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3.2 王子として生まれる
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母親に魔法を見せた結果、すぐに家庭教師がついた。文字の先生と魔法の先生だ。
文字を習い始めると教師が出来が良いと母親である王妃に報告しさらに教師が増えた。算数が増えた。
文字の先生が物語を使って歴史のような物を教えてくれた。それによるとこの台地に4人の神々が降りてきて、住んでいた住民たちをそれぞれ信徒とし魔法を授けてくれたらしい。今も洗礼式で洗礼を受けないと魔法が使えないのでこの古い話はずっと信じられている。実はそれ以外には神々の目立った話が無い。つまり神々の起こす奇跡が無い。
地球にはそういった逸話があったはずだが、魔法と言う存在が神々のちょっとした奇跡を上回っているのだろう。
現在は魔法が研究され戦術級と言われる上位魔法を使えば数十人を一気に吹き飛ばすことができるらしい。一人の人間がバズーカー砲ぐらいの威力を持つ魔法を撃てるなら地球での奇跡がたいしたことでは無かったと思える。
神が下界の様子が見れないと言っていたが信仰度合いが薄いせいではないだろうか。魔法を授けた以外にもう少し奇跡を見せるべきではないだろうか。
先生から魔法を習ったことで生活魔法以外が使えるようになった。この世界で研究されている魔法は戦闘用の魔法が多い。どうやら錬金魔法に回復魔法、薬事魔法など様々な分野があるらしいが、上位貴族は身を守るためなのか、魔力が多いからなのか戦闘系魔法を中心に習うそうだ。
「先生、僕はまだ子供です。
戦闘用の魔法など誤って使うことになると危ないと思うのです。
戦闘用であっても防御魔法を中心に。どちらかと言えば回復魔法や錬金、薬事の魔法から勉強したいのです」
「アースヴェルギウス王子は王族です。
自らが何かを作るような事は無いと思いますよ。
それよりも早くから学べは戦術級、あるいはそれ以上の攻撃魔法を使えるようになるかもしれません」
「それでも、攻撃以外から学びたいのです」
「そうですか、残念です。
わたくしは回復魔法は使えませんし、薬事魔法も専門的な教育が必要です。
そちらの先生は探しておきましょう。
では錬金魔法から教えます」
よし、これで小道具が作れるようになるぞ。
そして、一通りの文字を学び、次のステップとして地理の先生が来た。
アウロス先生は社会学の先生で地図を単なる地図ではなくいろいろな話を混ぜて教えてくれた。とても優秀な先生だ。
この世界は一つの巨大な大陸でできている。その大陸は4つに分割されウルカヌスを信仰する台地は北東部にある。この地を攻め始めたのは北西にあるスヴァローグを信仰する国。この国に隣接する南東はカウイルを信仰し、相対する土地はトラロックを信仰している。
このウルカヌスを信仰する土地は3つの国がある。
スヴァローグに接する地はシュリングル。中央部がカルーシア。カウイルを信仰する国に接しているのはアッサンブルク
この国は中央部にあるカルーシアだ。
スヴァローグに攻められていたのはシュリングル王国。もしかして何度も転生を繰り返した土地はシュリングル王国の上辺部かもしれない。
スヴァローグは、シュリングル王国が接する土地を攻められ、それよりも上部は分断され攻め入った兵士達に僅かな力量を奪われたらしい。
シュリングル王国は、現状二つの領地を奪われたらしい。徐々に攻められ押し戻す力が不足しているそうだ。
その状況を見る限りでは、それほど多くの土地が取られたわけでは無いようだ。この地区に国は3つ。1国に20ほどの領地があるが、取られたのは近接している2つだけ。
北に分断された領地に食料が届かず数年前に餓死者が続出とある。おそらく最初の頃に生まれたのはこの辺りなのだろう。
そして、前回生まれたのはそこまで悪い環境では無かった。気候的にもこの辺りに似ている。この国のこの近辺だろう。
「先生、領主の所で農業をする人の中には、生活が自立している人と、領主の建てた家に住むお抱えの二つがあるのですか?」
「平民と農奴ですね。よくご存じで。
領主が館を用意して住まわせているのは農奴です。彼らは不作の時に餓死寸前となり、命を救う代わりに領主から実りの豊かな領地の領主へと売られた者達です。
領主は彼らの衣食住を用意する必要がありますが、無給で働きます。
本来は命を救わなければならない急場を凌ぐ制度でした。想定でも1代限りだったのです。ですが一度庇護下に入った農奴は外に出る事はありませんでした。
なぜなら抜け出す制度を整備しなかったせいです。
農奴は一定期間以上を勤め上げれば農奴を辞める権利があります。
農奴として働く場合、一定期間を終えた後も給与が支払われません。
ですから抜け出す資金が無いのです。
農奴を辞めると次の日から土地もなく金もなく放り出されるのです。
結果、制度ができてから100年近い年数が経っていますが独立した農奴はいません。
今は、農奴にも給与を払うべきと言う者達も増えてきましたが農奴を売買している領主達が多く、反対意見が多いのです。
それに対して自ら建てた家に住み、所有する土地を耕し土地に応じた税を納める人をただの農民と呼びます。
農民にも2種類があります。一つは親から受け継いだ資産で農民を続ける者。
もう一つは未開の地を開拓し新たに土地を広げた者達です。
先ほどの農奴も新たな土地に移り開拓するならば農奴を脱出できるのです。
新規開拓地に入植する者達には事前に準備金を支払われますから。
ですが、あまりに危険な賭けですから
