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第7章
第181話
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俺たちに向かって駆けてくる、第二中隊の軍人たちの姿は、獣の因子の完全開放により、獣性が、全身に濃く発現している。体毛のある獣の因子を宿す者は、首周り・腕周り・脚周りなどに、体毛が濃く現れる。体毛の無い獣の因子を宿す者は、全身の肌が変質・変色し、中には、鱗を纏う者までいる。どの者たちも、完全開放した事で、魔力の質が大幅に向上し、魔力量も、先程までのがお遊びだと言わんばかりに、跳ね上がっている。
これが、因子を完全開放した、獣人の姿か。人の特性、獣の特性、その二つが綺麗に混じり合い、新たな一つの力になる。互いの特性が、互いの足りない所を補い合い、より大きな力に昇華させる。獣人という存在が、他の種族に引けを取らないのも、これらの力を完璧に制御し、扱う事が出来るからだ。
竜人族の皆は、各属性を司る竜の力という、強大ではあるが、限定された一つの種を扱う事が出来る。だが獣人は、それぞれの獣の因子ごとに、扱う力が変わる。場所や状況など、様々な面での使い分けは出来る分だけ、汎用性が高く、便利と言ってもいい。
「……ハッ‼」(河馬人族の軍人)
「………フッ‼」(馬人族の軍人)
「……‼………‼」
河馬人族の軍人の振るう、巨大な藍色の戦斧の刃が、右半身を後ろに引いて、ギリギリの位置で避けた、俺の眼前を過ぎていく。そこに背後から、馬人族の軍人が加速しながら接近し、常盤色のランスで、心臓目掛けて、鋭き突きを放つ。迫りくる突きに対し、背に半月状の魔力障壁を展開し、受け流そうとする。
「―――――障壁なんぞ‼」(馬人族の軍人)
ゾワリとしたものを感じ、前方に向けて、回避行動をとる。そして、その判断は正しかった。馬人族のランスは、俺の魔力障壁を、いとも簡単に貫いていた。展開していた魔力障壁には穴が開いており、回避の判断が遅れていれば、背中から貫かれていただろう。
〈結構な質と量の魔力を籠めて、構築した障壁だぞ。…それをこうも容易く。強力な魔槍の力に、使用者の技量が重なった結果か。次からは、もっと障壁の強度を高めて、構築する必要があるな〉
獣の因子の完全開放により、一人一人の戦力が、一段階も二段階も上昇している。頭では分かっていても、実際に体験すると、よりその強さを実感する。気を引き締め直して、俺に向かってくる戦士たちと相対する。
豹人族・狼人族・羊人族などの軍人は、敏捷性と、高い機動力を活かした、一撃離脱による、手数での勝負の戦闘で仕掛けてくる。逆に、象人族・亀人族・熊人族などの軍人は、恵まれた肉体と優れた体幹による、高い筋力と打たれ強さ、バランス能力を活かした、一撃粉砕の、近接戦闘を仕掛けてくる。さらに、狐人族・獏人族・梟人族・孔雀人族などの軍人による、多種多様な魔術が襲い掛かって来る。物理的に、殺傷能力の高い魔術から、精神的に干渉してくる、幻影などの搦手による魔術。どちらも、高い練度で放ってくるので、そちらにも注意を払わなくてはいけない。
第二中隊の軍人たちの、迅速な動きに対応するために、高密度・高濃度・高純度の、無属性の魔力を練り上げ、身体全体に循環させ、圧縮し、身体強化をする。打刀にも、無属性の魔力を籠めて、刀身の強度と切れ味を強化する。今の所、軍人たちの持つ、強力な武具とのぶつけ合いでは、刀身に罅や傷などはない。だが確実に、刀身に負荷とダメージが積み重なっている。歴戦の戦士たち相手に、一瞬の隙でも与えられない。使用している打刀が壊れる事を想定して、異空間倉庫を開く事を、常に想定して動きながら、軍人たちとの戦闘を続ける。
