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第4章 10歳王都編

4.2.3 賢者の知識

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 さて、知識の継承は終わったようだ。なぜか先代賢者の記憶は全く無く、建国王の記憶が一部継承されただけだった。
『記憶の継承は終わった。
同代に複数の継承者がいる場合、初代にのみ知識が継承され、次に触った物には先代の強い思いがある記憶だけが伝わる。
だが、称号の付与は終えたゆえに、知識は現代の賢者から習得するが良かろう』

やっぱり、先代の賢者が生きているのか。
「先代の賢者は200年前の人だ。本当に生きているのか?」
『ここで継承した者の知識は、神の理によって還元される。
知識が戻って来ておらぬのならば、まだ生きているということだ。
どこにいるかわからぬが、人でも200年程度を生きることは可能だ。
賢者となった知識を用いればそのような事態は想定されておる』

 生きているのか彼は。次の日記を手にいれたら消息がわかるのだろうか。
 しかし、先代の賢者が生きていたら偶然300年前の建国王の思いを得ることができた。普通ならばありえない偶然。奇跡だな。

 ステータスを確認すると、確かに称号に賢者が追加されていた。
 スキルとしては並列化を得ることができたようだ。
 レベル1が2つの思考により、魔法を2つ使える、レベル2が3つ同時。

 さて、水晶の反応はもう無い。ここに居ても何もなさそうだ。さっさと部屋から出るとするか。僕は意気揚々と部屋から出た。
「おお、ジルベール君、無事だったか。
無事に賢者となれたか」

「ええ、賢者の称号を得ることができました」
「そうか、すまぬが中での事を話してもらえるのだろうか。
ここの領主として、中での事を知っておきたい。
可能な範囲で話してほしい」
「ええ、話しましょう」

 僕らは、応接室に到着に移動した。
「では、中に入る方法ですが、これは神の言葉が解る者です。
魔法陣に使われる文字の中で最も効率の高い種類です。
エルフ文字にも似ていますが、これが読める資格のあるものは、毎年一人メリーナ様が加護を与えた者です。
そして、今日さらにわかった条件は、魔力量がかなり高くなければ入れないと言うことです。
オメガさんは神の言葉を理解できましたが、王宮魔導士程度には魔力量がありますが、それでは不足していたみたいです」
「入るだけなら毎年一人か」

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