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第六章:領主三年目、さらに遠くへ
義父たちの元へ(三)
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「おお、エルマー。息災のようだな」
「ディオン殿もお元気なようで」
俺はコルム大公に会いにゲルランに来ていた。転移ドアの設置のために。先日また使者のイニャス殿がまたディオン殿の手紙を届けにドラゴネットまでやって来た。手紙にはぜひ設置してほしいということが書かれていたので、今回は領都のゲルランまで一緒にやって来たが……
「まさがイニャス殿がディオン殿の義息だったとは」
「こういうことでもなければエルマーがイニャスと会う機会はなかっただろうな」
俺はイニャス殿を単なる使者だと思っていたが、ディオン殿の長女ロジーヌの夫だった。つまりエルザにとっては実の姉の夫ということになる。
「ロジーヌとイニャスはそれはもう見ている私たちの方が恥ずかしいくらいで」
クロエ殿が説明してくれたが、イニャス殿は貴族の跡取りではなく四男だったそうだ。ゴール王国の方でも色々と面倒事があったことは聞いている。王女の相手としては珍しいだろうが、それでもおかしなところに嫁がせるよりは身分が低くても好いた男のところにとディオン殿とクロエ殿は考えたそうだ。
「それでその転移ドアだが、本当にここからでも繋がるのか?」
「はい、それは間違いなく。ヴァジ男爵領のサン=サージュまで移動できましたので、ここなら問題ないでしょう」
先日ジョゼとコジマの実家に顔を出すついでに試させてもらった。転移ドアの複製が作れたなら何か所か設置してもいいが、そうするとどこに設置するかで揉めそうなのが問題だ。
「ロジーヌとソレーヌもまだ会ったことのない妹に会いたいと言っていた。それにもちろん余とクロエもな」
「ええ、分かっています。それでどこに置けばいいのかと思いまして」
一応前国王のお屋敷だ。俺が娘の夫だとしても、場合によっては敵の進入路として使われる可能性もある。さすがに勝手に置いていくことはできない。
「それ用に一つ部屋を用意することにした。こっちに来てくれ」
ディオン殿は俺を応接室から小ホールへと案内した。その隣にその部屋はあった。
「これはこちら側から入るだけでいいわけだな?」
「はい。実際の扉のように通り抜けるわけではありません」
「それならここに置いてくれ。持ち去られないようにだけすればいいので、この部分は固定してしまえばいい」
「なるほど、壁に埋め込むようにするわけですか」
転移ドアは扉と枠に足が付いたような形をしている。壁に少し穴を空けて足の部分を突き刺すようにすれば壁に張り付けられる。こちら側に足が少し出ているが、そこも何か段のような物を置けば隠せるだろう。俺がやってもいいのだが、どうもお抱えの魔法使いにさせるようだ。
「ところで今さら気がついたのですが、レティシアは今日はいないのですか?」
妙に静かだと思ったら喧しいのがいなかった。
「うむ。今日はロジーヌのところに行っておる。明日には戻ってくるだろう」
「それなら向こうに行くのは明日にしますか?」
「いや、今日でいいだろう。レティシアが帰ってきたら勝手に来るだろう」
意外に放任主義のようだ。それともレティシアがいない方がゆっくりとできるからだろうかと疑ってしまった。
ディオン殿は「明日になったら屋敷に来るように」という内容の手紙を二人の娘のところに出すことにし、さっそく移動の準備に取りかかった。準備といってもディオン殿には特に用意するものはないようで、クロエ殿の準備待ちといったところだ。
「女性には準備すべきことが多いからな」
「そうですね」
妻たちは自分の身支度は自分でするが、元王妃ともなればそういうわけにもいかないだろう。ナターリエは元王女だが、ドラゴネットに来てからは着替えから何から自分でやっていた。おそらく他の妻たちが自分でやっているからだろう。ただ今はかなり腹が大きいから、使用人たちが交代で世話をしている。
