ゴブリン転生【完結】

ちゃむにい

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自我の目覚め

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どうやら、ゴブリンに転生したらしい。

そう気が付いたのは、ハートリアという名前の金髪のエルフ、自分を産み落とした母親を犯し、その温かき胎内に何十度目かの種付けをした後だった。

長い舌で、啜るように口内を割って入り、ジュルジュルと絡みつく。
先ほど女の胎内で果てた雄が、次第に固くなっていくことを感じた。
そのまま、ゆるゆると動き出し、快楽に追い縋るように腰を動かして胎内を荒らす。
柔らかな女の胎内が搾り取るように、雄を包み込み、蠢いた。
強烈な快感が脳を焼く―― ああ、なんたる至福の時であることか。

「あッ、あッ、んあッー!!」

ハートリアは、だらりと口の端から涎を垂らしながら縋りつき、嬌声をあげた。

エルフは長命ゆえ、ゴブリンの被虐に耐えうる強靭な肉体を有している。
ゴブリンの子を産むための雌として粗末な扱いをされても、幸か不幸か、人間の女に比べると命を落とす事は圧倒的に少なかった。
実際ハートリアは、数年に渡ってゴブリンの子を産み続けていた。

ハートリアは既に数えきれないほどのゴブリンを産んでおり、ゴブリンにとって優秀な雌であった。
彼女が妊娠すれば、かなりの確率で出産に至る。
それゆえ、特別視されていた。

出来れば自分の子を孕んで欲しい。

それは、どのゴブリンも共通して願う事だ。

だが、ゴブリンは集団で生活をする魔物であり、女は共有すべき獲物だ。
特定のゴブリンが独占する事など、出来るものではない。
ある程度融通が利き、それが可能となるのは、ゴブリンを指示できるリーダーだけだ。
リーダーのお情けで女を犯すことは出来る。
運が良ければ自分の子種で妊娠するかもしれない。

だが俺は、それだけでは満足できなかった。

ハートリアの中に精を出すチャンスは1回きりであり、すぐに他のゴブリンと交代だ。
ゴブリンの数に対し、慢性的に女が不足していた。
仲間のゴブリンが増えれば増えるほど、女を犯す機会は失われていく。
下っ端のゴブリンは、見回りなどの雑用も多い。
妊娠しない年老いた女で欲求を解消するゴブリンもいるが、それでは、飢餓に似た己の性欲を満たすには、とても足りなかった。
俺はハートリアと、もっと長く交わりたかった。
そのためにはハートリアを所有するゴブリンリーダーと決闘するしかない。

決闘に負ければ、群れから追い出され、はぐれゴブリンとして生きていかなければならない。
それはリスクが大きく、ほとんどのゴブリンはそれを選ばない。
ゴブリンリーダーは、格上の存在だ。何しろ、リーダーとして進化したのだから。
俺は進化すらしていない、ただのゴブリンだ。
だが、これ以上欲求を押さえることは出来なかった。
もっと女を犯したいと、雄としての本能が叫ぶ。
膨らみ続けた欲求に背を押されるようにして、俺は対決を申し込んだ。

勝ち目は低く、まさに生死を賭けた勝負だった。

だが、俺は勝利した。

「ギャ!!ギャーー!!!」

これは勝利した末の、長い長い性交。

ハートリアは、身も心も屈服していた。
激しい快楽に、我を忘れたかのように腰を擦りつけ、泣きながら歓喜した。

それほどに、俺の体は、ゴブリンとしては一線を画すものだった。
本来ゴブリンは人間の3分の1ほどの大きさしかない。
しかし、俺は突然変異なのか、一回りほど体格も良く、力も強かった。
そのために、戦闘経験が豊富なはずのリーダーに後れを取ることもなく、勝利を収めることが出来たのだ。

「いい!いい!いいのぉッ!!もっと、もっとぉ!!!」

何時もとは違う、艶やかな女の声に、配下となるゴブリンの熱い視線が注がれた。

ボスとなるゴブリンの体は筋肉質で逞しく、雄の象徴ともいえる性器はゴブリンから見ても誇らしくなるほど大きくて持久性も良く、性交も激しかった。
若きゴブリンにとってはすべてが手本となり憧れとなった。

ゴブリンにとって、強いボスの誕生は、歓迎すべき出来事である。

巣に捕らえてある女は、10人を超える。
乞食の女、村娘、獣人の女、殆どが生活苦から奴隷として遠方より違法に売られてきた地位の低い女であったが、中には貴族の令嬢もいた。
これは数刻前に他国へ馬車で移動してる最中に捕獲したものだ。
護衛すら雇わず、無謀にも駆け落ちでもしたのだろう。
男は女を庇い、そして撲殺された。
食べるために運んだので、その辺りにまだ転がっているかもしれない。