平民の農民よりも農奴の方が良い暮らしをしている地域も多く、自ら農奴になる者もいます。そんな状況です」
文字を習い始めると教師が出来が良いと母親である王妃に報告しさらに教師が増えた。算数が増えた。
文字の先生が物語を使って歴史のような物を教えてくれた。それによるとこの台地に4人の神々が降りてきて、住んでいた住民たちをそれぞれ信徒とし魔法を授けてくれたらしい。今も洗礼式で洗礼を受けないと魔法が使えないのでこの古い話はずっと信じられている。実はそれ以外には神々の目立った話が無い。つまり神々の起こす奇跡が無い。
地球にはそういった逸話があったはずだが、魔法と言う存在が神々のちょっとした奇跡を上回っているのだろう。
現在は魔法が研究され戦術級と言われる上位魔法を使えば数十人を一気に吹き飛ばすことができるらしい。一人の人間がバズーカー砲ぐらいの威力を持つ魔法を撃てるなら地球での奇跡がたいしたことでは無かったと思える。
神が下界の様子が見れないと言っていたが信仰度合いが薄いせいではないだろうか。魔法を授けた以外にもう少し奇跡を見せるべきではないだろうか。
先生から魔法を習ったことで生活魔法以外が使えるようになった。この世界で研究されている魔法は戦闘用の魔法が多い。どうやら錬金魔法に回復魔法、薬事魔法など様々な分野があるらしいが、上位貴族は身を守るためなのか、魔力が多いからなのか戦闘系魔法を中心に習うそうだ。
「先生、僕はまだ子供です。
戦闘用の魔法など誤って使うことになると危ないと思うのです。
戦闘用であっても防御魔法を中心に。どちらかと言えば回復魔法や錬金、薬事の魔法から勉強したいのです」
「アースヴェルギウス王子は王族です。
自らが何かを作るような事は無いと思いますよ。
それよりも早くから学べは戦術級、あるいはそれ以上の攻撃魔法を使えるようになるかもしれません」
「それでも、攻撃以外から学びたいのです」
「そうですか、残念です。
わたくしは回復魔法は使えませんし、薬事魔法も専門的な教育が必要です。
そちらの先生は探しておきましょう。
では錬金魔法から教えます」
よし、これで小道具が作れるようになるぞ。
そして、一通りの文字を学び、次のステップとして地理の先生が来た。
アウロス先生は社会学の先生で地図を単なる地図ではなくいろいろな話を混ぜて教えてくれた。とても優秀な先生だ。
この世界は一つの巨大な大陸でできている。その大陸は4つに分割されウルカヌスを信仰する台地は北東部にある。この地を攻め始めたのは北西にあるスヴァローグを信仰する国。この国に隣接する南東はカウイルを信仰し、相対する土地はトラロックを信仰している。
このウルカヌスを信仰する土地は3つの国がある。
スヴァローグに接する地はシュリングル。中央部がカルーシア。カウイルを信仰する国に接しているのはアッサンブルク
この国は中央部にあるカルーシアだ。
スヴァローグに攻められていたのはシュリングル王国。もしかして何度も転生を繰り返した土地はシュリングル王国の上辺部かもしれない。
スヴァローグは、シュリングル王国が接する土地を攻められ、それよりも上部は分断され攻め入った兵士達に僅かな力量を奪われたらしい。
シュリングル王国は、現状二つの領地を奪われたらしい。徐々に攻められ押し戻す力が不足しているそうだ。
その状況を見る限りでは、それほど多くの土地が取られたわけでは無いようだ。この地区に国は3つ。1国に20ほどの領地があるが、取られたのは近接している2つだけ。
北に分断された領地に食料が届かず数年前に餓死者が続出とある。おそらく最初の頃に生まれたのはこの辺りなのだろう。
そして、前回生まれたのはそこまで悪い環境では無かった。気候的にもこの辺りに似ている。この国のこの近辺だろう。
「先生、領主の所で農業をする人の中には、生活が自立している人と、領主の建てた家に住むお抱えの二つがあるのですか?」
「平民と農奴ですね。よくご存じで。
領主が館を用意して住まわせているのは農奴です。彼らは不作の時に餓死寸前となり、命を救う代わりに領主から実りの豊かな領地の領主へと売られた者達です。
領主は彼らの衣食住を用意する必要がありますが、無給で働きます。
本来は命を救わなければならない急場を凌ぐ制度でした。想定でも1代限りだったのです。ですが一度庇護下に入った農奴は外に出る事はありませんでした。
なぜなら抜け出す制度を整備しなかったせいです。
農奴は一定期間以上を勤め上げれば農奴を辞める権利があります。
農奴として働く場合、一定期間を終えた後も給与が支払われません。
ですから抜け出す資金が無いのです。
農奴を辞めると次の日から土地もなく金もなく放り出されるのです。
結果、制度ができてから100年近い年数が経っていますが独立した農奴はいません。
今は、農奴にも給与を払うべきと言う者達も増えてきましたが農奴を売買している領主達が多く、反対意見が多いのです。
それに対して自ら建てた家に住み、所有する土地を耕し土地に応じた税を納める人をただの農民と呼びます。
農民にも2種類があります。一つは親から受け継いだ資産で農民を続ける者。
もう一つは未開の地を開拓し新たに土地を広げた者達です。
先ほどの農奴も新たな土地に移り開拓するならば農奴を脱出できるのです。
新規開拓地に入植する者達には事前に準備金を支払われますから。
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平民の農民よりも農奴の方が良い暮らしをしている地域も多く、自ら農奴になる者もいます。そんな状況です」
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