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第3章 竜の襲撃

3.7.3 竜の襲撃が終わり

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「いまさらだがおぬしの名を教えていただけぬだろうか」

「うわ、ごめんなさい。
すっかり忘れてました。
僕はジルベール。ジルベール・クロスロードです。
そしてこちらから順に」
「レイブレイング・クリシュナーダと申します。
人間が作った身分ですが伯爵位を持っております。
ティアマト様よろしくお願いします」
「リリアーナ・フィロ・クロスロードです。
この地の領主代行をやっています。このジルベールの母です」
「アメリ・フィロ・クロスロードです。
リリアーナの子ジルベールの姉です」
「エイミーだよ。よろしくねティア」
 最後にエイミー自己紹介して、エイミーはいつもどおり元気に握手した。
 レイブリングさんの顔がさっと青くなり緊迫した感じが伝わってきた。
 あれ、結構まずい系?
「エイミーか、同じ女性戦士どうしじゃな。よろしく頼む」
 そう言って気楽に握手に応じるティアマト。
 大丈夫だったみたい。
「で、幾つか質問があります。教えていただけないでしょうか?
まず1つ目は、あなたはなぜあそこで戦っていたのか」

「うむ。少し背景から説明するが、我ら竜族は、およそ10年の間隔で成人の儀を試していない100歳以上の竜が世界に向けて旅立つ。
強き魔物に挑み倒すためだ。
それによりさらなる強さを身につける。
成人の儀とは、そういった儀式だ。
ところが、半年ほど前に成人の儀に出た竜がこの辺りの土地で人間を襲い倒されたと聞いた。
我は父より調査の依頼を受けこの国を訪れたのじゃ。
この地はたまたま休憩で立ち寄った森じゃ。
そこで偶然、強き黒狼の生体を見つけてしまった。
最初は戦う気は無かったのじゃ。
だが運悪く黒狼は子育て中で気がたっておったらしい。
縄張りに入り込んだ我に戦いを挑んできた。
我も久しぶりの戦いに興奮してしまった。
我ら竜は、戦いで強いダメージを負うと狂化の状態となる。そうなると敵を倒すか今回のように腹這になって倒されるまで狂化は解けぬ。おぬし達は我の狂化の状態で遭遇し、勝ちによる狂化解除条件を逸してしまい、戦いが継続されてしまったのだ」
「ふーん。倒されたから狂化から回復したわけね」
「そのようだ。すまなかった」
「話に割り込んですまない。
半年前に倒した15m級の大型竜ならば、それは私達が倒した竜だ」
「そうか。よくぞ倒してくれた。礼を言おう」
「どう言う事。なんで礼なの。
10年間隔の成人の儀式で、お仲間だったんでしょ」
「誤解があるかもしれぬから聞いてくれ。
成人の儀は魔物との戦いだ。
我らは好んで人と争うことは無い。
我らは竜王バハムートより人との争いを禁じるよう教育を受けておる。
それに我の母は人間だ。
我は竜王バハムートと人間のあいの子だ。信じてほしい。
かつて人に迷惑をかけた竜も居るのは事実だがそれは魔物と戦った余波だ。
先日の我と同じく狂化の状態での戦いに巻き込まれた場合じゃ。
だが今回は狂化でも無いのに人を襲った。
我は、それを調べに来たのだ」
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