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2.4 転生は続く
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またまた農家だ。
どうなってるんだ。異世界転生って貴族の家とかに生まれないの?
ここは、領主直営の農場のようだ。馬車馬のように働かされるが食事は出るし家もちゃんとしている。今までの中で一番良い環境だ。できればその領主の家に生まれたかったよ。
まあ、贅沢は敵だ。
同じ年ぐらいの子供が集められ、全員で過ごすようだ。面倒を見る親は乳児を抱えているお母さんだ。僕も母親に抱かれて周りの子供達の声を聞きながら育った。
そして、少し大きくなると同じ年代の子供とかけっこをしたりしながら過ごす。
順調に大きくなり3歳を迎えた。
なんとなくしか前世を感じていなかったが、3歳の誕生日を過ぎた頃に人格の統合が進んだ。前世をきちんと思い出せるようになってきたのだ。
3歳になると教会に行き、洗礼式を受け、牧師から名を与えらえる。それと共に生活魔法が使えるようになるのだ。牧師から全員に生活魔法の呪文を教えて貰った。
当然だが呪文を唱えても最初から使える物ではない。5歳ぐらいまで練習することで使えるようになるのだ。
生活魔法は、着火、洗浄、照明の3つ。少なくともどれか一つは使えるそうだ。3つとも使えない人だけ特別に別の生活魔法を教えて貰えるらしい。
友達同士で魔法の練習をしながら親の手伝いをしながら過ごす。
そんな生活で、1年ほどたった時に僕は3つの生活魔法が全て使えるようになった。他の子はまだ誰も魔法を使えない。それなりにチートな能力があったのかもしれない。
すこしだけ嬉しい。
5歳になった。家族が一人増えて妹が生まれた。
母親は乳児を背負い、子供達の面倒を見ている。
5歳になったから僕は子供達の部屋ではなく、外にでてお手伝いをしている。全員で草抜きだ。皆で畑を順番に回り雑草を抜くのがお仕事だ。
仕事をしていたら、なにやら騒がしくなった。遠くに見える道に馬車が連なっている。どうやら隣の領主が来たらしい。急な来訪に女衆が手伝いに集められるようだ。
近くで農作業をしていた女達が手を止め領主の館へと向かっていった。食事を作る手伝いなどをするそうだ。
その日、母親が帰ってこなかった。妹におかゆをドロドロに溶かした食事を丁寧に与え夜を過ごした。朝になっても母親が帰ってこない。3軒隣の同じく子供を産んだばかりの母親の居る家に父と一緒に来訪する。
そちらは母親が帰っていたので妹に乳を別けて貰った。お腹が空いていたのかしっかりと母乳を飲んだ。母がいないので、そのまま妹を預かってもらった。
父と一緒に畑に仕事に行く。昼前に領主の館から兵士が迎えに来た。父に連れられて僕も一緒に向かう。
そこには殺された母親が無残に転がっていた。言うことを聞かなったから殺されたらしい。反逆の罪と言われ、父と僕も死刑らしい。
兵士に広場に引きずられていった。父も、僕も何もできずにあっけなく殺されてしまった。
「神様、悪いけどこの世界、無理だよ。
僕では力になれないと思う。
あまりに理不尽だ。
力なき立場に生まれても何も変えれないよ」
「うーん、やっぱり。
まあ今回は生まれた近くに貴族がいたから次はもう少し良い立場で生まれる事ができると思うよ」
「ほんとに」
「ほんと、ほんと。
大丈夫だって。
それよりも、ようやく魔法も覚えたしファンタジーぽくなって来たでしょ。
この世界を楽しんで来てよ」
どうなってるんだ。異世界転生って貴族の家とかに生まれないの?
ここは、領主直営の農場のようだ。馬車馬のように働かされるが食事は出るし家もちゃんとしている。今までの中で一番良い環境だ。できればその領主の家に生まれたかったよ。
まあ、贅沢は敵だ。
同じ年ぐらいの子供が集められ、全員で過ごすようだ。面倒を見る親は乳児を抱えているお母さんだ。僕も母親に抱かれて周りの子供達の声を聞きながら育った。
そして、少し大きくなると同じ年代の子供とかけっこをしたりしながら過ごす。
順調に大きくなり3歳を迎えた。
なんとなくしか前世を感じていなかったが、3歳の誕生日を過ぎた頃に人格の統合が進んだ。前世をきちんと思い出せるようになってきたのだ。
3歳になると教会に行き、洗礼式を受け、牧師から名を与えらえる。それと共に生活魔法が使えるようになるのだ。牧師から全員に生活魔法の呪文を教えて貰った。
当然だが呪文を唱えても最初から使える物ではない。5歳ぐらいまで練習することで使えるようになるのだ。
生活魔法は、着火、洗浄、照明の3つ。少なくともどれか一つは使えるそうだ。3つとも使えない人だけ特別に別の生活魔法を教えて貰えるらしい。
友達同士で魔法の練習をしながら親の手伝いをしながら過ごす。
そんな生活で、1年ほどたった時に僕は3つの生活魔法が全て使えるようになった。他の子はまだ誰も魔法を使えない。それなりにチートな能力があったのかもしれない。
すこしだけ嬉しい。
5歳になった。家族が一人増えて妹が生まれた。
母親は乳児を背負い、子供達の面倒を見ている。
5歳になったから僕は子供達の部屋ではなく、外にでてお手伝いをしている。全員で草抜きだ。皆で畑を順番に回り雑草を抜くのがお仕事だ。
仕事をしていたら、なにやら騒がしくなった。遠くに見える道に馬車が連なっている。どうやら隣の領主が来たらしい。急な来訪に女衆が手伝いに集められるようだ。
近くで農作業をしていた女達が手を止め領主の館へと向かっていった。食事を作る手伝いなどをするそうだ。
その日、母親が帰ってこなかった。妹におかゆをドロドロに溶かした食事を丁寧に与え夜を過ごした。朝になっても母親が帰ってこない。3軒隣の同じく子供を産んだばかりの母親の居る家に父と一緒に来訪する。
そちらは母親が帰っていたので妹に乳を別けて貰った。お腹が空いていたのかしっかりと母乳を飲んだ。母がいないので、そのまま妹を預かってもらった。
父と一緒に畑に仕事に行く。昼前に領主の館から兵士が迎えに来た。父に連れられて僕も一緒に向かう。
そこには殺された母親が無残に転がっていた。言うことを聞かなったから殺されたらしい。反逆の罪と言われ、父と僕も死刑らしい。
兵士に広場に引きずられていった。父も、僕も何もできずにあっけなく殺されてしまった。
「神様、悪いけどこの世界、無理だよ。
僕では力になれないと思う。
あまりに理不尽だ。
力なき立場に生まれても何も変えれないよ」
「うーん、やっぱり。
まあ今回は生まれた近くに貴族がいたから次はもう少し良い立場で生まれる事ができると思うよ」
「ほんとに」
「ほんと、ほんと。
大丈夫だって。
それよりも、ようやく魔法も覚えたしファンタジーぽくなって来たでしょ。
この世界を楽しんで来てよ」
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