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第344話
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先手を取ったのはセイレーンと融合した女性。
セイレーンと融合した女性は、自分こそがこの“舞台の主役”に相応しいとばかりに、自分の力に絶対の自信を持ちながら透き通った声で歌い始める。
その動きを見たジャック爺が、俺たちに警戒すように叫ぶ。
「皆、身体全体に魔力を、特に耳に集中せて纏わせるんじゃ!!」
俺たちはジャック爺の言葉に従い、両耳に集中させながら身体全体に魔力を纏わせ、強い魔性を秘めた暗き魔力による異常状態の魔法に対処する。そして、両耳に集中して纏わせた魔力が強い魔性を秘めた暗き魔力を防ぎ、その歌声を両耳に届かせることなく遮断する。
自身の肉体と精神の状態、周囲にいるジャック爺たちの肉体と精神の状態、そのどちらのも強い魔性を秘めた暗き魔力の影響がないのを確認する。
「特に問題なし」
「私たちも問題ありません」
俺とイザベラたちは、ジャック爺たちに自分たちの状態を伝える。
ジャック爺たちも自分たちの状態を確認し終わり、情報を共有するために答える。
「儂らも特に問題はない。……じゃが、油断は出来ん。常に自分の状態を把握しておくんじゃ」
『はい!!』
「了解」
魔物であるセイレーンと同じ対処法で、歌声による異常状態の魔法にかからないことが分かった。歌声による異常状態の魔法にかからないならば、いつもと変わらずに動くことが出来る。
それならば、セイレーンと融合した女性を倒すのに問題はない。
だが、油断は禁物。どんな事があってもいいように、色々な状況を想定しておくことを怠らない。
「さあ、こっちに来なさいな。偉大なる主様に逆らう、愚かで弱き者たち」
セイレーンと融合した女性は、歌声の魔法によって俺たちが魅了状態に陥っていると確信した様子で、自信満々に俺たちへと命令する。しかし、いつまでたっても動かない俺たちを見て、セイレーンと融合した女性は顔を怒りで歪ませヒステリックに叫ぶ。
「何をぐずぐずしているのよ!!ジワジワといたぶって殺してあげるから、さっさと私の所に走りなさい!!」
「あんたの魔法は私らには通じてないよ」
「――な!?」
ローザさんが呆れながらそう言うと、セイレーンと融合した女性がまさかと驚愕した様子で固まる。
偉大なる主様とやらである暗き闇の力、自身の存在と融合したセイレーンの魔法、そして選ばれた魔法使いであるというプライド。確実に魔法が俺たちにかかったと確信していたセイレーンと融合した女性は、その実まったく魔法が通用していなかったことに愕然としたままでいる。
「…………う、嘘よ。私の魔法が効いてないなんてありえない!?」
セイレーンと融合した女性が、再び歌声による異常状態の魔法を放つ。だが動揺などの感情の揺らぎによって魔力が安定せず、最初に放ってきた歌声の魔法に比べると大分質が落ちた魔法になっている。
「さあ、今度こそ私の命令に従ってこちらに来なさい!!」
「儂らがお主の命令に従う事はない」
「貴女は独唱。私たちが共に舞台上で歌うことはないわ」
「この私が独唱ですって!?――――ふざけんじゃないわよ!!」
怒りによる感情の昂ぶりに反応し、暗き魔力が荒々しく高まっていく。
セイレーンと融合した女性は高めた魔力を喉に集中させる。そして大きく息を吸いながら力を溜め、勢いよく口から力を解放して超高音の声による衝撃波を放った。
セイレーンと融合した女性は、自分こそがこの“舞台の主役”に相応しいとばかりに、自分の力に絶対の自信を持ちながら透き通った声で歌い始める。
その動きを見たジャック爺が、俺たちに警戒すように叫ぶ。
「皆、身体全体に魔力を、特に耳に集中せて纏わせるんじゃ!!」
俺たちはジャック爺の言葉に従い、両耳に集中させながら身体全体に魔力を纏わせ、強い魔性を秘めた暗き魔力による異常状態の魔法に対処する。そして、両耳に集中して纏わせた魔力が強い魔性を秘めた暗き魔力を防ぎ、その歌声を両耳に届かせることなく遮断する。
自身の肉体と精神の状態、周囲にいるジャック爺たちの肉体と精神の状態、そのどちらのも強い魔性を秘めた暗き魔力の影響がないのを確認する。
「特に問題なし」
「私たちも問題ありません」
俺とイザベラたちは、ジャック爺たちに自分たちの状態を伝える。
ジャック爺たちも自分たちの状態を確認し終わり、情報を共有するために答える。
「儂らも特に問題はない。……じゃが、油断は出来ん。常に自分の状態を把握しておくんじゃ」
『はい!!』
「了解」
魔物であるセイレーンと同じ対処法で、歌声による異常状態の魔法にかからないことが分かった。歌声による異常状態の魔法にかからないならば、いつもと変わらずに動くことが出来る。
それならば、セイレーンと融合した女性を倒すのに問題はない。
だが、油断は禁物。どんな事があってもいいように、色々な状況を想定しておくことを怠らない。
「さあ、こっちに来なさいな。偉大なる主様に逆らう、愚かで弱き者たち」
セイレーンと融合した女性は、歌声の魔法によって俺たちが魅了状態に陥っていると確信した様子で、自信満々に俺たちへと命令する。しかし、いつまでたっても動かない俺たちを見て、セイレーンと融合した女性は顔を怒りで歪ませヒステリックに叫ぶ。
「何をぐずぐずしているのよ!!ジワジワといたぶって殺してあげるから、さっさと私の所に走りなさい!!」
「あんたの魔法は私らには通じてないよ」
「――な!?」
ローザさんが呆れながらそう言うと、セイレーンと融合した女性がまさかと驚愕した様子で固まる。
偉大なる主様とやらである暗き闇の力、自身の存在と融合したセイレーンの魔法、そして選ばれた魔法使いであるというプライド。確実に魔法が俺たちにかかったと確信していたセイレーンと融合した女性は、その実まったく魔法が通用していなかったことに愕然としたままでいる。
「…………う、嘘よ。私の魔法が効いてないなんてありえない!?」
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「儂らがお主の命令に従う事はない」
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「この私が独唱ですって!?――――ふざけんじゃないわよ!!」
怒りによる感情の昂ぶりに反応し、暗き魔力が荒々しく高まっていく。
セイレーンと融合した女性は高めた魔力を喉に集中させる。そして大きく息を吸いながら力を溜め、勢いよく口から力を解放して超高音の声による衝撃波を放った。
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