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第3章 竜の襲撃

3.12.2 10歳の秋

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「それで、どうでしょうか。私の採用は?」
「オメガさんは魔道具に興味があるということは、魔法陣の専門家ですか」
「そうですよ。王宮魔導士でもトップレベルのと自負していましたが、この小型の魔道歯ブラシを見て井の中の蛙と知りました」
「そういってもらえると嬉しいのはうれしいのですが、種明かしをするので仕えるかどうかはそれを聞いてからにしてください」
「え、良いのですか?」
「ええ、これは単純なのですよ。
魔石に魔力を可充填させると振動するでしょう」
「ええ、ですが振動はもっとゆっくりです。低音の響きです」
「これは、本来は充填できない小型の屑石に充填している振動です」
 くわっと目を見開いてこちらを見るオメガさん。種明かしでしょうもない魔法陣だと気が付いただろうか。
「す、素晴らし。
小型の充填できない魔石に魔力を充填させようなど普通は考えない。
それをあえて振動させるために充填させるとは。
それで壊れる魔道具か。
なるほど、目から鱗。驚きました」
「目から鱗とはこちらでも言うのですか、違和感はないけど使う人が初めてです」
「普通に使いますよ」
「そうなんだ。あちらの世界では目から鱗が落ちるは聖書が起源だったと思うのですが
こちらはどうやって広まったんだろう」
「異世界の知識を良くご存知ですね。私はもうほとんど覚えていなくてうろ覚えです。
ですが、異世界からの転生者が割と多いから徐々に広まったのでしょうね。
王宮魔導士になってから、箸を使える人が多いことをしって驚きましたしね」
「そうなんだ。
そういえばリリアーナ母さまは使えなかったのにフェール様も最初から箸が使えたな。
まあ良いか。
魔法陣の専門家にはぜひとも協力してもらいたい案件があったので、ぜひぜひお願いします。
今現在、アイテムボックスとマジックボックスの作成が停滞してたんですよ」
「おお、それは素晴らしい」
「これが、転移門を作った賢者の書いた書物です。
空間魔法のレベルがあがったので、アイテムボックスとマジックボックスの魔法陣は起動できるのだけど、状態維持の魔法陣の消費魔力が多いのです。
鍵をつけると消費魔力が減ると書いてあるのですが、その鍵の魔法陣がわからなくて」
「なるほど。
鍵の魔法陣は知っていますよ」
おお、これで数年来の魔道具が完成する。

オメガさんが持っていた数種類の鍵の魔法陣を使って最も消費魔力の少ない魔法陣を選ぶ。
アイテムボックスは、時間停止の機能が無く、用意された空間を数倍に広げる魔法だ。例えば木箱の空間を10倍に広げる。
当然だが、広げた空間は周りの影響を受ける。
マジックボックスは時間が停止したある大きさの虚無空間を付与する。
元となる道具も木箱ではなく、バックを使用する場合が多い。
マジックボックスというよりもマジックバックと言われることの方が多い。
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