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第5章 シドニア訪問編
5.5.3 シドニアにて
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中に入ると、最初にシドニアの王家に挨拶に行った。
入場順に挨拶を行っているので、ラルクバッハの陛下達はだいぶ先に進んでいた。
そして、ようやく僕らの順になった。今の僕の爵位が侯爵家の嫡男なので身分的に最後なのだろう。
シドニア前国王の子供には金眼が生まれなかった。だから、今の王は前王の兄弟の子供から選ばれている。だからだろうか、血のつながりはあるが、エミリア様とは似ていない。右目が金眼なので、カルスディーナ公爵側に似ているように見える。
「ラルクバッハ第1王女スザンヌです。こちらがわたくしの婚約者ジルベール・クロスロード。クロスロード侯爵家の嫡男ですが、第2王女マリアテレーズとの正式な婚約と共にメリルディーナ公爵家に入る事になっております」
立場的に上のスザンヌがシドニアの陛下に答えた。
「よくぞシドニアに来てくれた。ところで、気になることを最初に聞くが、ジルベールと言ったか。両金眼は本物なのか」
「陛下はまだ正式には伝えていないと言っていましたが、噂では伝わってはいますよね。ジルベールが両金眼を公言したのは新年のことでした。女神からの加護を得られるまでその存在は我々王家に対しても秘匿されていましたから。陛下も国外への公表を控えておいでです」
「噂では聞いていた。今日のパレードの時は金眼では無かったから、やはり噂だと思っていたが」
「パレードで混乱が起きては困りますでしょう」
「そうだな、しかしジルベールの婚約者はもう二人もいるのか。それも王女を」
「ジルベールと第2王女のマリアテレーズとの婚約はマリアが生まれた時点で決まっていたそうです。メリルディーナ公爵がそう言ってましたから。私が割り込んだのです」
「すでに王家に取り込めていたと言うことだろう、なのになぜだ」
「だって、ジルベール様ステキでしょ」
そう言うと、陛下は隣にいる王妃の方を向いた。
「スザンヌ王女は一目ぼれしたわけね」
「そうですわ」
「ふふふ、確か、スザンヌ様とマリアテレーズ様は仲がよろしいのよね」
「はい、もちろん。あの子との仲は昔から、今も良好ですわ。同じ殿方を好きになるぐらい気も合いますし。お母さまたちのように仲の良い家族になれますわ」
「そう、エミリア様を見てお育ちなら大丈夫ね。しっかりとね」
その後で、王妃から4人の子供たちを紹介された。
この子供たちは、エミリア王妃とは血のつながりは少し離れているのでフィリップ王子との結婚も問題ないそうだ。
残念ながら、この4人の子供も金眼では無かった。
だから他国に嫁いだにも関わらず金眼であるフィリップ王子を迎え入れたいらしい。前王の孫でもあるのだし。
ついでにと、娘を進めてきたがスザンヌがすっぱりと断っていた。
「では、今回の訪問を楽しんで欲しい。そしてシドニアとの友好を築いて帰ってくれ」
そう言われて、その場を下がった。
そして、続いて公爵家に挨拶に行った。
入場順に挨拶を行っているので、ラルクバッハの陛下達はだいぶ先に進んでいた。
そして、ようやく僕らの順になった。今の僕の爵位が侯爵家の嫡男なので身分的に最後なのだろう。
シドニア前国王の子供には金眼が生まれなかった。だから、今の王は前王の兄弟の子供から選ばれている。だからだろうか、血のつながりはあるが、エミリア様とは似ていない。右目が金眼なので、カルスディーナ公爵側に似ているように見える。
「ラルクバッハ第1王女スザンヌです。こちらがわたくしの婚約者ジルベール・クロスロード。クロスロード侯爵家の嫡男ですが、第2王女マリアテレーズとの正式な婚約と共にメリルディーナ公爵家に入る事になっております」
立場的に上のスザンヌがシドニアの陛下に答えた。
「よくぞシドニアに来てくれた。ところで、気になることを最初に聞くが、ジルベールと言ったか。両金眼は本物なのか」
「陛下はまだ正式には伝えていないと言っていましたが、噂では伝わってはいますよね。ジルベールが両金眼を公言したのは新年のことでした。女神からの加護を得られるまでその存在は我々王家に対しても秘匿されていましたから。陛下も国外への公表を控えておいでです」
「噂では聞いていた。今日のパレードの時は金眼では無かったから、やはり噂だと思っていたが」
「パレードで混乱が起きては困りますでしょう」
「そうだな、しかしジルベールの婚約者はもう二人もいるのか。それも王女を」
「ジルベールと第2王女のマリアテレーズとの婚約はマリアが生まれた時点で決まっていたそうです。メリルディーナ公爵がそう言ってましたから。私が割り込んだのです」
「すでに王家に取り込めていたと言うことだろう、なのになぜだ」
「だって、ジルベール様ステキでしょ」
そう言うと、陛下は隣にいる王妃の方を向いた。
「スザンヌ王女は一目ぼれしたわけね」
「そうですわ」
「ふふふ、確か、スザンヌ様とマリアテレーズ様は仲がよろしいのよね」
「はい、もちろん。あの子との仲は昔から、今も良好ですわ。同じ殿方を好きになるぐらい気も合いますし。お母さまたちのように仲の良い家族になれますわ」
「そう、エミリア様を見てお育ちなら大丈夫ね。しっかりとね」
その後で、王妃から4人の子供たちを紹介された。
この子供たちは、エミリア王妃とは血のつながりは少し離れているのでフィリップ王子との結婚も問題ないそうだ。
残念ながら、この4人の子供も金眼では無かった。
だから他国に嫁いだにも関わらず金眼であるフィリップ王子を迎え入れたいらしい。前王の孫でもあるのだし。
ついでにと、娘を進めてきたがスザンヌがすっぱりと断っていた。
「では、今回の訪問を楽しんで欲しい。そしてシドニアとの友好を築いて帰ってくれ」
そう言われて、その場を下がった。
そして、続いて公爵家に挨拶に行った。
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