ジョゼやコジマも自分のことは自分でしている。俺は侍女が必要なら付けてもいいと思っていたが、どうも必要ないらしい。ジョゼはレティシア付きの近衛騎士をしていたのでそれほど優雅な暮らしをしていたわけではなく、コジマはお淑やかに着飾るよりも剣を振り回す方が好きだったからだ。
男の場合は顔を洗って着替えればそれで終わりということも多いだろうが、さすがに女性にそれを求めることはできない。
しばらくすると使用人たちが荷物を運んできたので、ディオン殿とクロエ殿、そして一〇人ほどの使用人と一緒にドラゴネットへと向かった。
◆ ◆ ◆
「お父様、お母様、ようこそドラゴネットへ」
お二人の相手はエルザにしてもらう。その間に荷物は使用人たちの手で来客棟へと運ばれた。転移ドアを設置するからには行き来が増えるだろう。一番見晴らしがいい部屋やその周辺は今後はコルム大公一家用として扱うことにした。
さて、ドラゴネット側の転移ドアだが、これも小ホールの近くにある部屋に設置することにした。これは理由は簡単で、正面から入った横にある小ホールには常に衛兵がいるからだ。
いつでも誰でも使えるとなると、領民が何かの間違いでゲルランに行ってしまう可能性がある。だから転移ドアのある部屋への出入りは見ておかなければならない。最近は人も増えたので以前のように領民が好き勝手に城の中に入ることはできなくなったが、それでも商売を始めたのでと挨拶に来る者はいる。
元王女や元隣国の王女などがいるとなるとあまりに無防備ではいけないという話が出て、領内の治安維持のために衛兵を雇うことになった。城の警備に関しては小ホールの端に衛兵の待機場所を作ったので、そこから転移ドアのある部屋への出入りが見えるようになっている。
ただ一日中部屋の入り口を見ているのも大変だろう。部屋の扉が開けばすぐに分かるような魔道具でもあれば便利だろうと思ったら扉に鈴が取り付けられた。
「鈴を押さえて開けたら鳴らないんじゃないか?」
「では増やしましょう」
扉の表と裏、高い場所や足元などに合計一〇か所ほど鈴が取り付けられ、扉が開けばシャラシャラとかなり派手な音が鳴る。これなら目を離しても問題ないだろう。
「ディオン殿もお元気なようで」
俺はコルム大公に会いにゲルランに来ていた。転移ドアの設置のために。先日また使者のイニャス殿がまたディオン殿の手紙を届けにドラゴネットまでやって来た。手紙にはぜひ設置してほしいということが書かれていたので、今回は領都のゲルランまで一緒にやって来たが……
「まさがイニャス殿がディオン殿の義息だったとは」
「こういうことでもなければエルマーがイニャスと会う機会はなかっただろうな」
俺はイニャス殿を単なる使者だと思っていたが、ディオン殿の長女ロジーヌの夫だった。つまりエルザにとっては実の姉の夫ということになる。
「ロジーヌとイニャスはそれはもう見ている私たちの方が恥ずかしいくらいで」
クロエ殿が説明してくれたが、イニャス殿は貴族の跡取りではなく四男だったそうだ。ゴール王国の方でも色々と面倒事があったことは聞いている。王女の相手としては珍しいだろうが、それでもおかしなところに嫁がせるよりは身分が低くても好いた男のところにとディオン殿とクロエ殿は考えたそうだ。
「それでその転移ドアだが、本当にここからでも繋がるのか?」
「はい、それは間違いなく。ヴァジ男爵領のサン=サージュまで移動できましたので、ここなら問題ないでしょう」
先日ジョゼとコジマの実家に顔を出すついでに試させてもらった。転移ドアの複製が作れたなら何か所か設置してもいいが、そうするとどこに設置するかで揉めそうなのが問題だ。
「ロジーヌとソレーヌもまだ会ったことのない妹に会いたいと言っていた。それにもちろん余とクロエもな」
「ええ、分かっています。それでどこに置けばいいのかと思いまして」
一応前国王のお屋敷だ。俺が娘の夫だとしても、場合によっては敵の進入路として使われる可能性もある。さすがに勝手に置いていくことはできない。
「それ用に一つ部屋を用意することにした。こっちに来てくれ」
ディオン殿は俺を応接室から小ホールへと案内した。その隣にその部屋はあった。
