか、もう、こんなの断れないよね??
「だ、大丈夫だよ」
いやいや、全然大丈夫じゃない。冷や汗が背筋を伝っていく。
でもそんなこと言えるわけない!
「そっか、よかった。ちょっと待ってな」
「アネット、ミワコもいいって。ジンの泉前にいるから。ありがとう」
アキラが電話を切った。もう腹をくくるしかないようだ。
アキラはさっきと打って変わって明るい顔をしている。きっと私を1人残すのが不安だったんだろう。
それから私に向き直って、申し訳なさそうに口を開いた。
「来てくれるって。ホントにごめんな? アネットもハンナもいい人だから仲良くなれると思う。2人が来たら俺、ちょっと仕事行ってくる。今度別の日に埋め合わせするな。前に言ってた筋肉王決定戦の観戦チケットが手に入ったら一緒に見に行かないか? …………ほんとごめん」
アキラはいつになく早口で饒舌だ。
男の人は立場が悪くなると饒舌になるのは、異世界でも共通らしい。
今回は仕方ないことなのに、後ろめたいと思うと一気に話してしまうものなのか。ちょっと面白い。
「大丈夫だよ。気にしてないから! そりゃ異世界に1人放置されたら怒るかもしれないけど、アキラは知り合いも呼んでくれたし、気遣ってくれてるのが分かるから大丈夫!!」
私がそう言うと安心したのか、アキラの表情が和らぐ。
「今日は観光地とかじゃなくて地元民の行きそうなところに案内して、この世界の文化を見てもらおうと思ってたんだ。付き合ってもないし家族に紹介するのも重いかと思ってたんだけど、友達は男ばっかりだから心配でつい……。まぁうちの兄嫁たちと仲良くなれたら、この世界でも不安は少なくなると思うし。これからも、来てくれないか? もちろん俺もミワコの世界にも行くから」
「そうなんだね。また遊びに来るよ」
よくアキラはときめかせる様な言い方をする。
確かにこの場で預けられるなら男友達よりはお姉さんたちがいい。
そんなことを話していると、快活な女性の声でアキラと呼ぶ声が聞こえた。
例のお姉さま方が到着したようである。お姉さま方の外見についてはとても美人で、うん。私に言えるのはこれだけだ。お姉さま方、ナイスセクシー。
「アネット、ハンナ。急に悪かった」
「ん~ん、いいのよぉ。可愛い義弟の頼みだもの」
「そうそう! どうせ今日は2人のデートに密着するつもりで来てたしな!」
「そうか、ありがとな……って付いて来てたのか!? あれだけ付いてくんなって言ったのに!」
アキラが憤慨しているが、彼そっちのけでお姉さま方の視線は私にくぎ付けである。
わー美人に見つめられてるー。照れるー。
「それより私たちはミワコさんに用があるのよぉ。今日ずっと見てたけど、大人っぽい見た目なのに笑った顔が可愛いのよぉ! いっぱいお話ししましょう」
「ほら、後は私たちに任せてさっさと仕事に行きな。デートをすっぽかすんだから、相応の成果を上げないと許さないよ」
「うっ! い、行ってくる!」
アキラは私にアイコンタクトを送ってきた末、追いやられるように仕事に向かった。
頑張ってって言いそびれたな。
ナイスセクシーな2人に囲まれた私。はぁ……。私、大丈夫かな?
その後ろにも同じような建物があり、いくつか連絡橋で繋がっているような造りになっているようだ。
まるで複雑なハムスターハウスみたいな感じだ。
縦には低いが、横に広い。
「さっ、入るぞー。何か見たいものはあるか?」
「うーん。何があるかよくわからないからねー。前みたいに上から順番に行くとかどう?」
「いいんじゃないか? じゃ上から行くか!」
先ずは一番手前の建物の最上階へ、移動式階段で向かう。
日本で言うエスカレーターみたいなものだ。
最上階はキッチン関係の日用品のフロアらしい。
カトラリーや食器、鍋やフライパンなどの調理器具が並び、思わず私のテンションも上がる。
「わ、このスプーンすっごく可愛い! 天使かな? あれ? この天使、どこかで見た気がする。 あ、こっちのコップも保温機能に優れてるんだって! でも持っても熱くないって」
「その2つはうちの会社が出してる商品だな。スプーンは女神エルをモチーフにしたシリーズで、他国にも人気なんだ。俺も売りこんでるヤツ。エルをモチーフにしたものなら、さっきのゲートとか、『あえ~る』のネックレスで見たんじゃないか? そのコップは人気のバルで使って評判が良くてさ、今は家庭用も広まってるんだ」
「そうなんだ」
なるほど、女神のモチーフはネックレスや銅像と同じらしい。
道理でどこかで見たことがあるような気がしていたんだ。
コップもカトラリーも地球にも同じような商品はあるが、何となく見たことのない感じのデザインが多いように思う。
調理器具も使い方の良く分からない器具があったりして、凄く新鮮だ。
小さな輪と大きな輪が紐で繋がれた不思議な商品があった。
「ねえアキラ」
「ん?」
「これは何?」
私が指さす方を見たアキラはすぐに合点がいったようだった。
「ああそれは、ヒョロ人の調理用拘束具」
「えっ!! 人食べるの!?」
拘束具とかヒョロ人とか、物騒な食習慣じゃないか!?
