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第3章 竜の襲撃

3.6.3 竜の襲撃再び

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 とっさに覚えたばかりの時間魔法を発動させ、最前列にいるエイミーの前に瞬転で移動する。エイミーだけを連れて逃げると後ろの兵士たちが危ないので、この場で複数の物理と魔法に対する複合結界を展開する。
ちょうど展開が終わった時に時間魔法の効果が切れた。
 そしてブレスの猛攻が来る。
 目の前が見えなるくなるほどの光。
 そして、衝撃が襲ってくる。
 レベル9の結界によって9割の威力が削減される。2重の結界があるが、1枚目は9割減衰する前に限界値を超え破壊された。つづいて2枚目も。そしてようやく3枚目が無事に残る。
効果がかなり減衰されたはずだが、まだ衝撃が体に伝わってきた。なんとか、凌ぐことができたが、元の威力のすさまじさがわかる。

 とりあえず、みんなを守ることができたようだ。
 そして冷静に周りを見渡す。

 レイさん、エイミーを含め、自警団の皆は誰一人死んではいないようだ。

 だが既に重症者が数名。
 さらにその周りに大きな黒狼が1体横たわり、そちらは既に死んでいるように思える。
 その横には小さな黒狼の赤ちゃんが傷つき倒れていた。

 既に満身創痍のレイブリングさん。
「レイさん、逃げられる?」
 僕の質問に、レイブリングさんは首を横に振った。

 そして残った魔力で光の盾を作り出し、近くの重傷者をかばう。
 剣は既に光を纏(まと)えていない。
 余力はなく、ぎりぎりの状態らしい。

「そもそも、なんで竜と戦ってるんですか、すぐに逃げるべきでしょう」
「すまん、偶然と悪手が重なりこうなった。
小型の竜だからと油断した。
ここまで強いとは予想外だ。
そのホワイトドラゴンは、ホーリードラゴンだった。
光りの剣が通用しない。
エイミーを連れて逃げてくれ」

「父さんを見捨てられるわけないでしょ。
とにかくギリギリまで助けるように動きます」
「いかん。ジル、逃げてくれ」
 レイブリングさんこちらに歩こうとするが、歩けず片ひざをついて倒れた。

 どうやら、ほんとにギリギリの状況だ。
 逃げるにしても現状、僕の正面にいるホワイトドラゴンからは目をずらすことすらできない。
さっきからにらみ合って身動きが取れないのだ。
 鑑定で確認するが鑑定結果が表示されない。
 どういう理由かわからないがこちらの鑑定が無効化されている。
 相当に強い敵ということだけがわかる。

 僕は意を決し、マイストレージから神石をつけた杖を取り出す。
 とりあえず魔法攻撃で様子を見る。
 最大級で水龍を放つ。
 だが、ホワイトドラゴンが持つ魔法障壁に阻まれ、全く効果がない。
 水龍の魔法は、本物の泥をマイストレージから取り出し混ぜてある。だがその物理攻撃は硬い鱗で防御されダメージなし。
 時間魔法のインターバルが過ぎたので、光の剣を準備して瞬転でドラゴンの横に出る。
時間を停止した状態で切るがその鱗に阻まれ全く傷がつかない。
 なるほど、ホーリードラゴンとはこういう事か。
 元が光属性だから、光属性の攻撃が無効化されている。
 時間停止の魔法が切れる前に、瞬転で後ろに戻る。
 ホーリードラゴンは、魔法攻撃など効くものかと言った表情で、こちらを馬鹿にした様子でこちらを見た。
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