「これはこちら側から入るだけでいいわけだな?」
「はい。実際の扉のように通り抜けるわけではありません」
「それならここに置いてくれ。持ち去られないようにだけすればいいので、この部分は固定してしまえばいい」
「なるほど、壁に埋め込むようにするわけですか」
転移ドアは扉と枠に足が付いたような形をしている。壁に少し穴を空けて足の部分を突き刺すようにすれば壁に張り付けられる。こちら側に足が少し出ているが、そこも何か段のような物を置けば隠せるだろう。俺がやってもいいのだが、どうもお抱えの魔法使いにさせるようだ。
「ところで今さら気がついたのですが、レティシアは今日はいないのですか?」
妙に静かだと思ったら喧しいのがいなかった。
「うむ。今日はロジーヌのところに行っておる。明日には戻ってくるだろう」
「それなら向こうに行くのは明日にしますか?」
「いや、今日でいいだろう。レティシアが帰ってきたら勝手に来るだろう」
意外に放任主義のようだ。それともレティシアがいない方がゆっくりとできるからだろうかと疑ってしまった。
ディオン殿は「明日になったら屋敷に来るように」という内容の手紙を二人の娘のところに出すことにし、さっそく移動の準備に取りかかった。準備といってもディオン殿には特に用意するものはないようで、クロエ殿の準備待ちといったところだ。
「女性には準備すべきことが多いからな」
「そうですね」
妻たちは自分の身支度は自分でするが、元王妃ともなればそういうわけにもいかないだろう。ナターリエは元王女だが、ドラゴネットに来てからは着替えから何から自分でやっていた。おそらく他の妻たちが自分でやっているからだろう。ただ今はかなり腹が大きいから、使用人たちが交代で世話をしている。
ジョゼやコジマも自分のことは自分でしている。俺は侍女が必要なら付けてもいいと思っていたが、どうも必要ないらしい。ジョゼはレティシア付きの近衛騎士をしていたのでそれほど優雅な暮らしをしていたわけではなく、コジマはお淑やかに着飾るよりも剣を振り回す方が好きだったからだ。
男の場合は顔を洗って着替えればそれで終わりということも多いだろうが、さすがに女性にそれを求めることはできない。
しばらくすると使用人たちが荷物を運んできたので、ディオン殿とクロエ殿、そして一〇人ほどの使用人と一緒にドラゴネットへと向かった。
◆ ◆ ◆
「お父様、お母様、ようこそドラゴネットへ」
お二人の相手はエルザにしてもらう。その間に荷物は使用人たちの手で来客棟へと運ばれた。転移ドアを設置するからには行き来が増えるだろう。一番見晴らしがいい部屋やその周辺は今後はコルム大公一家用として扱うことにした。
さて、ドラゴネット側の転移ドアだが、これも小ホールの近くにある部屋に設置することにした。これは理由は簡単で、正面から入った横にある小ホールには常に衛兵がいるからだ。
いつでも誰でも使えるとなると、領民が何かの間違いでゲルランに行ってしまう可能性がある。だから転移ドアのある部屋への出入りは見ておかなければならない。最近は人も増えたので以前のように領民が好き勝手に城の中に入ることはできなくなったが、それでも商売を始めたのでと挨拶に来る者はいる。
元王女や元隣国の王女などがいるとなるとあまりに無防備ではいけないという話が出て、領内の治安維持のために衛兵を雇うことになった。城の警備に関しては小ホールの端に衛兵の待機場所を作ったので、そこから転移ドアのある部屋への出入りが見えるようになっている。
ただ一日中部屋の入り口を見ているのも大変だろう。部屋の扉が開けばすぐに分かるような魔道具でもあれば便利だろうと思ったら扉に鈴が取り付けられた。
「鈴を押さえて開けたら鳴らないんじゃないか?」
「では増やしましょう」
扉の表と裏、高い場所や足元などに合計一〇か所ほど鈴が取り付けられ、扉が開けばシャラシャラとかなり派手な音が鳴る。これなら目を離しても問題ないだろう。
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