私それは無理だ。受け入れられない……。
そう思って落ち込んだところで、アキラが端末を操作して画面を見せてくれた。
「違うって。これがヒョロ人」
「ん? なにこれ……人参、に顔と手足が生えてる?」
「この国の野菜な、雨が少ないから自分で歩いて水辺に行くんだ。すぐ逃げるから、拘束具で捕まえておくんだ」
「へぇー」
マンドラゴラみたいなものかな。
野菜が抵抗するんだ。調理するの大変そう……。
その後私たちは下の階へ向かった。
私たちが最初に入った建物は、2階建てで下のフロアは吹き抜けのカフェスペースになっていた。
いろんなコンセプトのお店があるようで、何となくレトロに感じるような雰囲気あるお店やテイクアウト専門の屋台みたいな所、異国情緒漂う不思議な織物の壁掛けが飾られた店、テラス席のあるレンガ調の店舗等様々だ。
フロアの真ん中に銀色の水のような金属が流れる噴水があり、いくつかのベンチが置かれていて家族連れやカップルが座っている。
この銀色の金属は何なんだろう? 水銀?
それは危なすぎるから絶対違うと思うけど、何かの金属が流れている。
休憩にテイクアウトのドリンクでも買おうかと悩んでいたところ、近くで何か電子音がした。
アキラが先ほどヒョロ人の画像を見せてくれた端末を取り出したので、それが鳴ったようだ。
さっきのは電話だったようで、アキラはそれを耳に当てて話し始めた。
「どうした? なんかあったのか? え、会議!? それは、今からってことだよな? ――ちょっと後で掛け直すわ」
アキラは電話中、眉間にしわが寄ってたし、口調もちょっと焦っていた。これは……仕方ない感じのやつだ。
電話を切ったアキラは黙って少し考えこんでいるようだ。眉間のしわは相変わらず。
「ごめん。ミワコちょっと待ってて。もう一件電話かけるから」
私が頷くとアキラは電話をかけ始めた。
「あ、アネット? 今何してるんだ? ハンナと一緒なんだな! 朝言ってただろ? 俺たちジンの泉前にいるんだけど、仕事で呼び出されてどうしてもすぐ行かなきゃいけないんだ。ミワコに案内してやってくれないか? え? まだ言ってないけど……わ、分かった。ミワコに聞いてみる」
アキラの話から時折私の名前が聞こえるので、私をどうするか悩んでいるようだ。
電話をつないだまま、アキラが話しかけてきた。
「ミワコ、俺どうしても仕事に行かないといけなくなって」
「うん、さっきの電話だね。しょうがないよ。そういうこともある」
「本当にごめんな? せっかく来てもらったのに悪い。うちの兄の嫁さんがミワコと一緒にいてくれるから、仲人来るまで観光して待っててくれないか?」
「ん? お兄さんのお嫁さん? え、わざわざ来てくれるの!?」
「うん。今日ミワコと会うことは家族に言ってあったし、兄貴2人いるんだけど、その嫁たちが2人でお茶してるらしいから来てくれるって。いいか?」
え、え、どどどどうする美和子!? いきなりの兄嫁? 家族と対面?
アキラ、私の事家族に話してたのね。ていうか、もう、こんなの断れないよね??
「だ、大丈夫だよ」
いやいや、全然大丈夫じゃない。冷や汗が背筋を伝っていく。
でもそんなこと言えるわけない!
「そっか、よかった。ちょっと待ってな」
「アネット、ミワコもいいって。ジンの泉前にいるから。ありがとう」
アキラが電話を切った。もう腹をくくるしかないようだ。
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男の人は立場が悪くなると饒舌になるのは、異世界でも共通らしい。
今回は仕方ないことなのに、後ろめたいと思うと一気に話してしまうものなのか。ちょっと面白い。
「大丈夫だよ。気にしてないから! そりゃ異世界に1人放置されたら怒るかもしれないけど、アキラは知り合いも呼んでくれたし、気遣ってくれてるのが分かるから大丈夫!!」
私がそう言うと安心したのか、アキラの表情が和らぐ。
「今日は観光地とかじゃなくて地元民の行きそうなところに案内して、この世界の文化を見てもらおうと思ってたんだ。付き合ってもないし家族に紹介するのも重いかと思ってたんだけど、友達は男ばっかりだから心配でつい……。まぁうちの兄嫁たちと仲良くなれたら、この世界でも不安は少なくなると思うし。これからも、来てくれないか? もちろん俺もミワコの世界にも行くから」
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そんなことを話していると、快活な女性の声でアキラと呼ぶ声が聞こえた。
例のお姉さま方が到着したようである。お姉さま方の外見についてはとても美人で、うん。私に言えるのはこれだけだ。お姉さま方、ナイスセクシー。
「アネット、ハンナ。急に悪かった」
「ん~ん、いいのよぉ。可愛い義弟の頼みだもの」
「そうそう! どうせ今日は2人のデートに密着するつもりで来てたしな!」
「そうか、ありがとな……って付いて来てたのか!? あれだけ付いてくんなって言ったのに!」
アキラが憤慨しているが、彼そっちのけでお姉さま方の視線は私にくぎ付けである。
わー美人に見つめられてるー。照れるー。
「それより私たちはミワコさんに用があるのよぉ。今日ずっと見てたけど、大人っぽい見た目なのに笑った顔が可愛いのよぉ! いっぱいお話ししましょう」
「ほら、後は私たちに任せてさっさと仕事に行きな。デートをすっぽかすんだから、相応の成果を上げないと許さないよ」
「うっ! い、行ってくる!」
アキラは私にアイコンタクトを送ってきた末、追いやられるように仕事に向かった。
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