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第2章 上級貴族の息子
2.1 はじめての家
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朝になり、宿泊所の傍仕えが食事の準備、それに着替えを手伝ってくれる。
昨日よりも更に高級な衣装を着せてくれた。
「ウルレアール、とても綺麗だね」
「クレストリア様も、どこからどう見ても貴族、いえ王子様に見えるぐらい素敵ですよ」
王子は無いだろう。さすがに。身内びいきがすごい。
9の刻の前に準備が出来あがった。するとちょうど、おとうさまとおかあさまがやって来た。僕らはここに来るまでに使っていた馬車とは違うすばらしく豪華な馬車に乗る。街を少し走ると城壁があり、それを越える。城壁を超えると城が見えた。街に入る前に見えていた城だ。馬車はどんどん進み、城近くの家に入って行く。
家は、城のほぼ隣だった。話に聞いてはいたがさすが領主の弟。身分の高い家が城に近いらしいので。ほんとに領主に次ぐ地位なのだ。
出発前に、妹と弟の事を説明された。
妹は、亡くなった兄が実は1歳の時に誘拐されたが家の格式を守るために別人と入れ替わっていた偽の兄である事を話してあるそうだ。だから僕が妹の事を知らない。だが弟のヒルニムスは兄が死んだ姿をみていないらしい。なので誘拐されたが見つからないので亡くなったことにしていたが、偶然発見できた。だが誘拐のショックで過去の記憶がないという設定になっているそうだ。この話は他の人にもそう伝わっている。なのでうまく話をあわせてごまかす必要がある。
「クレストリア、緊張しているのかしら。入ったら二度と出れない屋敷ではないわ。大丈夫よ」
「あ、はい」
ずっと監禁されていた屋敷は1階建ての建物。よりも遥かに大きくて、3階建てた。
中に入り、応接室へと案内された。中には既に子供が二人いた。
「この子がお前の妹弟だ。こちらがアイリーンクリスタもうすぐ6歳になる。冬に生まれたんだ。そしてこちらがヒルニムス。お前と同じ夏生まれの4歳だ」
「アイリーンクリスタです。以前お兄さまはアイリと呼んでくださっていました。よろしくお願いします。お兄さま」
「ヒルニムスです。お兄さま。記憶が無くなったと聞きました。僕の事をお忘れだとか。僕はまた会えるて嬉しいですけど、お兄さまにとってははじめてなのですね。不思議な感じです。前はヒロと呼んでくれてました。そう呼んでください」
いやいや2人ともめっちゃ素直そうでかわいいよ。アイリもヒロもおとうさまに似ている。
「アイリにヒロ。かわいい妹と弟の事を忘れてしまったなんてごめんね。そのかわりこれからの君たちをしっかり覚えるから許してね。2人の良い兄になれるように頑張るよ」
「はい、お兄さま。ではさっそく兄弟の仲を築く必要がありますね」
「アイリ、張り切るのはよいが、クレストは遠くから戻ってきてまだ疲れている。今日はゆっくりとさせてあげなさい。遊ぶのは明日からだよ」
「はーい。残念ですが、明日まで我慢します。ではお兄さま、明日の予定はどうなってますか?」
「まだ予定は聞いて無いんだ。数日はゆっくり過ごすようにと言われたから特に予定は無いと思うけど」
「ああ、クレストは3日後に家庭教師が来るがそれまでは特に予定は無い」
「では明日の午後にお茶会をしませんか。いきなりなにかして遊びましょうと言うのも大変ですから。庭のお花が綺麗なのですよ。私が案内します」
「お姉さま、私もご一緒しても良いですか」
「まあ、ヒロ会話の途中に入り込むものではなくてよ。まずは私とお兄さまの話が終わってからでしょ。お兄さま、どうでしょう」
「ああ、ぜひ。楽しみにしているよ」
「ええ、では私が手配をします。ではヒロも一緒に来ても大丈夫ですか」
「ああ、もちろん」
「兄妹だけではなく私も参加しても良いかしら。アイリが用意するお茶会も興味があるわ」
「おかあさまが参加してくださるのなら大歓迎です。明日が楽しみです」
そんな会話の後で食事を終え、部屋に戻る。ずいぶんの他所他所しい感じに感じられるが高位の貴族なのだからこんな感じなのだろうな。約束しないと兄妹でも遊べないのか。
