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第4章 10歳王都編

4.5.4 王都到着

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 ファールじいちゃんから事前に両金眼を伝えたと聞いている。今日は、事前に眼の色を変える魔道具も外している。
 今の言葉は返答を求められているわけでは無い。身分的に勝手に答えられる立場でもないので、そのまま陛下からの言葉を待ち続けた。
「此度の献上品だが、失われた技術であったアイテムボックスとマジックバッグがあるようだな。そなたが復活させたと聞いたが、他の献上品も含め苦労であった。
事前に打診があった通りそなたとマリアテレーズの交際は許可しようと思ってる。
だが、あくまでも交際だ。
婚約は、通例に従いマリアテレーズが10歳の前後になるまでは確定もしないし、発表もしない。つまり婚約者候補だ。良いな」
 これはたぶん、返事をしても良さそうだ。
「ありがとうございます」

「時間も無い、次へ移ろう。両公爵に話しかけて良いぞ、ジルベール」
 他の人へも話しかけて良いと言う許可だろう、さっそく公爵へ声をかけなければ。

「はい、ではカルスディーナ公爵から」
「なんだ」
「今までの10年間、領地にて無事に育つことができました。
それも、カルスディーナ公爵の支援があればこそ。
とても感謝しております。
陛下への献上品と別に、マジックバッグを二つ献上させていただきます」
「そうか」
「オルスディーナ公爵。
領地は違えど、今まで様々な支援をありがとうございました。
無詠唱で魔法が使えるようになったのもバーニィを配属して頂けたからこそです。
とても感謝しております。
マジックバッグを二つ、献上させていただきます。
それと約束通り、10年の期間が過ぎましたのでこの場を持ってバーニィをお返しします」

「ああ、お主にとっては子供の頃からの師であったろうが、こちらも組織として動く必要があるのだ。
優秀な配下をいつまでも部下なしで放置するわけにはいかぬ。
取り上げるようで悪いとは思うが了承してくれ。
ではバーニィ、聞いているが思うが、年明けから王宮務めだ。
第3師団の副団長の役職となる」
「破格の扱いに感謝いたします」
「おお、そうじゃった。
バーニィ、そなたの活躍も聞いておる。
いままでジルベールを良く守った。
ジルベールの他にもメリルディーナ公爵家に養女として入った二人の子も無詠唱だと聞いておる。
感謝しておるぞ
これからの活躍も期待しておる」
「陛下からのお言葉、ありがたき幸せにございます。
これよりは王宮魔導士として陛下の恩為に尽くす所存であります」
「うむ」

 予想外に、陛下からバーニィへねぎらいの言葉があった。これはかなり珍しい事なのではないだろうか。それは後でファールじいちゃんに確認することにして、さて次の用事だ。
「ところで王宮魔導士を辞めたオメガが、そなたの所にいると聞いたが」
 次に進もうとしたところで、オルスディーナ公爵が話しかけてきた。
「は、はい。
事実です。
突然の来訪でびっくりしましたが」
「そうか、変わったやつだからな。なにか迷惑をかけておらぬか」
「いえ、魔法陣の謎を解き明かすのに多大な協力をして頂きました。
私の所に来るタイミングが良く、カイ様から昔の魔法書を頂いたのもあり、二人で過去の魔法書を解読し、魔法陣のルールも理解できました。
幾つかの新しい魔法陣も作り出したところです。
そのマジックバッグも新しい魔方式で作りました」

「そうか、やはり新しい魔方式を使っておったのか。
お主の献上したアイテムボックスとマジックバッグだが、さっそく鑑定しても良いか」
「ええ、構いません」
「うむ、新しいアイテムボックスは少なくとも100年以上ぶり。
マジックバックは200年前に賢者殿が作った物が最後だからな。
念には念を入れたい。鑑定には時間がかかるだろう、先に話を進めてよいぞ」
 奉納品を置いた所に従者が一人入って来た。
 鑑定持ちと言うことで大神官様が出てくるかと思ったが、別人だ。王宮魔導士の中にいる物品鑑定の能力を持っている人が鑑定をするようだ。

「では、先に二人の紹介をさせてください」
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