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本編
25、初めて過ごす発情期 ※
しおりを挟むあれから順調にデートもして、僕たちは恋人としてうまくやっていた。出会って五日で番になった割には、それ以上の日数をかけて清いお付き合いをしてお互いを知っていった。
そして今夜は、夜景の綺麗なレストランで食事をして、それからこのホテルに泊まって僕の発情期を待って、あれ以来の触れ合いをする。つまり解禁日だった!!
「楓、今日まで待たせてごめんね! じゃあ行こうか」
「ああ、まだレストランの予約時間にはあるけど、早めに行くか。部屋に荷物置いてからゆっくりしてディナーに行けばいいな」
僕は大学が終わってから家に戻って、一応ホテルに行くというからきちんとした服に着替えてからリビングに行くと、いつの間にか来ていた楓が、我が家で当たり前のように、祖母とお茶を飲んでいた。もう準備も出来たし、これから発情期を過ごしますって一緒に家を出るのが恥ずかしくて、楓をせかした。
「じゃあ、おばあちゃん、行ってくるね!!」
「ええ、楽しんできなさいな」
祖母が席を立って、僕のもとに来て襟をなおしてくれた。こういうところ本当に好きだな、祖母の優しさに胸が熱くなった。するとそれを見ていた楓がいきなり正座になって僕たちに頭を下げた。
「え、なにしてんの?」
「亜香里さん!! きちんとご挨拶をしていなかったので、順番が前後してしまいましたが、由香里を俺に下さい!! 一生大事にします、もちろん亜香里さんも含めて俺が全ての面倒をみます。これからも俺を婿として迎え入れてください!!」
楓……。僕は感動して涙がでてきた、祖母はそんな僕の頬を撫でてくれた。
「楓さん、由香里のことよろしくお願いします」
「はい!! 俺の命にかけて必ず幸せにします。ありがとうございます」
祖母も涙ぐんでいた、楓こういうところ男らしくて、無理やり展開も多かったけれど、やっぱりアルファで頼りがいがある。というか今日はただ発情期を一緒に過ごすだけで、今すぐ嫁に行くわけではない。それなのにこれはもう結婚のお許しを貰ったようなものだった。楓は今夜仕切り直しで僕にプロポーズする予定なのに、先に祖母に承諾を得るとか、それこそ順序が違うでしょって思ったけど、嬉しかった。
「楓……ありがとう」
「由香里、こちらこそ俺と番になってくれてありがとう」
「ふふ、じゃあ今度こそ、おばあちゃん行ってく…っ、はっ、ああ、嘘っ」
「由香里!? まさかもうヒートが!?」
「あっ、楓……来たみたい……っ」
楓にしがみついて息の上がってきた体を預けた。
「まぁ!! 大変!!」
「亜香里さん、ホテルまで車ですぐなので、このままもう行きますね、それくらいなら何とかなると思うので、車も家の前に待機させていますから、バタバタしてすいませんが」
「いえ、いいのよ、楓さん、由香里をよろしくね」
「お、おばあちゃん、行ってくるね」
なんだかすごく感動していたら、オメガの機能が全開になってしまった。普段なら発情期の二日前くらいから薬を飲み始めるけど、楓と過ごす発情期のために僕は事前に抑制剤を飲んでいなかった。
予定では明日くるはずだったのに、薬で抑えなかったのと、あまりに楓が僕をきゅんっとさせるから早めにきたみたい。まぁオメガにはよくあることだから、仕方ないって、え――せっかくの今夜の夜景プロポーズがぁ――。
バタバタと家を出て楓に抱きかかえられ車に乗せられた。車の中でずっと楓にくっついてキスをしていた、もう僕の意識が危ないところまできている、僕と楓はすでに番だから運転手さんには僕のフェロモンは届いていないというのはほんと良かった。
