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陛下と桜
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国王陛下と神獣様のやり取りを何も教えて貰えない桜は、絶賛ふてくされ中である。
朱『主よ、そんな酷い顔をしていたらおばあちゃんになるぞ?』
桜「おばあちゃん!?誰のせいだと!?」
玄『えー…国王陛下じゃね?』
青『そうね。陛下よ。』
朱『陛下だ…そうだ。』
(あっ。少し逃げた。)
王「ん!?私のせいか!?」
桜「そうなんですか…陛下…」
桜はジト目で陛下を見る。
王「いや、まぁ秘密な話ではあるが…」
桜「陛下まで…」
しょんぼり桜。
朱『主。こればかりは、国事のことでもあるし。守り神の領域では無いと思って…』
桜「………………。」
王「そうだ。許しの印を貰ったので、守り神殿にはこれを渡さねばならぬな。」
(あっ。話変えた!)
国王陛下は、ペンダントを差し出した。
桜「…綺麗な翡翠色のペンダント?」
王「これは、王の力の象徴でもある物だ。これを守り神殿に贈ろう。どうか肌身離さず持っていて欲しい。」
桜「これを…私に?王の力の象徴って…守り神が持ってていいものなんですか?」
朱『まぁ、他の者には秘密だな。』
青『あら大変。桜にも秘密が増えたわね。』
桜「私に…翡翠色…」
(あら?)
玄『…!?まさか…ぐふっ』
青凰様必殺の後ろ蹴り。
玄『この!何しやがる!』
青『ちょっと空気読めない神獣は帰ってくれる!?住処の隅っこに!』
玄『なんだと!どう見てもあれは、そうだろ!気になるだろ!』
青『そこで何か言おうとしちゃうところが、空気読めないって言ってるのよ!バカ鳥!』
玄『バカ鳥!?ならお前は、ウンチク馬か!?』
青『なんですって!?』
朱『おい。争点がおかしいぞ。』
玄青『はっ!』
桜「2人とも何してるんですか…というか、どう見てもそうって何がですか?」
朱玄青『え?』
首を傾げる桜。
と陛下。
朱『2人ともか…』
(そんなことある?)
朱『相手の気持ちどころか、自分の気持ちに鈍感か…これは、ダメなやつだろうか?』
桜「ダメなやつですか?」
朱『いや、まぁ大丈夫だ。…多分。』
王「はは。まぁ何はともあれ、早く王太子のところに戻らないとな。」
桜「あっ。すっかり忘れてた…」
王「そんなことだろうと思ったが…屋敷でいいのか?」
桜「はい。行きましょう。では、神獣様達は戻ってくださいね!住処に!」
朱玄青『…気になるが。まぁ王太子には会いたくないからな…またな。』
桜「お話が終わったら戻りますから。」
王「神獣様御三方、此度は本当にありがとう!そして、これからの未来のために共に頑張ろう。」
こうして、国王陛下と神獣様御三方による許しの儀式は終わりを迎えた。
お気づきだろうが此度の王太子殿下は脇役である。
屋敷までの帰路に桜と国王陛下は和気あいあいとしていた。
王「守り神殿。そういえば、今年で幾つだったか?」
桜「その言い方。まるで私が子どもだと言っているようにしか聞こえませんね…これでも24ですよ?立派な大人ですよ。」
王「もうそんなだったか?」
桜「陛下もまだ35ではありませんか…なんですそのおじいちゃん感…」
王「ははは!まぁ仕事している度に老けているぞ!」
桜「そんな歳の取り方ありませんよ!」
王「そうか?だが、そうか。11も離れていたか…」
桜「も?」
王「いやぁ。実際は離れているのかどうなのかわかりにくいもんだな!」
桜「日々も穏やかで、年など関係なく暮らしていますからね。」
王「神獣様といると自分の歳とか確かに気にしないかもな…」
桜「まず世界超えたりしますよね…」
(異世界だよね~わかるわかる。)
王「…1人で、不安にはならないのか?」
桜「………………………ここは静かでいいですよ。」
