拗らせ専務は溺愛したい

プロローグ

「恋愛は五年間はしません。」

パソコンの画面上で彼女が言う。

「五年後に君に会いに行きます。」

その次の言葉は言えない掲示板「カイト」は今日まで。


五年後・・彼女を手に入れる為にすでに計画は動き出している。


計画の一部は、親友と一緒に会社を起業しすでに業績は上がってきている。


しかし、まだ足りない。


彼女は、大学卒業後にその会社に入社する予定になっている。

そう約束した。

彼女は俺を知らない・・チャットだけのやり取り。

「会わないのか？」

そう親友の相川聡が何度か言ったが会えば決心が鈍る。

「手は、出さないで下さいよ。目を離さないように！」

鷹崎隼人は、相川に念を押すように言った。

相川は、甘いマスクで女うけがいいからその気になれば落ちない女はいないと僕は思っている。

「心配するな。お前を敵にはまわしたくない。」

そんなやり取りをアメリカからの国際電話で会話する。

それから五年・・・もうすぐ約束の時。

アメリカを起点にして順調に業績をあげて帰国する。

社長にはあえて就任せず専務という立場。

ライトコーポレーションは五年で大きく成長したのは社長である相川のソフト開発能力と鷹崎の企業買収の手腕や営業能力だ。

海外を飛び回り日本に5年間帰国していなかった。


「美鈴、君に会いに行くよ。」

親友が、定期的に送ってくれる彼女の写真を愛しそうに眺めながらアプローチをシュミレーションする。


専務室にノックして入室してきた秘書はその微笑に息をのむ。

5年不在だった専務室に帰ってきた鷹崎　隼人は

185㎝を超えた身長に仕立ての良いスーツを着こなしている。

「専務。秘書の結城沙耶香です。」

目の前にいる美丈夫を前に少し頬を染める彼女に「ああ、よろしく頼みます。」そう返事をする彼は美しい顔をしているが冷淡な目を彼女に向けた。

「社長がお待ちです。」

「解った。」

社長室に鷹崎は向かうがその背中を熱い視線で見つめる結城。

その後秘書室が専務担当争奪戦になったのは言うまでもなかったが

専務の鷹崎が指名した人物は誰もが予想しなかった人物だった。