すぐにホテルの部屋に運ばれて、せっかくのスイートルームも全貌を見る暇もなく、せっかく着こなした服も乱雑に全てはぎ取られた。
「楓っ、かえでぇ、好きぃ、ああ」
「んん、ちょ、ちょっと待て、せめてベッドに行くまで」
「何言っているの、ベッド入る前に僕を裸にしたのは誰? ここでいいから挿れよう」
僕は部屋の真ん中で、カーテンも締まってない明るい室内で裸、楓はまだ服を着ていて、抱きついてキスして男根を楓の服に擦り付けていた。
「な、な、なんていやらしい誘い方、もうすぐだからな。これからずっとやりっぱなしになるんだから、体が辛いようにならないところで愛して、由香里の体力を長持ちさせたいから、ほら抱っこ」
「んんっ、キスしながら運んで」
「ん、了解っ」
行動を制限されて抱きかかえられて、歩いている最中もずっとキスしていた、楓は僕の顔でふさがれて前が見えないのに器用に運んでくれてベッドに落とされた。
発情期だから、もっともっととわがままになってしまう、でも何をやってもこのアルファは僕を受け入れる。番になったからかそんな自信しか僕にはなかった。
「一か月振りのセックスだよ、ゆっくり由香里をほぐしたい」
「大丈夫、発情期をなめないで、すぐ挿入るから、とりあえず挿れよう?」
「くそっ、くそっ、仕切り直ししたいのに、俺の余裕がなくなるのはいつも由香里が相手の時だけだよ」
「ちょっと、僕を抱く前になに他の人と比較しているの!? んんんん」
楓が怖い顔してキスしてきた、気持ちいい、とっても気持ちいい。お触り禁止令出してからキスも唾液が絡むような濃厚なのはしてこなかった。久しぶりに僕の男を堪能している、どんなご馳走よりもおいしい。
「煽るな、比べる訳ないだろ、お前はもうそんなレベルじゃない、俺にとって唯一の存在だ、愛してる、自制が効かないくらいに愛してる」
「楓ぇっ、僕も、僕の方が愛してるっ!!」
「いや、俺の方が愛しているな、もう抱くから、ちょっとだけ指でほぐさせて」
「ああ!? あああ、あん、あ、あ、」
「凄いな、もう蜜でとろとろ。本物の発情期はやばいな」
「いやっ、早く、楓の挿れてっ!!」
楓がほぐしもそぞろに、いきなり突き立ててきた。
「あ!? あああ、あっ、なに、これ、すごっ」
「うっ、もう我慢が効かないっ!!」
「ああああ」
我慢なんか効いたことないじゃん! そう思いながら、必死に僕の中に挿入ってくる楓が愛おしい、汗をかいて僕を上から見ているその目が野獣そのもの、怖くない。僕は挿入の苦しさもあったけれど、楓の汗で濡れた楓の髪を触った。必死に頑張っている僕の男。
「くそっ、由香里っ、余裕だな」
「そんなことない、僕の番を下から堪能しているの、とっても気持ちいいよ、楓」
「愛している」
「僕、んんん、僕も愛しているっ」
楓のキスで遮られるも、愛まで伝えた。楓が奥へ奥へと進むたびに汗が僕に落ちて必死な楓、初めて見る。番の発情期に充てられたアルファはこうなるんだ、なんだか僕の方がされるままにしているからか冷静になっている気がする。
「あ、ああ!? なに、そこ」
「発情期だからな、由香里の奥まで味わう、もうそんな冷静にしていられないぞ」
「あっ」
ばれていた。だめ、な、なにそれ、いやっ、だめ、もっと……。僕の知らないところに楓の先端が到達した。
「あ、あああ、だめっ、なんか凄い、凄いの来ちゃう!!」
「くっ、由香里、落ち着けっ、そんなに締められると俺も、もたない…っ」
「あんっ、ああああ、イクっ、イッちゃう」
「由香里っ!!」
凄いところまで楓が無遠慮に押し挿入ってきた、何かが開いた気がした。そして僕のアルファって、そう心がじんわりして、達した。
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