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第4章 10歳王都編
4.5.1 王都到着
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王都に到着した。ほぼ順調な旅だったがクロスロードを出発してから3週間以上が経過していた。10歳の侯爵家以上の子供がお披露目に為に王都に向かう旅では15日~30日間の移動をするのがルールなので、まあまあの移動期間だろう。
最近は王都にすでにいる子供が多いので、近隣の領地に出かけて大きな街道沿いだけを通る移動が多いそうだ。僕のように道なき道を進み、野営までするのはかなり昔のやり方らしい。
メリルディーナ公爵家到着したら「歓迎の儀式」をカトレア様から受け、ぐったりとなった。いつもどおり、柔らかくて良いにおいだったのだが、激しすぎた。窒息しそうになるほど抱きしめるのは勘弁して欲しい。
今回の歓迎は少し激しすぎ、途中で限界を感じたのでイシスとガルダを妖精体で出し気を紛らわさせた。案の定カトレア様は妖精体の二人を気に入ったらしいく、イシスがおとなしく抱っこされていたので助かった。
その後、当然のようにコハクが拉致られ着せ替え人形と化した。
「カトレア様、コハクは少女のように見えても幻獣様です。ほどほどに」
「ええ、わかってます。ティアマト様もイシス様も一緒だから大丈夫よ」
どう大丈夫なのかはわからないし、聞けなかった。ガルダは僕の周りでフワフワと浮いて、我関せずと言う立ち位置にいるようだ。
その日の夕食は、久しぶりにエレノアとニナシスティに会った。二人とも公爵家令嬢としての教育を受けていたらしく、優美な所作に驚いた。あのニナシスティもおとなしすぎた。ストレスを感じていないか心配になるほどだ。
だがおしゃべり好きのニナシスティはそのままだった。彼女によると、最近はちょくちょく王城に行って、マリアテレーズと一緒に遊んだり勉強したりしているそうだ。
僕も会っていないのに、うらやましい限りだ。そして明日はマリアテレーズ様がここに遊びに来るらしい。おお、久しぶりのマリアテレーズ様との対面できる。ちょっと緊張するな。
「ジル兄ちゃんに会いに来るんじゃなくて、ニナと遊ぶために来るんだからね」
「え、そうなの。うん。わかってる、わかってる」
「でも、ちょっとだけ時間を上げるね。ニナは良い子でしょ」
「うん、さすがニナ。お兄ちゃん思いで良い子だね」
そういって頭を撫でると、とても喜んでいた。
食事会に出て来たコハクは、お嬢様の格好をしていた。ここでは侍女は必要無いと言われたらしい。
「コハク、とても似合ってるよ。とても可愛いと思う。
コテツに見せられないのが残念だけど起きた時に話すよ」
「ええ、ですが私はジルベール様の役に立つように言われております。このような格好をしていてよろしいでしょうか」
「もちろん、コハクが居てくれなかったら、僕がカトレア様の犠牲に。
あっ、いやなんでもない」
「いえ、これでもお役に立てているようなのが理解できました。
このような衣装は着たことが無かったので。
コテツ様は喜ばれるでしょうか?」
「きっとね」
コハクも嬉しそうな顔をしていた。幻獣と言えどもやっぱり女性なのだ、おしゃれは嬉しいらしい。
食事が終わってしばらくしてから、ファール様が仕事から帰って来たのでやっと話ができた。まずは、年末の面会予定やスケジュールの確認だ。
執事のティルスレイさんがファール様から受け取った資料の説明をする。
最初に、カルスディーナ公爵、次にオルトディーナ公爵に会いに行くと聞いていたが、新しい予定によると、まずは王城に行き謁見の間で王様に会うそうだ。その場で、カルスディーナ公爵、オルトディーナ公爵とも会う予定に変わったそうだ。お二人とも忙しいので、予定をいっぺんに済ませるそうだ。
と言う事なので、その3日後の面会がバーニィが護衛として働く最後の仕事になる。
その後でバーニィの実家に行き挨拶に行く事になっている。
そこで、10年のお礼とレティーシアの事も伝えなければならない。
その後、そのままバーニィは実家に残る。そしてバーニィは年明けから王宮魔導士として王都で働くのだ。
僕が生まれてからすぐにクロスロードに来て、しばらくはクロスロードで訓練を積んでいた。そして顔を合わせたのは3歳の時。
彼にとっては10年。僕にとっては7年間。生まれてからずっと一緒に居てくれた護衛であり僕に魔法を教えてくれた人。
もうじきお別れなのか。
一生会わない関係では無いが、これからは部下ではないのだ。なんとなく寂しい感じがする。
ただ、リリアーナ母様の予言によるとバーニィはすぐに出戻ってくるらしい。おそらく若手の教育に失敗し、早々にクロスロードに部下を連れてやってくるだろうと。
それを考慮して、リリアーナ母様はすでに寮を作る準備を始めているらしい。
