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「お嬢様、何て顔されてるんですか」
馬車を降りざま、怪訝な顔で眉間に皺を寄せるバロットと出会う。
「げっ‼︎ 」
ヤバい!私、苦手何だってこの男!
顔はカッコいいよ。でもチャラいのは嫌い。
「お前には関係ない事よ」
つれなく言ってやり颯爽と踵を返す。
関わりたくないのよ。私はルゼリフィアに用があって……
「にゃあっ⁉︎ 」
やだっ、変な声出たぁっ。
公爵令嬢にあるまじきでしょ。ちょっと赤面しちゃったわ。
「何するのよっ!」
バロットのごつごつとした、でも長い指が私の臀部を支えて、自身の胸元に抱き寄せる。普通は腰じゃないの⁉︎ いや、腰でも声は出たかもだけど。
「何も?」
透かした顔で言われる。
こいつっ。
「離しなさいよ!無礼だわ、主家の娘に何て事、むむうっ」
馭者は何を勘違いしたのか、「私は何も見てませんので。ああ、今日も良い天気でしたなぁ」とか訳分かんない事言って引っ込んだわ。絶対バロットに買収されてるのよ。
「やめっ、んんうっ、ふっううっ」
乱暴に口をこじ開けられ、バロットの舌が思うままに歯列を舐め上げ、舌を絡め吸い、口腔を貪る。執拗に舐め吸われ、力が抜けされるがままになる。
ぴちゃぴちゃと舌音が重なり、私の腰が感じさせられて砕ける様にバロットにしな垂れかかる。バロットは目を開け私を見据えたまま、甚振るかの様にしつこく口を奪い続ける。

銀糸がつたい、唇が腫れ熱を持ちじんじんと痛みを訴える。

「も……やあぁっ。バロ……お願い、やめっ」
「貴女は時折可愛いな」
酷い事をしている実感はないのか、ふっと優しげに悪く笑われる。
バロットは私を抱き竦めて、私は密着したまま、バロットに支えてもらってる。

「このまま、俺の寝室に直行したいんだけど?」
はああああ⁉︎ 馬鹿なの、バロット!お父様もいらっしゃる屋敷で事に及ぼうなんて、何て事!
胡乱な眼差しの私を見て理解したのか
「あぁ、刻印の事なら配慮しますよ。抜け道ならあるので」
「?」
「挿入しなくても、お互いイケる事はあるでしょう?」
「なっ⁉︎」
やだやだやだ!何で、この男てデリカシーないていうか明け透けなの⁉︎ ルゼリフィアてこんな男でいいの?ていうか、最後までしてないんだ……。お父様がいらっしゃったから?てか
「刻印て?」
「は?」
嫌味な男、バロットが固まる。あら、珍しい。
「お嬢様、熱は?」
コツンと、おでことおでこで測られる。
ち、近ーーーーーーいっ。
キスと違って、これはこれで、何て恥ずかしいのっ。本当、私もルゼリフィアもこういう経験ないから、無駄に顔も良いから、ヤバい。アルドが居なかったら落ちてたかも⁉︎ いや、ルゼリフィアの恋人?でもあるから、この反応は共有なのかな。思考が止まらにゃい。やだ、噛んだ。段々、涙目になり、瞼を舐められ優しい触れるだけのキスをされる。
「本当に、面白い」
含んだ声で言われたけど、私は思考の渦に陥ってて、ただあわあわしてた。

本当に、こんな適性なくてルゼリフィアはどうやって悪女になるんだろ。

バロットの腕の中で赤面したり青くなったりしてた。

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