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第1章 誕生期

1.4.4 少しおおきくなりました

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 そのうちにそろそろしゃべっても大丈夫だろうと侍女に片言で質問をして色々と聞き込んだ。
 そうしてようやく自分のいる世界が少しだけわかってきた。

 まず父親が死んでいたことを知った。
 僕が生まれる少し前に亡くなったそうだ。

 その為なのか、リリアーナかあさまとは相変わらず、朝と夜しか合わない。
 理由は彼女が父親の代わりに領地の管理を行っているからだ。

 実際には父親が亡くなるずっと前からこの領地の管理をかあさまが行っていたそうだ。

 リリアーナかあさまは、昼間は役所に行き、領主代理として仕事をしているわけだ。
 僕の育児に余り手がかからなくなってからは、アメリもほぼ毎日午後から手伝いをしているそうだ。

 このふたりを見ていると、2人の仲がとても良いのがわかる。
 夜は、いつもアメリとかあさまは一緒のベッドで寝ている。

 僕は隣の小さなベッドで寝ている。

 たまにアメリと母の間でも寝ているときもあるが、朝になるといつのまにか小さなベッドの中に1人で寝ていた。
 いつ移動したのか、全く記憶にない。

 2人の話しによると、どうも僕はたまに夜泣きをするようだ。その時は僕の意識が無く覚えていない。
 やはり普通に赤ちゃんとしての欲求時は意識が薄れるようだ。

 それに意識があっても年齢相当の気分で生活を楽しめる。

 侍女の人があやしてくれると、何気ない彼女達の笑顔が楽しくて、ニカッと笑える。
 すると、侍女の人は「笑ってくれたわ」、と大喜びする。
 僕はそれがまた楽しくて、また笑う。
 それをみて、アメリとおばあさまが喜んでくれる。

 それが嬉しくて、立ち上がって二カーと笑ってみせ、キャッキャと声を出して手を叩く。周りの皆が幸せそうにしていた。

 ああ、生まれ変わって良かった。

 メリーナ様に感謝しつつ1歳児を楽しんでいた。
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