「―――好機」(狼人族の軍人)
「――仕留める」(象人族の軍人)
打刀の刀身が、綺麗に砕け散る。即座に、異空間倉庫を左腰の位置に、小さく展開する。そんな俺の隙を見逃さずに、一気に距離を詰めて、仕留めにかかってくる。狼人族のロングソードに、象人族の戦鎚による、連携攻撃が迫る。一切ブレのない、綺麗な剣筋による一振りに、全てを叩き潰すかの様に、上段からの圧倒的な力による振り下ろし。二つの攻撃が、時間差で繰り出される。
〈どちらも速い‼だが、俺を仕留めるには、ほんの少しだけ遅い‼〉
小さく展開した異空間倉庫から、スーッと、打刀の柄が現れる。イメージしたのは、某金ぴかの王様の、刀剣類などの取り出し方だ。着目したのは、使用している武具が、破損や使用不可能になった際に、直ぐに新たな武具を取り出す事が出来る、という点だ。
現れた打刀の柄を掴み、異空間倉庫を鞘代わりにして、狼人族の軍人の振るう、ロングソードの刃にぶつけ合う様に、抜刀術を放つ。しかしここで、予想外の事が起こる。新たに取り出した打刀の刀身が、僅か一合で、ロングソードの剣身に、綺麗に切断されてしまった。魔力感知などでよく観察すると、ロングソードの剣身に、無色透明な水が纏われている。高密度・高純度の、水属性の魔力で纏われているので、ロングソードの切れ味が何段階も上がっており、たったの一合で、打刀の刀身を切断する事が出来たのだろう。
「――――――粉砕」(象人族の軍人)
刀身が、半ばで切断された打刀を、異空間倉庫に放り投げる。振り下ろされる巨大な戦鎚に対抗するために、無属性の魔力で強化している身体に、高純度の土属性の魔力による身体強化を重ね掛けし、両腕に魔力を圧縮する。象人族の軍人も、狼人族の軍人同様に、戦鎚に、高密度・高純度の土属性の魔力を纏わせており、戦鎚の硬度と破壊力を増して振るっている。
象人族の軍人の戦鎚と、俺の両腕による突きがぶつかり合い、地面を破壊し、周囲に衝撃波が放たれる。
「―――――――ヌゥン‼」(象人族の軍人)
互いに距離を取る事なく、超至近距離での戦闘を始める。先手を取ったのは、象人族の軍人だ。象人族の規格外の身体能力による、巨大で超重厚な戦鎚での、息も吐かせぬ連続攻撃だ。それを避ける事なく、一撃一撃を全て両拳で迎撃し、相殺していく。
一振り一振り事に、戦鎚の威力・速度が上昇していく。次第に、両拳の攻撃では相殺しきれず、押され始めてきた。獣人の中でも、最強クラスの象人族に対抗するには、この程度の身体強化ではダメか。
〈それならば―――〉
無属性の魔力、土属性の魔力での身体強化の重ね掛けでは、象人族の膂力に及ばないのなら、さらに身体強化を重ね掛けをしてでも、象人族の膂力に打ち勝てる領域まで、自らの身体性能を引き上げる‼
火属性の魔力、雷属性の魔力、光属性の魔力での身体強化を重ね掛けして、身体の性能の全てを、何段階も上の領域に引き上げる。循環・感覚・神経・運動器官などの全ての性能を上昇させ、象人族にも引けを取らない様な、強靭な肉体に変える。象人族の軍人の振るう戦鎚に向かって、右拳を放つ。
「―――――――フッ‼」
「――――――――⁉」(象人族の軍人)
