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第220話
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カノッサ公爵家の屋敷に、ベルトーネ男爵夫妻からの手紙が届いてから三日後、クララの予想通りベルトーネ男爵夫妻がカノッサ公爵家の屋敷に到着した。カノッサ公爵夫妻と共に玄関に立ち、到着したベルトーネ男爵夫妻を歓迎し、互いに自己紹介の挨拶と顔合わせをした。
クララの父親であるイーサン・ベルトーネ男爵は、グレイの髪にレッドの瞳の、身長百九十センチ以上ある筋骨隆々の厳つい顔をした人。クララの母親であるセラス・ベルトーネ男爵夫人は、ブラックの髪にブルーの瞳の、全身から澄んだ空気を放っている可愛らしい顔立ちをした人。ベルトーネ男爵はあまり表情が動かない物静かな人で、対するセラス男爵夫人はニコニコと笑顔を浮かべて、明るく元気に俺たちに話しかけてくれる。
「ウォルターさん、クララの事を大切にしてあげてね」
「はい。必ず」
「クララも、イザベラちゃんたちと喧嘩せずに皆で仲良くするのよ」
「……クララ、幸せになりなさい」
「うん。お父さん、お母さん、ありがとう」
クララはベルトーネ男爵夫妻に近づき、二人に思いっきり抱き着く。抱き着かれたベルトーネ男爵夫妻は、口元を緩めて微笑みを浮かべて、優しい雰囲気と表情でクララの身体を抱きしめ返す。
「ウォルターさんと結婚したとしても、貴女は何時までも私たちの娘よ。時々でいいから、私たちに顔を見せに来てね」
「その時は、ウォルター君やイザベラさんたちと一緒にな」
「分かってるよ。絶対に顔を見せに帰るから」
暫くの間三人で抱き合い、家族の愛情を確かめ合った後、ベルトーネ男爵夫妻が真剣な表情と雰囲気になる。そして、セラス男爵夫人がその口を開き、今回カノッサ公爵家の屋敷に訪れた理由を語り始める。
「私たちがカノッサ公爵家の屋敷を訪れたのは、ウォルターさんとの婚約の挨拶や顔見せという意味もあったけれど、もう一つ理由があったからなのよ」
「もう一つの理由?それって一体なんなの?」
「手紙に書かれていた、暗き闇に関しての話をするためだ」
「暗き闇の話?お父さんもお母さんも、暗き闇について何か知ってるの?」
クララに問われたベルトーネ男爵夫妻は、クララの目をしっかりと見つめた後、互いに目を合わせて頷く。セラス男爵夫人は、傍に置いていた鞄から一冊の本を取り出し、机の上に傷つけない様に丁寧に置く。取り出された一冊の本には豪華な装丁がされており、物理的にも魔法的にも頑丈な鍵がつけられていて、さらには保護の魔法などが何重にもかけられている。ベルトーネ男爵夫妻にとって、とても貴重で大事にしている本である事が分かる。
「この本は?」
「この本は、我が家に代々伝わってきた、私やクララの先祖が書き記した日記よ」
「そんなものがあったんだ」
「そうよ。そしてこの日記を書き記したのは、かつて古の勇者と共に暗き闇と戦った者の一人である、神の愛し子たる聖女ジャンヌその人よ」
クララの父親であるイーサン・ベルトーネ男爵は、グレイの髪にレッドの瞳の、身長百九十センチ以上ある筋骨隆々の厳つい顔をした人。クララの母親であるセラス・ベルトーネ男爵夫人は、ブラックの髪にブルーの瞳の、全身から澄んだ空気を放っている可愛らしい顔立ちをした人。ベルトーネ男爵はあまり表情が動かない物静かな人で、対するセラス男爵夫人はニコニコと笑顔を浮かべて、明るく元気に俺たちに話しかけてくれる。
「ウォルターさん、クララの事を大切にしてあげてね」
「はい。必ず」
「クララも、イザベラちゃんたちと喧嘩せずに皆で仲良くするのよ」
「……クララ、幸せになりなさい」
「うん。お父さん、お母さん、ありがとう」
クララはベルトーネ男爵夫妻に近づき、二人に思いっきり抱き着く。抱き着かれたベルトーネ男爵夫妻は、口元を緩めて微笑みを浮かべて、優しい雰囲気と表情でクララの身体を抱きしめ返す。
「ウォルターさんと結婚したとしても、貴女は何時までも私たちの娘よ。時々でいいから、私たちに顔を見せに来てね」
「その時は、ウォルター君やイザベラさんたちと一緒にな」
「分かってるよ。絶対に顔を見せに帰るから」
暫くの間三人で抱き合い、家族の愛情を確かめ合った後、ベルトーネ男爵夫妻が真剣な表情と雰囲気になる。そして、セラス男爵夫人がその口を開き、今回カノッサ公爵家の屋敷に訪れた理由を語り始める。
「私たちがカノッサ公爵家の屋敷を訪れたのは、ウォルターさんとの婚約の挨拶や顔見せという意味もあったけれど、もう一つ理由があったからなのよ」
「もう一つの理由?それって一体なんなの?」
「手紙に書かれていた、暗き闇に関しての話をするためだ」
「暗き闇の話?お父さんもお母さんも、暗き闇について何か知ってるの?」
クララに問われたベルトーネ男爵夫妻は、クララの目をしっかりと見つめた後、互いに目を合わせて頷く。セラス男爵夫人は、傍に置いていた鞄から一冊の本を取り出し、机の上に傷つけない様に丁寧に置く。取り出された一冊の本には豪華な装丁がされており、物理的にも魔法的にも頑丈な鍵がつけられていて、さらには保護の魔法などが何重にもかけられている。ベルトーネ男爵夫妻にとって、とても貴重で大事にしている本である事が分かる。
「この本は?」
「この本は、我が家に代々伝わってきた、私やクララの先祖が書き記した日記よ」
「そんなものがあったんだ」
「そうよ。そしてこの日記を書き記したのは、かつて古の勇者と共に暗き闇と戦った者の一人である、神の愛し子たる聖女ジャンヌその人よ」
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