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アッシュ・テイラー、異世界ホームステイする②
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ケイの家に初めてやってきた翌朝。
食べ物の焼けるいい匂いで目覚めた俺は、身支度を整え、鼻で匂いの出どころを探す。
「あ、おはよう、アッシュ。よく眠れた?」
匂いにつられるまま炊事場に向かうと、紺の地に大きなブサ猫の絵が描かれたエプロンをつけたケイが、卵とベーコンを焼いていた。
こんがりと焼かれるのを待っている柔らかそうなパン。鍋には野菜のたっぷり入ったスープが見える。
なんだその絶妙に表情が不細工な猫は……。
エプロンのセンスに疑問を抱きつつもケイに言葉を返す。
「ケイ……。おかげさまでぐっすりだ」
「よかった。昨日は子どもたちがごめんね。急でびっくりしたでしょ?」
「いや、まあ……勢いに驚きはしたが、問題ない。子どもたちも加減を分かって触れているようだったし、賢い子たちだな」
「よかった。もうすぐあの子たちも起きてくるし、座ってていいよ」
ケイの言うように、ソファに腰かける。
俺はぼんやりと『テレビ』を見ながら、昨日のことを思い返す。
あの後、自己紹介をしてもらうこととなったのだ。
茶色いツインテールの長女は美羽という名で、しっかり者の5歳。
紫の髪の男の子、満は4歳になったばかりらしい。
最近一人歩行ができるようになった雪。何にでも興味を持つ1歳児だ。
子供に触れ合う機会はそうそうないので、初めは俺も大分戸惑ってしまった。
怖がらないかと心配だったが、そんな心配は杞憂だった。
目の前で狼に戻ってやると、子どもたちは顔を埋めに来たり、もふもふしたりと、とても可愛く懐いてくれた。
人の子でこれだけ可愛いのだから、自分の子はどれほどの可愛さなんだろうか。
ましてや、サクラとの子……はぁ、絶対可愛い。嫁にはいかせん。
そう思ったところで、パタパタと軽い足音が複数聞こえてきた。
「「アッシュ~!」」
上2人が、ソファに座った俺の腹部に飛び込んできた。
「ぐふ、ミウ、ミツル……おはよう」
「あー」
俺が何とか2人を受け止めていると、ケイに抱っこされたユキが挨拶してくれる。
「おー。ユキもおはよう」
「さ、みんな座って。ごはん食べよう」
ケイの声にならい、テーブルに着くと、元気よく「いただきます」と言って食べ始める。
「簡単なのでごめんね。口に合うかな?」
「そんなことはない。美味い。ケイは料理が得意なのか?」
「よかった。昔は全然作ったこともなかったんだけど、日本に来て奥さんに教えてもらってたらハマっちゃって」
ケイはそう言って照れくさそうに笑った。
幸せそうでなんだかいいと思う。
************************************
幸せな食事のあとは、大急ぎで準備を済ませ、子どもたちを『ホイクエン』に連れていき、ケイは世界政府へ出社していった。
俺はと言えば、今日は『ワタラセジンジャ』に行くことが決まっている。
今日はやたちゃんからサクラの行動パターンやこの世界の常識について教わることにしたのだ。
サクラの生活を見るために来ているのに通報されたら話にならない。常識を知らずに国に強制送還といった恐ろしいことにはなりたくないからな。
『ワタラセ』家の一室に入ると、何かの敷物と本を積み重ねた上にやたちゃんが立っている。
「お、坊主。来たな! こっち座れよ」
促されるまま、ひざ丈程の高さのテーブル『チャブダイ』を挟んで向かい側に腰かける。
「早速だが、この国の一般常識をより深く説明するぞ。アーニメルタとは随分違うから注意しろよ?」
彼から聞いたことは、例えば動物は喋らないとか、デカい狼が町中にいることはないから気をつけろとか。