リリアーナ母様の言うことが外れたことはないので、きっとそうなるのだろう。だが、戻ってくるにしてもすぐではないだろうし、戻っても指揮命令系統が違う。だが、バーニィとまた一緒に仕事ができると良いなーと言う期待はある。
そして、バーニィの失敗を期待しているみたいで悪い気もするのだ。
最近は王都にすでにいる子供が多いので、近隣の領地に出かけて大きな街道沿いだけを通る移動が多いそうだ。僕のように道なき道を進み、野営までするのはかなり昔のやり方らしい。
メリルディーナ公爵家到着したら「歓迎の儀式」をカトレア様から受け、ぐったりとなった。いつもどおり、柔らかくて良いにおいだったのだが、激しすぎた。窒息しそうになるほど抱きしめるのは勘弁して欲しい。
今回の歓迎は少し激しすぎ、途中で限界を感じたのでイシスとガルダを妖精体で出し気を紛らわさせた。案の定カトレア様は妖精体の二人を気に入ったらしいく、イシスがおとなしく抱っこされていたので助かった。
その後、当然のようにコハクが拉致られ着せ替え人形と化した。
「カトレア様、コハクは少女のように見えても幻獣様です。ほどほどに」
「ええ、わかってます。ティアマト様もイシス様も一緒だから大丈夫よ」
どう大丈夫なのかはわからないし、聞けなかった。ガルダは僕の周りでフワフワと浮いて、我関せずと言う立ち位置にいるようだ。
その日の夕食は、久しぶりにエレノアとニナシスティに会った。二人とも公爵家令嬢としての教育を受けていたらしく、優美な所作に驚いた。あのニナシスティもおとなしすぎた。ストレスを感じていないか心配になるほどだ。
だがおしゃべり好きのニナシスティはそのままだった。彼女によると、最近はちょくちょく王城に行って、マリアテレーズと一緒に遊んだり勉強したりしているそうだ。
僕も会っていないのに、うらやましい限りだ。そして明日はマリアテレーズ様がここに遊びに来るらしい。おお、久しぶりのマリアテレーズ様との対面できる。ちょっと緊張するな。
「ジル兄ちゃんに会いに来るんじゃなくて、ニナと遊ぶために来るんだからね」
「え、そうなの。うん。わかってる、わかってる」
「でも、ちょっとだけ時間を上げるね。ニナは良い子でしょ」
「うん、さすがニナ。お兄ちゃん思いで良い子だね」
そういって頭を撫でると、とても喜んでいた。
食事会に出て来たコハクは、お嬢様の格好をしていた。ここでは侍女は必要無いと言われたらしい。
「コハク、とても似合ってるよ。とても可愛いと思う。
コテツに見せられないのが残念だけど起きた時に話すよ」
「ええ、ですが私はジルベール様の役に立つように言われております。このような格好をしていてよろしいでしょうか」
「もちろん、コハクが居てくれなかったら、僕がカトレア様の犠牲に。
あっ、いやなんでもない」
「いえ、これでもお役に立てているようなのが理解できました。
このような衣装は着たことが無かったので。
コテツ様は喜ばれるでしょうか?」
「きっとね」
コハクも嬉しそうな顔をしていた。幻獣と言えどもやっぱり女性なのだ、おしゃれは嬉しいらしい。
食事が終わってしばらくしてから、ファール様が仕事から帰って来たのでやっと話ができた。まずは、年末の面会予定やスケジュールの確認だ。
執事のティルスレイさんがファール様から受け取った資料の説明をする。
最初に、カルスディーナ公爵、次にオルトディーナ公爵に会いに行くと聞いていたが、新しい予定によると、まずは王城に行き謁見の間で王様に会うそうだ。その場で、カルスディーナ公爵、オルトディーナ公爵とも会う予定に変わったそうだ。お二人とも忙しいので、予定をいっぺんに済ませるそうだ。
と言う事なので、その3日後の面会がバーニィが護衛として働く最後の仕事になる。
その後でバーニィの実家に行き挨拶に行く事になっている。
そこで、10年のお礼とレティーシアの事も伝えなければならない。
その後、そのままバーニィは実家に残る。そしてバーニィは年明けから王宮魔導士として王都で働くのだ。
僕が生まれてからすぐにクロスロードに来て、しばらくはクロスロードで訓練を積んでいた。そして顔を合わせたのは3歳の時。
彼にとっては10年。僕にとっては7年間。生まれてからずっと一緒に居てくれた護衛であり僕に魔法を教えてくれた人。
もうじきお別れなのか。
一生会わない関係では無いが、これからは部下ではないのだ。なんとなく寂しい感じがする。
ただ、リリアーナ母様の予言によるとバーニィはすぐに出戻ってくるらしい。おそらく若手の教育に失敗し、早々にクロスロードに部下を連れてやってくるだろうと。
それを考慮して、リリアーナ母様はすでに寮を作る準備を始めているらしい。
リリアーナ母様の言うことが外れたことはないので、きっとそうなるのだろう。だが、戻ってくるにしてもすぐではないだろうし、戻っても指揮命令系統が違う。だが、バーニィとまた一緒に仕事ができると良いなーと言う期待はある。
そして、バーニィの失敗を期待しているみたいで悪い気もするのだ。
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