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本編

7.3 クリスとして生きる

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 子供達の集まりで、グループの動きを見ると7歳児のグループに威圧的な者がいる事がわかった。
 その子を中心に派閥のような物が出来ている。
 その子の名前はシスコ。どうやら亡くなった父方のおじいちゃんの弟、それも末弟の子供らしい。
 僕の父上がまだ20歳ちょい、なのでじいちゃんと言っても生きていても40歳ぐらいだと思う。おばあちゃんも若いから確実だ。そのじいちゃんの弟ならば、7歳児の子供が居てもおかしくない。
 その弟はじいちゃんが亡くなった時は成人して力もあった。だが、長男である父上が成人したばかりで爵位を継いだのだ。恐らくじいちゃんが死ぬのが1年早ければ爵位は一旦そちらにいっただろう。
 騎士爵の親戚、それもかなり近い身内。皆もそれなりの待遇で扱っている。それを当たり前に思っているのか、7歳児のくせに割ときつい言い方。そして態度も偉そうなのだ。甘やかしすぎではないだろうか。
 話を聞くと、どうやら7歳にして初級魔法を習得したらしくて自慢げに語っている。
 転生した者でもなく、7歳で魔法が使えるのは確かにすごい。神からの特別な加護もなく使えるのだから、それなりに才能があるのだろう。
 ただ、使えるといっても初級の火なのだが。
 生活魔法も洗浄と照明は使えないらしいので、間違いなく火に特化している。だからこそ火魔法が早くから使えたのかもしれない。恐らくは強力な火魔法が使えるようになるのだろう。攻撃魔法の使い手としては有望だと思う。

 だが、お山の大将をきどり周りに迷惑をかけているのはどうしたものか。シスコには、4歳の妹と、1歳に男の子がいる。1歳児はまったく解らないが、4歳の妹は大人しいのが対照的だ。

 結局の所、シスコの派閥とそれに加わらない派閥に別れて、僕と遊ぶのはシスコとは別の派閥が中心となる。
 それは、年齢でもっとくっきりと別れる。5歳児以下は殆どの子供が僕の派閥。年長は8割ぐらいがシスコの派閥に入っている。残りはシスコの派閥ではなく、僕のグループの近くにいる。そんな感じだ。
 年長組と年少組とも言える。だがそれに対して大人たちは何も口出ししてこない。まあ、グループが表立って喧嘩になったりしていないし、年齢的なものなら当たり前でもある。気にする必要もないのかもしれな。
 それに、春になると年長組は家の手伝いが多く、一緒になる事は少ない。
 揉める事はないだろうがどの子がどっちのグループにいるのかは覚えておこうと思った。
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