アーニメルタとは違って、魔物とかは出てこないので護身用のナイフなんかを持っていると通報されるとか……。
植物園に行くときに見かけた車や信号、バスなんかの移動手段の話。あえ~るで供給された地図の読み方等々。
教育や文化、サクラの行っている『ダイガク』の詳しい話。
それらを聞いたうえで俺は愕然とした。
「そんな……つまり『ダイガク』には男がいるのか? この国では、サ、『サークル』なるもので、愛をはぐくむのか……はっ! サクラは! サクラはその『サークル』とやらに入っているのか!?」
やたちゃんの鳥胸倉を掴んで詰め寄る。
「ぐ、ぐえ……落ち着け……サクラの嬢ちゃんは、勉強が忙しくて入ってないようだが、最近、テニスサークルに誘われているようだぞ……男に」
「なにっ!? サクラに男が付きまとっているだと!? 一刻も早く見に行かなければ!!! 情報感謝する!!!!」
俺は慌ててやたちゃんを掴んでいた手を放して、部屋を後にした。
「あっおい! ……サークルで愛をはぐくむは、言い過ぎたか?」
『ショウジ』越しに何か聞こえたような気がしたが、気にする余裕はなく、俺は『ダイガク』を目指した。
人間に紛れて、『デンシャ』と『バス』を乗り継ぎ暫く。
俺の前には『ダイガク』の大きな門がある。
これがサクラの通う『ダイガク』。
白で塗装された金属の門、両脇には花壇が広がり、右脇には大きく『ダイガク』の名が彫られた石の看板がある。
時間帯のせいなのか、人通りはまばらだ。
『ダイガク』は誰でも入場できるそうなので、俺は普通に門をくぐり、いくつか見える校舎へ向かう。
さて、この広大な『ダイガク』からサクラを探し出すにはどうすればいいのか。
やたちゃんの情報によると、サクラは毎日友達と一緒に学生食堂で弁当を食べているようなので、そこで待ち伏せて午後の授業についていこうと思う。
すぐに学生食堂を見つけた俺は、適当な席に座った。
これで後はサクラを待つのみだ。
サクラに近寄る男どもめ。待ってろよ……俺のサクラに近づいたことを後悔させてやる!
俺はまだ見ぬ敵に闘志を燃やすのだった。
食べ物の焼けるいい匂いで目覚めた俺は、身支度を整え、鼻で匂いの出どころを探す。
「あ、おはよう、アッシュ。よく眠れた?」
匂いにつられるまま炊事場に向かうと、紺の地に大きなブサ猫の絵が描かれたエプロンをつけたケイが、卵とベーコンを焼いていた。
こんがりと焼かれるのを待っている柔らかそうなパン。鍋には野菜のたっぷり入ったスープが見える。
なんだその絶妙に表情が不細工な猫は……。
エプロンのセンスに疑問を抱きつつもケイに言葉を返す。
「ケイ……。おかげさまでぐっすりだ」
「よかった。昨日は子どもたちがごめんね。急でびっくりしたでしょ?」
「いや、まあ……勢いに驚きはしたが、問題ない。子どもたちも加減を分かって触れているようだったし、賢い子たちだな」
「よかった。もうすぐあの子たちも起きてくるし、座ってていいよ」
ケイの言うように、ソファに腰かける。
俺はぼんやりと『テレビ』を見ながら、昨日のことを思い返す。
あの後、自己紹介をしてもらうこととなったのだ。
茶色いツインテールの長女は美羽という名で、しっかり者の5歳。
紫の髪の男の子、満は4歳になったばかりらしい。
最近一人歩行ができるようになった雪。何にでも興味を持つ1歳児だ。
子供に触れ合う機会はそうそうないので、初めは俺も大分戸惑ってしまった。
怖がらないかと心配だったが、そんな心配は杞憂だった。
目の前で狼に戻ってやると、子どもたちは顔を埋めに来たり、もふもふしたりと、とても可愛く懐いてくれた。
人の子でこれだけ可愛いのだから、自分の子はどれほどの可愛さなんだろうか。
ましてや、サクラとの子……はぁ、絶対可愛い。嫁にはいかせん。
そう思ったところで、パタパタと軽い足音が複数聞こえてきた。
「「アッシュ~!」」
上2人が、ソファに座った俺の腹部に飛び込んできた。