「や、やめなさい! わ、私を誰だと思っているの! やめ、やめて!――!!!」

何とか助かろうとしていたが、身分の尊さなんてこの場には関係がなかった。ハートリアと新たなボスの情事に熱にあてられたゴブリンは、我先にと、女に群がった。

「ああーー!!いやぁああああ!!! 
「「ギャギャギャァぁぁー!!」」

女は髪を捕まえられ、服をビリビリと破かれる。
その先にあるものは、ただの繁殖行為だった。

「ーー痛いッ、あッ、あぁッ、そんな、そんなああああ」

ゴブリンにとっては、彼女たちは妊娠可能な雌でしかない。
女を孕ませる。
それこそが至上の娯楽であり、宴でもあった。

「んッ、んッ、がはッ、んー!!!」

女の口には、体に見合わないほどゴブリンの硬く膨らんだ雄が出入りし、
短い叫び声と共に口内へと射精された。
のどの奥に流し込まれた精液は、女の体に大きな変化を与えた。

「んぐぅッ…!? んぁッ、ぁッ!? やめてッ、触らないでえぇぇぇ!!」

体の変化に気が付く頃には、まるで作り変えられたかのように敏感な体となっていた。痛みは蕩けるような快感へと変えられていく。
背中に乗って腰を振るゴブリンと、体の下で突き上げるゴブリンにより、パンパンという乾いた音が洞窟内に響き渡った。
恐怖と興奮の渦が、巣に広がった。

不思議な事に、女の恐怖に彩られた声というのは心地良いものだった。

既にハートリアは嬌声も上げられぬほど喉が枯れ果て、快楽のあまり気絶してしまった。
物言わぬ肉体を貪るように何度も犯す。
それでも物足りなかった。まだ物足りなかった。
何度犯しても、何度精を吐き出しても、満足できない。

途中でハートリアが目を覚ましたが、

「ひぃッ、もう許して!お願いします!!もう、もうこれ以上は…!ああああ!!!」

ゴブリンに何度もいたぶられても耐え抜いたその金色の瞳には絶望が映った。

胸はやや小ぶりだが、冒険者であっただけあって肉体も精神も普通の女にしては強靭であるが、日に当たらぬ場所に囚われているせいか、その肌は病的に白い。

妊娠出産を何度も繰り返してるだけあって、快楽に弱く、ほど良くゴブリンに馴染んでいる。
彼女の病的なまでの死への恐れが、かろうじて精神を狂わせずに、この過酷な環境に適合させたのだろう。
この巣で捕らえている女の中ではダントツで良い女だ。
それなのに満足できない理由は分かっていた。
彼女では役不足なのだ。
俺が孕ませたいのは―― 本当に欲しい女は、この女ではない。

だが、それが分かっていても、やめられなかった。
ゴブリンの繁殖への本能の強さは理性を壊すほど、強いものだった。

ハートリアの中は温かく、精を吐く時の瞬間は、それまでのすべてが報われる心地さえした。

ここは何でも手に入る。
あれだけ渇望していても手に入らなかったものだって、手を伸ばせば、すぐに手に入るだろう。
そう思えるほど俺は強く、何でも出来る気がした。
人間としての良心の呵責などは綺麗さっぱり消えてしまっていた。
あるのはゴブリンとしての本能のみ。

ゴブリンに襲われ泣き叫ぶ女を見ても、
「俺も孕ませたい」
思い浮かぶのは、ただそれだけだ。
そこには複雑な人間関係も必要ない。
奪うか、奪われるかだ。
分かりやすくて、いい。

人生をやり直したい
別の人間になりたい
そう願ったことはあった。
だがゴブリンに転生するとは、思いもしなかった。
はじめて自分がゴブリンである事に気が付いた時、これは自ら生命を絶ったことによる天罰なのかと、打ちのめされた。
だが絶望を凌駕するほどの快楽に、これは神様のご褒美だと思った。
人間であった頃は搾取されるだけの人生であった。

女を見てしまうと下半身に直結してしまうので、見境がなくなるのが若干困るが深刻には考えなかった。

ハートリアの股から、ひょっこり覗く、小さな頭は数刻前に誕生したゴブリンだ。
かつての自分がそうであったように、彼は雄々しくもハートリアとの情事の真っ最中のようだった。
兄弟を押しのけ、「ママー、ママー」と叫びながら、腰をカクカクと動かしてハートリアの中へと我先に欲望を注ぎ込んでいた。

「ギャギャギャ、ギャア(逢いたかったぞ、息子よ)」

彼らは俺の希望そのものだ。

乳房に吸い付き、愛撫を施す、将来有望な愛すべき息子達の誕生に、俺は満足そうな笑みを浮かべた。




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