俺様CEOは初恋に戸惑う

アタラン

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愛憎の末

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俺達が、マンションについたとほぼ同時に相沢も到着したと連絡があったから四人で俺の部屋に戻る事にした。

「沙羅。落ち着いて聞くんだよ。犯人は飯島正美だった・・拓海のクラスメイトの彼女だったんだ。」

「さっきも聞いて・・なんで正美ちゃんが?」

沙羅が正美ちゃんと呼ぶくらい沙羅も親しい中の女の子なのかと俺が聞くと相沢の変わりに沙羅が答えてくれた。

「彼女は、拓海のクラスの優等生で彼が大学に行きたいと言って勉強していた時に教えてくれて・・私にも教えてくれていたんです。お医者さんを目指していたはずなのに何故?」

「理由はまだ解らない。今回の実行犯は岡野だが彼を唆したのは彼女だという事だったんだ。岡野は彼女が沙羅に傷つけられたと思い込んでいたんだ。」

岡野と飯島正美との接点はネットのサイトで当時失恋して落ち込み引きこもっていた岡野に自分も同じ事があったと意気投合したように演じて、飯島は、自分の恋人を沙羅に取られてその恋人は沙羅のストーカーに殺されたと語っていた。

なのに沙羅は、自分のストーカーが恋人を殺したのにその兄と現在付き合っているという話をしていたらしい。
実際に岡野が相沢の会社に勤務しだしてその話
の真偽には疑いはあったが、そうやって笑顔で人を騙すのが沙羅だと言われてそれを信じてしまったと言う。

「飯島は、今逃走していてまだ拘束されていない。彼女はバイクも車も運転できないが、刃物は扱いなれてるんだ。医学生だからな・・飯島の両親は医者で共犯だった。娘が何かしたと気がついた両親が母親の実家に飯島を預けそこから大学に通わせていたらしい。」

相沢は、事情を淡々と話しているが怒りを堪えているのだろう。

「あの沙羅への嫌がらせの手紙は、岡野だというなら、内部の事を知っていてもおかしくないな。」

俺がそう言うと相沢もその通りなんだと言った。

「犯人が逃走中なのが問題です、彼女は頭がよく計画的に動いていますよね。計算外だったのは岡野の逮捕でしょう。しかし、彼女が逃亡したと言う事は岡野が自白する事を予想したと言う事ですから、冷静さを失っていないと言う事です。」

そう服部は、警察官兄から聞いた見解と自分の見解とを上手く説明してくれた。

「何かを仕掛けてくるかも知れないと言う事か?」

そう俺が聞くと服部は「ええ。おそらく。」と答えた。

沙羅は、その会話を聞いてマンションを出ていくと言い出したがこれについて相沢も俺も「ダメだ」と言い切った。

「沙羅、ここを出て何処へいくんだ?俺の所でもいいがここまでのセキュリティーはないんだ。俺の実家は、一軒家だから余計に相手にとって狙いやすくなるんだぞ。」


「でも、また私のせいで・・。」


彼女は、また相沢の弟の拓海のように関係者を巻き込みたくないのだろうしかし、ここで相沢が白状した。

「拓海は、以前に飯島と付き合っていた時期があったらしい。沙羅も知っての通り拓海は出席日数が足らず留年した後で荒れたその時飯島と一緒のクラスになって付き合った時期があった。拓海が沙羅と出会って拓海は、沙羅を追いかけ始めた次期に飯島と別れたらしい。」

まったくそんな話を知らなかった沙羅は、驚いた顔をした後でなんとも言えない顔していた。

「沙羅、愛憎って言葉聞いた事があるだろう?飯島は、拓海が好きだったけど拓海の心変わりで別れを切り出されて別れた。たぶん友達でいようとかって感じだったかもな。飯島は、拓海が自分の元に帰ってくるかもと思っていたから聞き分けのいい女を演じていたんじゃないのか?なのに思い通りにはいかなかったから愛が憎しみに変わり殺意を持って沙羅を刺した。拓海の目の前で犯行を行ったのは拓海が思い悩んで苦しむように仕向けたかったからだと俺は思う。」

俺が一気にそう言うと「社長どうしたのですか?」と服部が驚くのはどういう意味なんだ
と言いたくなったが無視をして。

「どっちにしろ。前も言ったけど悪いのは犯人で沙羅じゃない!」と沙羅の目を見て言った。

「俺も一条と同じ事を思っているし、ちゃんと女を切れなかった拓海が悪い。それに、拓海は刺された時に飯島が犯人だと解っていたのかもしれない。あいつ意識がまだあった時に「悪いのは俺」って言ったらしい。」


四年を経て解ってきた真相は、俺から言わせれば沙羅は巻き込まれた側だと言う事で決して巻き込んだ側では無いと言う事だ。

それを沙羅が理解しない事には見えない鎖からは彼女は解放されないように俺は思う。

根本的な解決は、飯島が捕まり彼女が話さない限り本当の所は何も解らないままだと言う事だ。

























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