王「そうか。…守り神殿。許しも貰えたことだし、時々話し相手になってくれないか?」
桜「え?」
王「ここは落ち着くんだ。息抜きにいいかな?」
木漏れ日の中優しい日差しが陛下を照らす。
桜「…いつでも。ここに私はいますから。」
王「ありがとう。」
桜「あっ。屋敷に着きましたね。」
王「あいつ、玄関の前にいると思うぞ。」
桜「玄関の前にですか?いくらなんでも、そこまではしないのでは…?」
ガチャ
扉を開ける。
目の前が白一色…
桜「わっ!殿下!?」
白は殿下の服である。
太子「遅いですよ…どれだけ心細かったと思ってるんですか!御二方!」
桜「あー…すみません。話し込んでしまって。」
王「だが、この通り許しの印は貰えたぞ。」
王太子が国王の額を見ると、丸々驚いていた。
桜「まぁ、結果良しと言うことで、長居も体に良くないことですし、そろそろ出口に案内しますね!」
↑体に良くないは嘘である。
王「まぁ、護衛の騎士団も待ちぼうけてる事だし、今日は帰ろう。」
太子「そうですね。。誤魔化されてる気もしますが、今日は帰りましょう。」
(バレてる。)
桜「では。行きましょうか。」
こうして、国王陛下並びに王太子殿下は城へと帰っていきました。
桜は屋敷へと戻り今日一日を終わろうとしていた。
桜「翡翠色のペンダント…」
ゆらゆらとペンダントを揺らして、ぽーっと眺めている桜は、出口付近で国王陛下が言った言葉を思い出していた。
王「守り神殿…いや、昔のように桜と読んでも構わないか?せめて、ここに来る時は…」
桜「!?…名前…」
王「どうも堅苦しい呼び名になってしまうと、話しにくいだろう?どうかな?」
桜「……その。名前でぜひ呼んでください。」
王「ああ。ありがとう桜。」
桜「…あの!私もこのペンダントに毎日陛下の健康をお祈りしますね!」
王「!」
桜「翡翠色の綺麗なペンダントはきっとこれからの私の支えです。」
王「…随分な殺し文句だな。」 ぼそっと。
桜「え…?」
王「いや、ではまた。」
桜「はい。また。」
この2人のやり取りは、とても綺麗で純粋な鮮やかな景色だった。
桜「また。おやすみなさい。イル。」
ペンダントにキスをして眠った桜であった。
朱『主よ、そんな酷い顔をしていたらおばあちゃんになるぞ?』
桜「おばあちゃん!?誰のせいだと!?」
玄『えー…国王陛下じゃね?』
青『そうね。陛下よ。』
朱『陛下だ…そうだ。』
(あっ。少し逃げた。)
王「ん!?私のせいか!?」
桜「そうなんですか…陛下…」
桜はジト目で陛下を見る。
王「いや、まぁ秘密な話ではあるが…」
桜「陛下まで…」
しょんぼり桜。
朱『主。こればかりは、国事のことでもあるし。守り神の領域では無いと思って…』
桜「………………。」
王「そうだ。許しの印を貰ったので、守り神殿にはこれを渡さねばならぬな。」
(あっ。話変えた!)
国王陛下は、ペンダントを差し出した。
桜「…綺麗な翡翠色のペンダント?」
王「これは、王の力の象徴でもある物だ。これを守り神殿に贈ろう。どうか肌身離さず持っていて欲しい。」
桜「これを…私に?王の力の象徴って…守り神が持ってていいものなんですか?」
朱『まぁ、他の者には秘密だな。』
青『あら大変。桜にも秘密が増えたわね。』
桜「私に…翡翠色…」
(あら?)
玄『…!?まさか…ぐふっ』
青凰様必殺の後ろ蹴り。
玄『この!何しやがる!』
青『ちょっと空気読めない神獣は帰ってくれる!?住処の隅っこに!』
玄『なんだと!どう見てもあれは、そうだろ!気になるだろ!』
青『そこで何か言おうとしちゃうところが、空気読めないって言ってるのよ!バカ鳥!』
玄『バカ鳥!?ならお前は、ウンチク馬か!?』
青『なんですって!?』
朱『おい。争点がおかしいぞ。』
玄青『はっ!』
桜「2人とも何してるんですか…というか、どう見てもそうって何がですか?」
朱玄青『え?』
首を傾げる桜。
と陛下。
朱『2人ともか…』
(そんなことある?)
