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第5章 シドニア訪問編

5.2.1 春の訪れと共に

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 あわただしく時が過ぎ王子達を迎えに行く日になった。

 王城へ行き、まだ学園に通っていない今年13歳になる子供たちが集まる。
 今年で僕は11歳。ルカ王子は13歳になる。
 学園は、14歳になる年に入学し、16歳になる年で卒業するのだ。その後、高位文官は王城で追加の教育があり、高位騎士は騎士学校がある。王宮魔導士は働きながら勉強の時間が与えられる。だいたい卒業後2年が勉強期間になっている。
(昔の投稿文で1年ずれているかもしれませんが、これが正しいです)

 今日は、ルカ王子とその同級生以下の金眼を持つ子供が集まっているのだ。
 そう思って王城に行ったら、王子と王女、あとは荷物だけが置かれていた。
「あれ、他の方は?」
「転移門で送ることになった、全員ジルベールに送ってもらうのはいかんと言う話になってな」
「へー、そうなんですか」
「ああ、領地に居る者もいるからな。その者たちは領地から転移門で送られる。護衛の問題があるから王子と王女はジルベールに連れて行ってもらう」
「護衛騎士と王宮魔導士は?」
「護衛騎士はずいぶんと前に移動をしておる。王宮魔導士は王都に居る者達と共に移動だ」
「なるほど、では皆さん早速移動しましょうか。アンジェリカ様が責任者で付いて来られるのですよね」
「ええ、そうよ」
「侍女の方は何名ですか?」
「3人に絞ったわ」
「そうですか、じゃあ、先に荷物を移動させます」
 そう言って、置いてあった荷物をストレージの中に入れる。
「先にお付きの人だけ集まってください、2回に分けますから皆さんは待っていたください」
 
 そう言って、先に準備をする人と荷物だけ移動する。

「さあ、着きました。荷物も出して。オブスレイさん、アマリリスさん皆さんを案内を頼みます。あ、アマリリスさんどのくらい後に連れて来た方が良いですか」

「一緒に移動するのが王子と王女に第3王妃だけですか。今はアイテムボックスに入っている家具の移動をさせるために、下働きの男たちが大量にうろうろします。人数が少なくなっていても、すぐにここに来られると困ります。やはり最初の予定通り領主館の方へ行ってください。領主館から馬車でこちらに移動してください」

「わかった、じゃあそうするよ」

「お待たせしました。皆さん、移動します」

 そうして、王子と王女、それに第3王妃を連れて領主館へ戻った。
 エレノアとニーナは先に移動していたので、後から来た王子と王女に挨拶をしている。
「すぐに移動するとまだ準備中です。少し経ってから移動します」
「今日行くのは、新しく作った領主館なのだろう」
「はい。でもまた領主館は移動しません。主要機能の移動にも、新しい家具をそろえるのに時間がかかりますから。夏までは殿下と公爵家や侯爵家の子供達だけで使ってください。
そのために殿下たちには服だけではなく家具毎移動して貰ったのですから」
「悪いな、私たちが急に使うことになったので迷惑だっただろう」
「殿下、お気遣い感謝いたします。もともと領主館の新設は数年後を予定していました。この度の使われ方は予想の範囲です。そのために早く作ったのですよ」

「そうなのか。この話は、新年のパーティ後に出た急な話だと思ったが」
「ジルベールが王都に行った後に起き得る想定内のケースです。多少人数が多くなりましたが、部屋数もあります。大丈夫ですよ」
「父上からリリアーナ様は先読みの力が素晴らしいと聞いていましたが、ここまでのことを予想されていたとは驚きました。
「いえ、わたくしも最初から気が付いていたわけではありません。ジルベールの手紙を見て思いついた考えだったのです。それがうまく的中しただけなのですよ」
「そうですか。軽く流せる程度のことだと言うのが信じられませんね」

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