20 / 20
僕のすべて初恋の君に
しおりを挟む
新店舗での婚約パーティーには、一条 貴臣の両親も駆け付けた。
両親を見た沙羅は「えー!」と今までで一番驚いた顔をしている。
「ねー貴司さん・・娘よ可愛い~もう貴臣なんてどうでもいいわ。」
キャアキャアと喜ぶ一条の母は、自分よりかなり身長が低い沙羅を抱きしめて娘が出来た事を喜ぶ。
「そうだね~ミライ。」
父もまた年齢不詳の不思議な人だ。
「あの・・ミライさんってあのミライさん?」
「もういや~ん。ママって呼んでよ。ママよ。」
「母さん・・落ち着こうか。」
この両親のハシャグ様子をやっぱりこうなるよな~と言う顔で貴臣はみていた。
今回会わせると決めてから予想していた事だから驚かないが・・。
貴臣の母は、スーパーモデル並みのスタイルに白い肌と黒髪で子育て終わったからと海外に移住した両親は元有名女優だった。
父親は、マネージャー兼社長だった事もあり彼女の引退と同時に会社を後輩に譲り自分もミライと一緒に海外移住した。
「息子は、人を愛せないのかしらと思って心配していたけどこんな可愛い子を捕まえるなんてよくやったと言いたいわ。」
「そうだね~ママ。」
落ち着かない両親に貴臣は「沙羅が驚いてるだろう?」と言うが興奮が止まらない母は結婚式も楽しみだと言い出し事前に相談していた事を・・
「沙羅ちゃんの実家の件は、貴臣から聞いているわ。私の両親も兄妹も似ているからわかるのよ。人間は、一人では生きていけないけど私達もいるし貴臣もいる。だから一人じゃないし、私達は家族なんだから。ねっ。」
とウインクして実家の件は、気にするなと言ってくれたうえに自分も女優なんて仕事をしていたから色々あったと話す。
その横で夫まで「そうだね~色々あったね。」
と思い出したのか難しい顔をしていたそのくらい酷かったようだ。
今日の沙羅の衣装は、貴臣が用意した振袖で真っ赤な生地に小さい花が染め抜かれている振袖は体の小さな沙羅には良く似合っていた。
いつもより少し華やかなスーツを着た彼が手を差し出し会場にエスコートしてくれる。
その後ろを一条夫妻が歩いて付いていてくれた。
貴臣の会社の主要な役員や仲間を紹介されたり相沢も恋人を連れて駆け付けてくれていた。
お祝いムードの中で沙羅の両親はやはり来る事はなかった。
しかし一番来てほしくない人がその場に現れた。
「姉さん・・。」
姉を見つけて緊張した声でつぶやく沙羅を貴臣は自分に引き寄せた。
「なに・・傷ものの妹が自分だけ幸せになろうって?許せるわけないでしょ!私より幸せになるなんて生意気なのよ。」
そう言って小さな瓶を持つた手を振り上げ沙羅に投げつけようとしたとき沙羅の視界は真っ黒になった。
貴臣が彼女を庇うように覆いかぶさりすっぽりと抱きこむ。
「何よ!離してよ!」
「社長大丈夫ですか?」
服部が、その行動にいち早く反応して振り上げた手を掴み小瓶を取り上げた時に床に落ちたのか異様な臭いがした。
「塩酸か。」
服部は、沙羅の姉を拘束して警備員が駆け付けて姉を連行して行った。
今回の沙羅の姉の行動は、さすがの母親も知らなかったのか驚き狼狽する。
「沙織がああなのは、私達があの子の悪知恵を諭せなかったからだ。」
そう父親が言うと、
「沙織が悪いの?貴方がお義母さんに沙羅を預けたから・・私が育てていれば沙織と同じように優秀な子になったはずなのに・・。」
沙羅の母親の学歴至上主義は、母親が大学に行けなかった学歴コンプレックスから子供達の教育に熱心すぎた事で姑は、沙織の性格を見抜き沙羅の安全の為に引き取ったという経緯があったようだ。
沙羅の姉は、精神治療が必要と言う事で病院へ入院させる事を条件に被害届を出さない方向で話がきまった。
弟は、海外留学をしていて日本には当分帰国しないという事だった。
姉は、沙羅の傷をなんとも思わない貴臣にあてつけるように沙羅の顔を焼こうとしたのだ、その狂気な行動は精神障害でもあった。
結婚式は、それなりに行い神式で着物という選択をしたのは貴臣だった。
「あの子も考えたわね・・沙羅ちゃんが着物だと肩を出さずに済むしね。」
「そうだね・・よほど大事なんだろうね。」
「そうでないと結婚なんてしないわよあの子。」