「ぐふ、ミウ、ミツル……おはよう」
「あー」
俺が何とか2人を受け止めていると、ケイに抱っこされたユキが挨拶してくれる。
「おー。ユキもおはよう」
「さ、みんな座って。ごはん食べよう」
ケイの声にならい、テーブルに着くと、元気よく「いただきます」と言って食べ始める。
「簡単なのでごめんね。口に合うかな?」
「そんなことはない。美味い。ケイは料理が得意なのか?」
「よかった。昔は全然作ったこともなかったんだけど、日本に来て奥さんに教えてもらってたらハマっちゃって」
ケイはそう言って照れくさそうに笑った。
幸せそうでなんだかいいと思う。
************************************
幸せな食事のあとは、大急ぎで準備を済ませ、子どもたちを『ホイクエン』に連れていき、ケイは世界政府へ出社していった。
俺はと言えば、今日は『ワタラセジンジャ』に行くことが決まっている。
今日はやたちゃんからサクラの行動パターンやこの世界の常識について教わることにしたのだ。
サクラの生活を見るために来ているのに通報されたら話にならない。常識を知らずに国に強制送還といった恐ろしいことにはなりたくないからな。
『ワタラセ』家の一室に入ると、何かの敷物と本を積み重ねた上にやたちゃんが立っている。
「お、坊主。来たな! こっち座れよ」
促されるまま、ひざ丈程の高さのテーブル『チャブダイ』を挟んで向かい側に腰かける。
「早速だが、この国の一般常識をより深く説明するぞ。アーニメルタとは随分違うから注意しろよ?」
彼から聞いたことは、例えば動物は喋らないとか、デカい狼が町中にいることはないから気をつけろとか。
アーニメルタとは違って、魔物とかは出てこないので護身用のナイフなんかを持っていると通報されるとか……。
植物園に行くときに見かけた車や信号、バスなんかの移動手段の話。あえ~るで供給された地図の読み方等々。
教育や文化、サクラの行っている『ダイガク』の詳しい話。
それらを聞いたうえで俺は愕然とした。
「そんな……つまり『ダイガク』には男がいるのか? この国では、サ、『サークル』なるもので、愛をはぐくむのか……はっ! サクラは! サクラはその『サークル』とやらに入っているのか!?」
やたちゃんの鳥胸倉を掴んで詰め寄る。
「ぐ、ぐえ……落ち着け……サクラの嬢ちゃんは、勉強が忙しくて入ってないようだが、最近、テニスサークルに誘われているようだぞ……男に」
「なにっ!? サクラに男が付きまとっているだと!? 一刻も早く見に行かなければ!!! 情報感謝する!!!!」
俺は慌ててやたちゃんを掴んでいた手を放して、部屋を後にした。
「あっおい! ……サークルで愛をはぐくむは、言い過ぎたか?」
『ショウジ』越しに何か聞こえたような気がしたが、気にする余裕はなく、俺は『ダイガク』を目指した。
人間に紛れて、『デンシャ』と『バス』を乗り継ぎ暫く。
俺の前には『ダイガク』の大きな門がある。
これがサクラの通う『ダイガク』。
白で塗装された金属の門、両脇には花壇が広がり、右脇には大きく『ダイガク』の名が彫られた石の看板がある。
時間帯のせいなのか、人通りはまばらだ。
『ダイガク』は誰でも入場できるそうなので、俺は普通に門をくぐり、いくつか見える校舎へ向かう。
さて、この広大な『ダイガク』からサクラを探し出すにはどうすればいいのか。
やたちゃんの情報によると、サクラは毎日友達と一緒に学生食堂で弁当を食べているようなので、そこで待ち伏せて午後の授業についていこうと思う。
すぐに学生食堂を見つけた俺は、適当な席に座った。
これで後はサクラを待つのみだ。
サクラに近寄る男どもめ。待ってろよ……俺のサクラに近づいたことを後悔させてやる!
俺はまだ見ぬ敵に闘志を燃やすのだった。
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