「ウルレアールはちゃんと食事を取れた」
「はい、坊ちゃま。今日は坊ちゃまが食事をしている間に食べていました。それと、明日からお仕事をはじめる様になりました。」
「もう働きはじめるの。大丈夫?」
「お仕事と言っても坊ちゃまのお世話ですから大変な事はないですよ。お仕事がないと一緒にいれませんから、仕事は早く始めた方が良いのです」
「そう、大変じゃ無いなら、良いけど」
翌日、お昼を過ぎにお茶会へと向かう。
この家の庭はとても綺麗に整備されていた。花が沢山咲いている。
アイリが花が綺麗に見える場所に椅子を配置してくれたそうだ。
かわいい妹に挨拶とお礼を言って、今日の一番良い席に僕を座らせてくれた。家族がそろうと庭の植物を紹介してくれた。その後でお菓子を出してお茶を飲む。
「最初に、毒見をかねて用意した人が口を付けるのです。今日はアインが始めに手をつけなさい」
おかあさまがルールを教えてくれた。給仕もアイリからいれるようだ。お茶とミルクを半々にして砂糖を入れていた。僕にもお茶を入れてくれるようだ。割合を聞いてきたので今日は、お茶だけにして砂糖も無しにして貰った。
アイリが最初に少しだけお菓子とお茶に口をつけた。その後でおかあさまが。僕もおかあさままの真似をしてお菓子を食べ、お茶を一口飲んだ。
用意されたお菓子は少し硬めのクッキーだった。あまり甘みは無い。お茶はシンプルな紅茶だ。
おかあさまが感想を言ってくれた。
「デルバラルのクッキーと、レイファールのお茶ね」
「そうです。おかあさま」
「デルバラルとかレイファールはなんですか」
「デルバラルは、商会の名前よ。レイファールは紅茶に使われる葉っぱの種類よ」
「デルバラル、レイファール」
小声で繰り返えして覚えようとした。
「ふふ、そのあたりもゆっくりとおしえますね」
「はい、お願いします」
暫くお茶を飲みながら、兄妹で会話した。特に無難な話をしながらお菓子の情報などを妹から入手した。
最後に、兄妹3人で庭を一周した。以外にも弟が植物の名前に詳しかった。8割程は既に知っている種類の草木だった。残りの植物を詳しく知りたいと思ったがいきなり抜いてばらばらにしたら怒られそうだったので空気を読んで大人しく庭を散策した。
昨日よりも更に高級な衣装を着せてくれた。
「ウルレアール、とても綺麗だね」
「クレストリア様も、どこからどう見ても貴族、いえ王子様に見えるぐらい素敵ですよ」
王子は無いだろう。さすがに。身内びいきがすごい。
9の刻の前に準備が出来あがった。するとちょうど、おとうさまとおかあさまがやって来た。僕らはここに来るまでに使っていた馬車とは違うすばらしく豪華な馬車に乗る。街を少し走ると城壁があり、それを越える。城壁を超えると城が見えた。街に入る前に見えていた城だ。馬車はどんどん進み、城近くの家に入って行く。
家は、城のほぼ隣だった。話に聞いてはいたがさすが領主の弟。身分の高い家が城に近いらしいので。ほんとに領主に次ぐ地位なのだ。
出発前に、妹と弟の事を説明された。
妹は、亡くなった兄が実は1歳の時に誘拐されたが家の格式を守るために別人と入れ替わっていた偽の兄である事を話してあるそうだ。だから僕が妹の事を知らない。だが弟のヒルニムスは兄が死んだ姿をみていないらしい。なので誘拐されたが見つからないので亡くなったことにしていたが、偶然発見できた。だが誘拐のショックで過去の記憶がないという設定になっているそうだ。この話は他の人にもそう伝わっている。なのでうまく話をあわせてごまかす必要がある。
「クレストリア、緊張しているのかしら。入ったら二度と出れない屋敷ではないわ。大丈夫よ」
「あ、はい」
ずっと監禁されていた屋敷は1階建ての建物。よりも遥かに大きくて、3階建てた。
中に入り、応接室へと案内された。中には既に子供が二人いた。
「この子がお前の妹弟だ。こちらがアイリーンクリスタもうすぐ6歳になる。冬に生まれたんだ。そしてこちらがヒルニムス。お前と同じ夏生まれの4歳だ」
「アイリーンクリスタです。以前お兄さまはアイリと呼んでくださっていました。よろしくお願いします。お兄さま」
