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2.3 転生は続く

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 今度の環境は前よりもマシなきがする。なぜなら兄がいるからだ。
 きっと、育て方も解っているはずだ。期待できる。

・・・

 すくすくと育ち、1年がたった。再び夏がやって来た。
 最近分かってきたが、この家もやっぱり貧乏だった。
 貴族に転生してウワウワ人生とはならないようだ。厳しい現実にげんなりする。
 母乳の時期が終わり離乳食だ。だが何やら変な雑草交じりのおかゆのようなスープだ。まずい、とにかくまずい食事だ。毎日よくわからない物を食べさせられる。たまに1日1食の日もあるのだ、食べられない時に比べればまずいぐらい何ともない。とにかく生きる事が最優先だ。
 今日は、両親と兄と共に畑にやって来た。
 二つほど年上の兄は、手伝いをするわけでも無くいきなり畑の横に生えている雑草を食べ始めた。まずい物は吐き出して食べれそうな雑草を探しているようだ。

 普段からこんな過酷な情況なのか。

 両親が作っている畑を見回す。うーん、固そうな土地だ。開墾したてなのだろうか。石もゴロゴロした土地を、木の鍬で掘り返し土を耕している。

 ふと見ると畑の横に百合だろうか、白い花が咲いていた。あれって確か食べる事ができたよな。ハイハイで近づき抜いてみる。ダメだ。1歳児には抜けなかった。力が足りない。
 兄が来て抜いてくれた。そして百合をほいっと渡された。
 この兄、とても良い人。弟思いで良い兄だ。
 百合の根を見る。小さめだが丸い物がついていた。食べてみるか。これって生で行けるのかな。いや待て、土がこんなについてちゃだめだよな。
 手で土を取る。だめだな、取れない。
 兄がそれを見て近くの溜め水で洗って来てくれた。なんて親切な兄だろう。

 下の根に食らいつく。まだ生えそろってない歯を駆使してペロリンとめくりあげ、食べる。
 なんとなく甘い感じがする。やっぱりゆでた方がおいしそうだ。
 兄が食べたさそうにしているので渡してみた。
 おいしいようだ。まあ雑草よりはマシだろう。続けて見ていると花を食べた。まずいと吐き出す。そうだろうな。
 母親の所に根の部分を持って行った。母親も食べてみたようだ。
 作業が終わると、何本かの百合を取って家に帰った。夜のスープに百合の根が入っていた。一人1個ある。
 まあ、おいしくいただいた。

 そんな感じで過ごしていたのだが、秋になった。
 今日は近くの山に入った。僕と兄は入り口で待ちぼうけ。昼前には両親が揃って戻って来た。籠には大量のキノコ。
 あれ、それってなんとなくやばそうな感じの木の子じゃない。
 おいしそうって
 最近、ようやく少しだけ言葉が解るようになったのだ。おいしいと食べれる。まずいの3つは完璧だ。
 夕食、やっぱりスープ。たっぷりのキノコ。大丈夫なのこれ?
 兄も、両親もおいしいって。うーん、おいしいなら食べるか。
 あ、これおいしい。転生していらいの初めてのおいしい食事かも。食感ももちもちしていて、匂いも良いし味も良い。フワフワとした気分で気持ちも良い。

・・・
「あれ、神様。
なんで」
「うーん、毒キノコ?」
「え、マジ」
「うん、マジ」
「両親、疑問に感じることなく食べてたけど」
「まあ、シイタケに似てるけど毒ありだよ。
素人には区別つかないって。
まあ、食べれるのは取りつくした後だったから、あれ全部毒キノコだったみたいだよ」
「ふーん」
「じゃあ、次は毒耐性も付けておくから頑張ってね」

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