朱『相手の気持ちどころか、自分の気持ちに鈍感か…これは、ダメなやつだろうか?』
桜「ダメなやつですか?」
朱『いや、まぁ大丈夫だ。…多分。』
王「はは。まぁ何はともあれ、早く王太子のところに戻らないとな。」
桜「あっ。すっかり忘れてた…」
王「そんなことだろうと思ったが…屋敷でいいのか?」
桜「はい。行きましょう。では、神獣様達は戻ってくださいね!住処に!」
朱玄青『…気になるが。まぁ王太子には会いたくないからな…またな。』
桜「お話が終わったら戻りますから。」
王「神獣様御三方、此度は本当にありがとう!そして、これからの未来のために共に頑張ろう。」
こうして、国王陛下と神獣様御三方による許しの儀式は終わりを迎えた。
お気づきだろうが此度の王太子殿下は脇役である。
屋敷までの帰路に桜と国王陛下は和気あいあいとしていた。
王「守り神殿。そういえば、今年で幾つだったか?」
桜「その言い方。まるで私が子どもだと言っているようにしか聞こえませんね…これでも24ですよ?立派な大人ですよ。」
王「もうそんなだったか?」
桜「陛下もまだ35ではありませんか…なんですそのおじいちゃん感…」
王「ははは!まぁ仕事している度に老けているぞ!」
桜「そんな歳の取り方ありませんよ!」
王「そうか?だが、そうか。11も離れていたか…」
桜「も?」
王「いやぁ。実際は離れているのかどうなのかわかりにくいもんだな!」
桜「日々も穏やかで、年など関係なく暮らしていますからね。」
王「神獣様といると自分の歳とか確かに気にしないかもな…」
桜「まず世界超えたりしますよね…」
(異世界だよね~わかるわかる。)
王「…1人で、不安にはならないのか?」
桜「………………………ここは静かでいいですよ。」
王「そうか。…守り神殿。許しも貰えたことだし、時々話し相手になってくれないか?」
桜「え?」
王「ここは落ち着くんだ。息抜きにいいかな?」
木漏れ日の中優しい日差しが陛下を照らす。
桜「…いつでも。ここに私はいますから。」
王「ありがとう。」
桜「あっ。屋敷に着きましたね。」
王「あいつ、玄関の前にいると思うぞ。」
桜「玄関の前にですか?いくらなんでも、そこまではしないのでは…?」
ガチャ
扉を開ける。
目の前が白一色…
桜「わっ!殿下!?」
白は殿下の服である。
太子「遅いですよ…どれだけ心細かったと思ってるんですか!御二方!」
桜「あー…すみません。話し込んでしまって。」
王「だが、この通り許しの印は貰えたぞ。」
王太子が国王の額を見ると、丸々驚いていた。
桜「まぁ、結果良しと言うことで、長居も体に良くないことですし、そろそろ出口に案内しますね!」
↑体に良くないは嘘である。
王「まぁ、護衛の騎士団も待ちぼうけてる事だし、今日は帰ろう。」
太子「そうですね。。誤魔化されてる気もしますが、今日は帰りましょう。」
(バレてる。)
桜「では。行きましょうか。」
こうして、国王陛下並びに王太子殿下は城へと帰っていきました。
桜は屋敷へと戻り今日一日を終わろうとしていた。
桜「翡翠色のペンダント…」
ゆらゆらとペンダントを揺らして、ぽーっと眺めている桜は、出口付近で国王陛下が言った言葉を思い出していた。
王「守り神殿…いや、昔のように桜と読んでも構わないか?せめて、ここに来る時は…」
桜「!?…名前…」
王「どうも堅苦しい呼び名になってしまうと、話しにくいだろう?どうかな?」
桜「……その。名前でぜひ呼んでください。」
王「ああ。ありがとう桜。」
桜「…あの!私もこのペンダントに毎日陛下の健康をお祈りしますね!」
王「!」
桜「翡翠色の綺麗なペンダントはきっとこれからの私の支えです。」
王「…随分な殺し文句だな。」 ぼそっと。
桜「え…?」
王「いや、ではまた。」
桜「はい。また。」
この2人のやり取りは、とても綺麗で純粋な鮮やかな景色だった。
桜「また。おやすみなさい。イル。」
ペンダントにキスをして眠った桜であった。
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