「ヒルニムスです。お兄さま。記憶が無くなったと聞きました。僕の事をお忘れだとか。僕はまた会えるて嬉しいですけど、お兄さまにとってははじめてなのですね。不思議な感じです。前はヒロと呼んでくれてました。そう呼んでください」
いやいや2人ともめっちゃ素直そうでかわいいよ。アイリもヒロもおとうさまに似ている。
「アイリにヒロ。かわいい妹と弟の事を忘れてしまったなんてごめんね。そのかわりこれからの君たちをしっかり覚えるから許してね。2人の良い兄になれるように頑張るよ」
「はい、お兄さま。ではさっそく兄弟の仲を築く必要がありますね」
「アイリ、張り切るのはよいが、クレストは遠くから戻ってきてまだ疲れている。今日はゆっくりとさせてあげなさい。遊ぶのは明日からだよ」
「はーい。残念ですが、明日まで我慢します。ではお兄さま、明日の予定はどうなってますか?」
「まだ予定は聞いて無いんだ。数日はゆっくり過ごすようにと言われたから特に予定は無いと思うけど」
「ああ、クレストは3日後に家庭教師が来るがそれまでは特に予定は無い」
「では明日の午後にお茶会をしませんか。いきなりなにかして遊びましょうと言うのも大変ですから。庭のお花が綺麗なのですよ。私が案内します」
「お姉さま、私もご一緒しても良いですか」
「まあ、ヒロ会話の途中に入り込むものではなくてよ。まずは私とお兄さまの話が終わってからでしょ。お兄さま、どうでしょう」
「ああ、ぜひ。楽しみにしているよ」
「ええ、では私が手配をします。ではヒロも一緒に来ても大丈夫ですか」
「ああ、もちろん」
「兄妹だけではなく私も参加しても良いかしら。アイリが用意するお茶会も興味があるわ」
「おかあさまが参加してくださるのなら大歓迎です。明日が楽しみです」
そんな会話の後で食事を終え、部屋に戻る。ずいぶんの他所他所しい感じに感じられるが高位の貴族なのだからこんな感じなのだろうな。約束しないと兄妹でも遊べないのか。
「ウルレアールはちゃんと食事を取れた」
「はい、坊ちゃま。今日は坊ちゃまが食事をしている間に食べていました。それと、明日からお仕事をはじめる様になりました。」
「もう働きはじめるの。大丈夫?」
「お仕事と言っても坊ちゃまのお世話ですから大変な事はないですよ。お仕事がないと一緒にいれませんから、仕事は早く始めた方が良いのです」
「そう、大変じゃ無いなら、良いけど」
翌日、お昼を過ぎにお茶会へと向かう。
この家の庭はとても綺麗に整備されていた。花が沢山咲いている。
アイリが花が綺麗に見える場所に椅子を配置してくれたそうだ。
かわいい妹に挨拶とお礼を言って、今日の一番良い席に僕を座らせてくれた。家族がそろうと庭の植物を紹介してくれた。その後でお菓子を出してお茶を飲む。
「最初に、毒見をかねて用意した人が口を付けるのです。今日はアインが始めに手をつけなさい」
おかあさまがルールを教えてくれた。給仕もアイリからいれるようだ。お茶とミルクを半々にして砂糖を入れていた。僕にもお茶を入れてくれるようだ。割合を聞いてきたので今日は、お茶だけにして砂糖も無しにして貰った。
アイリが最初に少しだけお菓子とお茶に口をつけた。その後でおかあさまが。僕もおかあさままの真似をしてお菓子を食べ、お茶を一口飲んだ。
用意されたお菓子は少し硬めのクッキーだった。あまり甘みは無い。お茶はシンプルな紅茶だ。
おかあさまが感想を言ってくれた。
「デルバラルのクッキーと、レイファールのお茶ね」
「そうです。おかあさま」
「デルバラルとかレイファールはなんですか」
「デルバラルは、商会の名前よ。レイファールは紅茶に使われる葉っぱの種類よ」
「デルバラル、レイファール」
小声で繰り返えして覚えようとした。
「ふふ、そのあたりもゆっくりとおしえますね」
「はい、お願いします」
暫くお茶を飲みながら、兄妹で会話した。特に無難な話をしながらお菓子の情報などを妹から入手した。
最後に、兄妹3人で庭を一周した。以外にも弟が植物の名前に詳しかった。8割程は既に知っている種類の草木だった。残りの植物を詳しく知りたいと思ったがいきなり抜いてばらばらにしたら怒られそうだったので空気を読んで大人しく庭を散策した。
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