式も披露宴も沙羅と貴臣は、和装を選択したのは沙羅を悪く言われるのが我慢がならないのと他人に彼女の白い肌を見せたくない独占欲からだった。
新郎!新婦に一言お願いしますという言葉に会場が固唾を飲む・・女を愛せない一条が何を言うのか注目された。
「俺の唯一で初恋の君に僕のすべてをかけて守り愛していきますだから側にいて下さい。」
「はい。」
涙声で返事しかできない新婦沙羅に「可愛い~」という声があがる。
二人は、式を終えてすぐに役所に届けを出した。
新婚旅行は、仕事が落ち着いてから貴臣の両親が暮らす国に行く事に。
「沙羅・・幸せになるんだぞ。」
「春樹さん・・有難う。」
妹を送り出す気分の相沢は、男泣きしているし貴臣の両親もまた可愛い娘が出来たと泣くしで大騒ぎの結婚式だった。
沙羅は、貴臣のすすめで大学ではなく専門学校に通う事になり本格的に設計を勉強する事になって相沢の会社は辞職した。
「沙羅~今日は、中華でいいか?」
「うん。」
沙羅の学校が終わる時間には、かならず夫が連絡をくれる。
夫は、沙羅のクラスメートを自分のレストランに招待する事もあってその時のSNS動画が宣伝になるといういい夫作戦一石二鳥だと服部は感心する。
服部は、家族同然でたまに朝食を一緒に食べたり服部の婚活に沙羅が意見を言ったりと仲もいい。
一条沙羅となって沙羅は初めて愛を感じて自由を感じている。
「沙羅。行こうか。」
今日も一緒に視察にいく二人の後姿は幸せの象徴だと服部は思いずっと二人を見守りたいと思う服部だった。
両親を見た沙羅は「えー!」と今までで一番驚いた顔をしている。
「ねー貴司さん・・娘よ可愛い~もう貴臣なんてどうでもいいわ。」
キャアキャアと喜ぶ一条の母は、自分よりかなり身長が低い沙羅を抱きしめて娘が出来た事を喜ぶ。
「そうだね~ミライ。」
父もまた年齢不詳の不思議な人だ。
「あの・・ミライさんってあのミライさん?」
「もういや~ん。ママって呼んでよ。ママよ。」
「母さん・・落ち着こうか。」
この両親のハシャグ様子をやっぱりこうなるよな~と言う顔で貴臣はみていた。
今回会わせると決めてから予想していた事だから驚かないが・・。
貴臣の母は、スーパーモデル並みのスタイルに白い肌と黒髪で子育て終わったからと海外に移住した両親は元有名女優だった。
父親は、マネージャー兼社長だった事もあり彼女の引退と同時に会社を後輩に譲り自分もミライと一緒に海外移住した。
「息子は、人を愛せないのかしらと思って心配していたけどこんな可愛い子を捕まえるなんてよくやったと言いたいわ。」
「そうだね~ママ。」
落ち着かない両親に貴臣は「沙羅が驚いてるだろう?」と言うが興奮が止まらない母は結婚式も楽しみだと言い出し事前に相談していた事を・・
「沙羅ちゃんの実家の件は、貴臣から聞いているわ。私の両親も兄妹も似ているからわかるのよ。人間は、一人では生きていけないけど私達もいるし貴臣もいる。だから一人じゃないし、私達は家族なんだから。ねっ。」
とウインクして実家の件は、気にするなと言ってくれたうえに自分も女優なんて仕事をしていたから色々あったと話す。
その横で夫まで「そうだね~色々あったね。」
と思い出したのか難しい顔をしていたそのくらい酷かったようだ。
今日の沙羅の衣装は、貴臣が用意した振袖で真っ赤な生地に小さい花が染め抜かれている振袖は体の小さな沙羅には良く似合っていた。
いつもより少し華やかなスーツを着た彼が手を差し出し会場にエスコートしてくれる。
その後ろを一条夫妻が歩いて付いていてくれた。
貴臣の会社の主要な役員や仲間を紹介されたり相沢も恋人を連れて駆け付けてくれていた。
お祝いムードの中で沙羅の両親はやはり来る事はなかった。
しかし一番来てほしくない人がその場に現れた。
「姉さん・・。」
姉を見つけて緊張した声でつぶやく沙羅を貴臣は自分に引き寄せた。
「なに・・傷ものの妹が自分だけ幸せになろうって?許せるわけないでしょ!私より幸せになるなんて生意気なのよ。」
そう言って小さな瓶を持つた手を振り上げ沙羅に投げつけようとしたとき沙羅の視界は真っ黒になった。
貴臣が彼女を庇うように覆いかぶさりすっぽりと抱きこむ。
「何よ!離してよ!」
