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第4章 10歳王都編

4.11.7 王都での生活

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 誰かが呼びに行ったのだろうか、第1王女が扉の前にきていた。
「ジル様」
「スー、この子を鑑定して名前を確認して」
「え。解ったわ少し待って。うーん、見えたわ。ハルトよ」
「レベルが低いと本人が認識している名前しか表示されないのか。
ここにハルトヴィッヒ・クラウゼと言う名の子供がいる。
苗字があるのだから貴族あるいはそれに準じた家の子供だ。
騎士団に連絡して引き取りに来てもらって」
「ええ、解ったわ。クラウゼね」
 スザンヌは後ろにいた護衛騎士に説明をし、一人の護衛騎士が出て行った。
「ジルベール様、この人達は治ったのですか」
「二人とも魔力持ち、恐らく貴族の血をひいているので、魔力を多めに体に供給して体を修復させました。恐らく、身体的なダメージは治療できてます。ですが血が足りないし体力も回復しきっていない。このまま回復するのかは正直不明です」
「とりあえず、外部の傷は無くなりましたから、綺麗な服に着替えさせて。これでは別の病気になりそうです」
「ああ、解った後はこちらで引き受けよう」
 施設を管理する女性が二人、ぬれタオルで体をふくらしい。僕は邪魔かなと思ってとりあえず外に出た。入れ替わりにカトレア様がやって来て中に入った。

 第1王女と共に、神父が用意した休憩室で休んだ。
「大丈夫ですかジルベール様。聖女様が使うような回復魔法を使われたと聞きましたけど」
「え、まあ回復魔法のレベルは高いので、それなりの魔法は使えます。魔力も多いので、そういう意味では大丈夫です。でもやっぱり精神的に疲れますね。あまりにひどい怪我を見てしまったので。あんなに幼い子供にあんあひどい事をするなんて。どういう恨みがあってああいう所業になったのか」
「そうですか、そんなに酷い状態だったのですね」
「助かっても精神的なダメージが残るかもしれません。回復魔法では体の治療はできるけど、心の治療はできないから」
「心ですか。幼い子供にひどい仕打ちをしたのならそうなるのですね。
いっそ記憶が無い方が良いのかも」
「ええ、回復した後なら、領地にいるレオナ・ミルドレイク先生なら精神の治療ができるけど。それよりも、まずは親元に帰れると良いけど」

「それは、騎士団からの連絡待ちですね」

 すぐに王城から騎士団がやって来て、誘拐された子供との照合が行われた。どうやら誘拐された子供とその乳母だったらしい。
 乳母の目が覚めればもう少し状況がはっきりするだろう。

 僕らは、その日は訪問の早めに切り上げて王宮へと戻った。

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新作書いてます。
「神様  なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか」
こちらの作品もよろしくお願いします。
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