ぶつかり合う戦鎚と拳。先程までは、象人族の戦鎚が押していた。象人族の軍人は、この一撃で潰せると思ったのだろう。だが結果は、戦鎚がかち上げられるというものだった。
右脚を一歩前に、力強く踏み込む。踏み込んだ地面が砕け、罅が入り、広がっていく。右腕を後ろに引きながら、同時に腰を鋭く回転させ、左拳を放つ。その左拳は、戦鎚をかち上げられ、正面が無防備になっている、象人族の軍人の鳩尾に、綺麗に吸い込まれる。
「――――――ガ‼」(象人族の軍人)
流れる様に、象人族の顎を右拳で打ち抜く。だが、流石はタフな象人族。人体構造上の弱点を狙ったにもかかわらず、ほんの一瞬だけ、意識を刈り取れただけだった。だが、それでいい。そのほんの一瞬で、象人族の軍人の懐に入り込む。
「―――――――ハアアアアッ‼」
息も吐かせぬ、目にも止まらぬ速さで、腹部と胸部に向けて、拳と蹴りでの連続攻撃を放っていく。防ぐ間も与えない。
「……まだまだ‼」(象人族の軍人)
象人族の軍人は、防御を捨てて、俺の攻撃を受け続けながらも、戦鎚を振り上げる。そして、戦鎚に残りの全魔力を籠めていく。高密度の魔力によって、戦鎚の周囲の空間が震える。象人族の軍人が、ニヤリと笑う。
「――――――ゆくぞ」(象人族の軍人)
戦鎚が、真っ直ぐ下に振り下ろさる。それに対して、俺は左拳でのアッパーを放つ。ぶつかり合う戦鎚と拳。魔力同士もぶつかり合い、バチバチと反発し合っている。
「ウォオオオオオオ‼」(象人族の軍人)
「オラァアアアアア‼」
最後のぶつかり合いは、戦鎚が粉々に砕けた事で終わる。その瞬間に、象人族の軍人は、どこか満足してしまったかの様に、ニカリと笑う。
「――――見事」(象人族の軍人)
「―――――‼」
象人族の軍人の顔面に、俺の右拳が突き刺さる。象人族の軍人は吹き飛ばされ、地面に何度か叩きつけられながら、木々を薙ぎ倒して、一本の大きな木にぶつかり、その動きを止めた。
強き戦士であった、象人族の軍人に敬意を示す。敵としてではなく、良き友人、良き研鑽相手として出会いたかった。そんな思いを抱きながら、次々と仕掛けてくる軍人たちと相対する。
これが、因子を完全開放した、獣人の姿か。人の特性、獣の特性、その二つが綺麗に混じり合い、新たな一つの力になる。互いの特性が、互いの足りない所を補い合い、より大きな力に昇華させる。獣人という存在が、他の種族に引けを取らないのも、これらの力を完璧に制御し、扱う事が出来るからだ。
竜人族の皆は、各属性を司る竜の力という、強大ではあるが、限定された一つの種を扱う事が出来る。だが獣人は、それぞれの獣の因子ごとに、扱う力が変わる。場所や状況など、様々な面での使い分けは出来る分だけ、汎用性が高く、便利と言ってもいい。
「……ハッ‼」(河馬人族の軍人)
「………フッ‼」(馬人族の軍人)
「……‼………‼」
河馬人族の軍人の振るう、巨大な藍色の戦斧の刃が、右半身を後ろに引いて、ギリギリの位置で避けた、俺の眼前を過ぎていく。そこに背後から、馬人族の軍人が加速しながら接近し、常盤色のランスで、心臓目掛けて、鋭き突きを放つ。迫りくる突きに対し、背に半月状の魔力障壁を展開し、受け流そうとする。
「―――――障壁なんぞ‼」(馬人族の軍人)
ゾワリとしたものを感じ、前方に向けて、回避行動をとる。そして、その判断は正しかった。馬人族のランスは、俺の魔力障壁を、いとも簡単に貫いていた。展開していた魔力障壁には穴が開いており、回避の判断が遅れていれば、背中から貫かれていただろう。
