私が川に落ちた

狐火

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知らない子

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仕事帰りに、スーパーで揉みくちゃは大変だ。

結婚してからほぼ毎日通っているのに慣れはしない。

戦利品とは言えないが、安く買えたお肉に笑いかける。

携帯が鳴った。

名前を見ると大好きな彼で唇が歪む。

「もしもし。怜亜れあくん、どうしたの?」

「早く帰ってこいよ。腹減ったんだけど?」

冷たい声に時計を見る。

針はもう、6時を過ぎていた。

「ごめん。ごめん。今帰るよ」

「今日の晩飯何?」

「今日はポテトサラダと、生姜焼き」

「ふーん。俺の分は惣菜にしてくれない?」

「え!?今日生姜焼きの気分じゃなかった?」

「いいから、俺、腹減ってるんだって。」

「ごめん。30分位で着くから。」

返答はなく、そのままガチャ切りされた。

何を食べたいか聞けばよかったな。

食品コーナーまで走って戻り、彼が好きそうなものを探す。

帰宅時はとうに過ぎていて殆ど余っているものは無い。

お寿司の入ったプラスチックを持ちレジへ向かう。

家に着く前に連絡が来てよかった。

家に1度着いてからだと、きっと何も残っていなかっただろう。

今日買った食材の合計金額より少し多いお金を出してお寿司を買った。

家に着くと辺りは真っ暗だった。

ポケットを漁って鍵を取り出すが、鍵は開いていた。

ドアを開いた時、私は息を飲んだ。

黒い可愛いブーツ。

怜亜くんはこんな靴持ってたかな…。

リビングへ向かうと、そこには、見慣れない金髪がいた。

「ただいま。」

私がそういうと金髪は自慢気な顔をした。

「ん。」

怜亜くんは興味無さげに言った。

「えっと……。友達呼ぶなら言ってよ!」

「ん。」

キッチンへ足をむける。

二人の距離は近く、怜亜くんの事を私はまだまだ知らないな。

幼なじみだろうか。

弟さん…はいなかったはずだ。

結婚式にも、金髪の人は何人かいたが、さっきの金髪と同じ人はいなかった気がした。

男とも女とも言い難い綺麗な顔立ちだったが、何故か男の人だと理解した。

お寿司を開けて怜亜くんの元へ向かう。
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