落ちた神を救う為には

狐火

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帰宅

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彰「蓮さんーただいまー」

静かな部屋。

明治から大正に多い洋風を真似た和風の作り。

鬼灯の匂いが、どこか安心する。

彰「居ないのー?」

静かに階段を登るとそこには1匹の狐が落ちていた。

毛は茶色く、首には体に合わない大きさのループタイをつけている。

ピアスが存在をアピールしてきた。

彰「起きてくれない?私も暇じゃないの」

蓮さんはなかなか起きない。

1度寝てしまうと本当に起きないんだ。

ため息を着き、彼の耳に着いたピアスを見る。

透き通ったガラスで出来た鬼灯型のピアス。

中にはアウイナイトが埋め込まれてると聞いた。

いつもどうり勝手に外そうとすると蓮さんは目を覚ました。

蓮「手を離してくれないかい?彰」

彰「わざわざ名前を呼ぶ必要ないだろ?2人きりだ」

蓮「いやん。春画みたいな関係になるのかい?」

彰「うげぇ、なわけないだろ。」

蓮「残念。んで?まだ昼なのだけど」

彰「ほっとくと丸3日は寝るだろ?」

蓮さんは眠そうに欠伸をした。

蓮「そうだね。この世はとっても暇だから」

無駄に整頓された綺麗な部屋を漁る。

蓮「嗚呼、ドライバーなら、2つ目の棚の30番目だよ」

この部屋にある4つの本棚の中から、2つ目。

それはこの部屋を整え、番号を割り振った者にしか分からない

彰「それじゃ分からないって前も言った」

蓮「これだ。」

声と同時に鬼灯の匂いが広がる。

チョコレートのような茶色の毛が私にかかる。

歴史を勉強した時、明治から大正頃の画像で見たような服装だ。

男の蓮さんではなく、華やかな女性が着る服なのだろうけれど。

狐から、人間の姿になった蓮さんは私より身長が少し高い。  

彰「どうしたらそんなおっきくなるんだよ…」

蓮「さぁね?」

彰「ムカつく」

蓮「要らないのかい?懐中時計。」

ドライバーを受け取る。

短パンから懐中時計を取り外し外す。

言わなくても勝手にほぼ理解してる蓮さんにはもう慣れた。
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