〈結構な質と量の魔力を籠めて、構築した障壁だぞ。…それをこうも容易く。強力な魔槍の力に、使用者の技量が重なった結果か。次からは、もっと障壁の強度を高めて、構築する必要があるな〉
獣の因子の完全開放により、一人一人の戦力が、一段階も二段階も上昇している。頭では分かっていても、実際に体験すると、よりその強さを実感する。気を引き締め直して、俺に向かってくる戦士たちと相対する。
豹人族・狼人族・羊人族などの軍人は、敏捷性と、高い機動力を活かした、一撃離脱による、手数での勝負の戦闘で仕掛けてくる。逆に、象人族・亀人族・熊人族などの軍人は、恵まれた肉体と優れた体幹による、高い筋力と打たれ強さ、バランス能力を活かした、一撃粉砕の、近接戦闘を仕掛けてくる。さらに、狐人族・獏人族・梟人族・孔雀人族などの軍人による、多種多様な魔術が襲い掛かって来る。物理的に、殺傷能力の高い魔術から、精神的に干渉してくる、幻影などの搦手による魔術。どちらも、高い練度で放ってくるので、そちらにも注意を払わなくてはいけない。
第二中隊の軍人たちの、迅速な動きに対応するために、高密度・高濃度・高純度の、無属性の魔力を練り上げ、身体全体に循環させ、圧縮し、身体強化をする。打刀にも、無属性の魔力を籠めて、刀身の強度と切れ味を強化する。今の所、軍人たちの持つ、強力な武具とのぶつけ合いでは、刀身に罅や傷などはない。だが確実に、刀身に負荷とダメージが積み重なっている。歴戦の戦士たち相手に、一瞬の隙でも与えられない。使用している打刀が壊れる事を想定して、異空間倉庫を開く事を、常に想定して動きながら、軍人たちとの戦闘を続ける。
「―――好機」(狼人族の軍人)
「――仕留める」(象人族の軍人)
打刀の刀身が、綺麗に砕け散る。即座に、異空間倉庫を左腰の位置に、小さく展開する。そんな俺の隙を見逃さずに、一気に距離を詰めて、仕留めにかかってくる。狼人族のロングソードに、象人族の戦鎚による、連携攻撃が迫る。一切ブレのない、綺麗な剣筋による一振りに、全てを叩き潰すかの様に、上段からの圧倒的な力による振り下ろし。二つの攻撃が、時間差で繰り出される。
〈どちらも速い‼だが、俺を仕留めるには、ほんの少しだけ遅い‼〉
小さく展開した異空間倉庫から、スーッと、打刀の柄が現れる。イメージしたのは、某金ぴかの王様の、刀剣類などの取り出し方だ。着目したのは、使用している武具が、破損や使用不可能になった際に、直ぐに新たな武具を取り出す事が出来る、という点だ。
現れた打刀の柄を掴み、異空間倉庫を鞘代わりにして、狼人族の軍人の振るう、ロングソードの刃にぶつけ合う様に、抜刀術を放つ。しかしここで、予想外の事が起こる。新たに取り出した打刀の刀身が、僅か一合で、ロングソードの剣身に、綺麗に切断されてしまった。魔力感知などでよく観察すると、ロングソードの剣身に、無色透明な水が纏われている。高密度・高純度の、水属性の魔力で纏われているので、ロングソードの切れ味が何段階も上がっており、たったの一合で、打刀の刀身を切断する事が出来たのだろう。
「――――――粉砕」(象人族の軍人)
刀身が、半ばで切断された打刀を、異空間倉庫に放り投げる。振り下ろされる巨大な戦鎚に対抗するために、無属性の魔力で強化している身体に、高純度の土属性の魔力による身体強化を重ね掛けし、両腕に魔力を圧縮する。象人族の軍人も、狼人族の軍人同様に、戦鎚に、高密度・高純度の土属性の魔力を纏わせており、戦鎚の硬度と破壊力を増して振るっている。
象人族の軍人の戦鎚と、俺の両腕による突きがぶつかり合い、地面を破壊し、周囲に衝撃波が放たれる。