「社長大丈夫ですか?」
服部が、その行動にいち早く反応して振り上げた手を掴み小瓶を取り上げた時に床に落ちたのか異様な臭いがした。
「塩酸か。」
服部は、沙羅の姉を拘束して警備員が駆け付けて姉を連行して行った。
今回の沙羅の姉の行動は、さすがの母親も知らなかったのか驚き狼狽する。
「沙織がああなのは、私達があの子の悪知恵を諭せなかったからだ。」
そう父親が言うと、
「沙織が悪いの?貴方がお義母さんに沙羅を預けたから・・私が育てていれば沙織と同じように優秀な子になったはずなのに・・。」
沙羅の母親の学歴至上主義は、母親が大学に行けなかった学歴コンプレックスから子供達の教育に熱心すぎた事で姑は、沙織の性格を見抜き沙羅の安全の為に引き取ったという経緯があったようだ。
沙羅の姉は、精神治療が必要と言う事で病院へ入院させる事を条件に被害届を出さない方向で話がきまった。
弟は、海外留学をしていて日本には当分帰国しないという事だった。
姉は、沙羅の傷をなんとも思わない貴臣にあてつけるように沙羅の顔を焼こうとしたのだ、その狂気な行動は精神障害でもあった。
結婚式は、それなりに行い神式で着物という選択をしたのは貴臣だった。
「あの子も考えたわね・・沙羅ちゃんが着物だと肩を出さずに済むしね。」
「そうだね・・よほど大事なんだろうね。」
「そうでないと結婚なんてしないわよあの子。」
式も披露宴も沙羅と貴臣は、和装を選択したのは沙羅を悪く言われるのが我慢がならないのと他人に彼女の白い肌を見せたくない独占欲からだった。
新郎!新婦に一言お願いしますという言葉に会場が固唾を飲む・・女を愛せない一条が何を言うのか注目された。
「俺の唯一で初恋の君に僕のすべてをかけて守り愛していきますだから側にいて下さい。」
「はい。」
涙声で返事しかできない新婦沙羅に「可愛い~」という声があがる。
二人は、式を終えてすぐに役所に届けを出した。
新婚旅行は、仕事が落ち着いてから貴臣の両親が暮らす国に行く事に。
「沙羅・・幸せになるんだぞ。」
「春樹さん・・有難う。」
妹を送り出す気分の相沢は、男泣きしているし貴臣の両親もまた可愛い娘が出来たと泣くしで大騒ぎの結婚式だった。
沙羅は、貴臣のすすめで大学ではなく専門学校に通う事になり本格的に設計を勉強する事になって相沢の会社は辞職した。
「沙羅~今日は、中華でいいか?」
「うん。」
沙羅の学校が終わる時間には、かならず夫が連絡をくれる。
夫は、沙羅のクラスメートを自分のレストランに招待する事もあってその時のSNS動画が宣伝になるといういい夫作戦一石二鳥だと服部は感心する。
服部は、家族同然でたまに朝食を一緒に食べたり服部の婚活に沙羅が意見を言ったりと仲もいい。
一条沙羅となって沙羅は初めて愛を感じて自由を感じている。
「沙羅。行こうか。」
今日も一緒に視察にいく二人の後姿は幸せの象徴だと服部は思いずっと二人を見守りたいと思う服部だった。
0
お気に入りに追加
43
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】幼馴染な陛下は、わたくしのおっぱいお好きですか?💕
月極まろん
恋愛
幼なじみの陛下に告白したら、両思いだと分かったので、甘々な毎日になりました。
でも陛下、本当にわたくしに御不満はございませんか?
責任とって婿にします!
薄影メガネ
恋愛
癒しの魔力を持ち、長きに渡り人々を救ってきた白の魔女──リリヤ・ソールズベリーはある日、大罪を犯した。
黒の魔女が統治する温暖の地、サマースキル公国。その第三公子オルグレンの命の一部を奪い逃走したのだ。
人々の信頼を裏切り、指名手配犯に身を落としてまで、リリヤが逃げ続ける理由は何なのか。
やがて美しい少年公子へと成長したオルグレンに追い詰められていく恥辱に耐えきれず。リリヤは命を延命させる方法を見つけ出せなかったそのときは「責任とって婿にします!」と宣言してしまったのだが……
※◇登場人物紹介イラスト、2019/02/28更新しました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
全ての作品お気に入り登録しました(^^)