「―――――――ヌゥン‼」(象人族の軍人)
互いに距離を取る事なく、超至近距離での戦闘を始める。先手を取ったのは、象人族の軍人だ。象人族の規格外の身体能力による、巨大で超重厚な戦鎚での、息も吐かせぬ連続攻撃だ。それを避ける事なく、一撃一撃を全て両拳で迎撃し、相殺していく。
一振り一振り事に、戦鎚の威力・速度が上昇していく。次第に、両拳の攻撃では相殺しきれず、押され始めてきた。獣人の中でも、最強クラスの象人族に対抗するには、この程度の身体強化ではダメか。
〈それならば―――〉
無属性の魔力、土属性の魔力での身体強化の重ね掛けでは、象人族の膂力に及ばないのなら、さらに身体強化を重ね掛けをしてでも、象人族の膂力に打ち勝てる領域まで、自らの身体性能を引き上げる‼
火属性の魔力、雷属性の魔力、光属性の魔力での身体強化を重ね掛けして、身体の性能の全てを、何段階も上の領域に引き上げる。循環・感覚・神経・運動器官などの全ての性能を上昇させ、象人族にも引けを取らない様な、強靭な肉体に変える。象人族の軍人の振るう戦鎚に向かって、右拳を放つ。
「―――――――フッ‼」
「――――――――⁉」(象人族の軍人)
ぶつかり合う戦鎚と拳。先程までは、象人族の戦鎚が押していた。象人族の軍人は、この一撃で潰せると思ったのだろう。だが結果は、戦鎚がかち上げられるというものだった。
右脚を一歩前に、力強く踏み込む。踏み込んだ地面が砕け、罅が入り、広がっていく。右腕を後ろに引きながら、同時に腰を鋭く回転させ、左拳を放つ。その左拳は、戦鎚をかち上げられ、正面が無防備になっている、象人族の軍人の鳩尾に、綺麗に吸い込まれる。
「――――――ガ‼」(象人族の軍人)
流れる様に、象人族の顎を右拳で打ち抜く。だが、流石はタフな象人族。人体構造上の弱点を狙ったにもかかわらず、ほんの一瞬だけ、意識を刈り取れただけだった。だが、それでいい。そのほんの一瞬で、象人族の軍人の懐に入り込む。
「―――――――ハアアアアッ‼」
息も吐かせぬ、目にも止まらぬ速さで、腹部と胸部に向けて、拳と蹴りでの連続攻撃を放っていく。防ぐ間も与えない。
「……まだまだ‼」(象人族の軍人)
象人族の軍人は、防御を捨てて、俺の攻撃を受け続けながらも、戦鎚を振り上げる。そして、戦鎚に残りの全魔力を籠めていく。高密度の魔力によって、戦鎚の周囲の空間が震える。象人族の軍人が、ニヤリと笑う。
「――――――ゆくぞ」(象人族の軍人)
戦鎚が、真っ直ぐ下に振り下ろさる。それに対して、俺は左拳でのアッパーを放つ。ぶつかり合う戦鎚と拳。魔力同士もぶつかり合い、バチバチと反発し合っている。
「ウォオオオオオオ‼」(象人族の軍人)
「オラァアアアアア‼」
最後のぶつかり合いは、戦鎚が粉々に砕けた事で終わる。その瞬間に、象人族の軍人は、どこか満足してしまったかの様に、ニカリと笑う。
「――――見事」(象人族の軍人)
「―――――‼」
象人族の軍人の顔面に、俺の右拳が突き刺さる。象人族の軍人は吹き飛ばされ、地面に何度か叩きつけられながら、木々を薙ぎ倒して、一本の大きな木にぶつかり、その動きを止めた。
強き戦士であった、象人族の軍人に敬意を示す。敵としてではなく、良き友人、良き研鑽相手として出会いたかった。そんな思いを抱きながら、次々と仕掛けてくる軍人たちと相対する。
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