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最終章
港の設備
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「順調に王女を増やしてるわよね」
戻ってきた俺に張り付いているラドミラを見ながらカレンがそう言った。
「王女を増やしたいわけじゃないぞ。気がつけば増えるんだ」
カレンの言葉に思わず反応する。王族を挙げると、アルマン王国からはエルザとアルマとナターリエ、ゴール王国からレティシア、そしてシエスカ王国からラドミラ。
「欲がないからじゃありませんか?」
「なくはないがな」
「いえ、爵位を上げたいとか領地を広げたいとか」
「そういう意味で欲深くはないな。元から領地を維持したいだけだったからな。エルザもそれは知っているだろう」
「はい、それは承知しています」
旧エクディン準男爵領。俺の父親であるトビアス・アーレントが領主をしていた。父から譲られるはずだった領地を取り上げられ、結果として今の領地を与えられた。この新しい領地が大当たりだったわけだが。
「もう少しすれば運河が開通する。そうすればこのバタバタも落ち着くだろう」
領地の東の端に北から南へ、海から山まで運河を通し、さらに山を貫くトンネルを作っている。俺たちの担当は海から山までの運河と港の建設で、トンネルを作るのは国だ。それがおそらく来月には完成する。
「エルマー様、母が話したいことがあると」
「リサ殿か。ゆっくり話をする暇もなかったからな」
正直なところ、この忙しい時期に結婚式というのも考えものだった。できれば今の大工事が終わり、落ち着いてから行いたかったところだが、うちの国王とシエスカ王国から少々せっつかれたこともあり、転移ドアを使って無理やり人を集めた。
本来ならもっと国を挙げて盛大にと言われそうなものだが、そもそもシエスカ王国からするとこの領地は北にあるアルマン王国の中でも一番北の端。嫁ぐというよりも嫁がされたと思われる可能性が高い。もちろん俺はラドミラを幸せにするつもりだし、そう母親のリサ殿にも伝えた。
そろリサ殿だが、俺が忙しいと思ったのか、自分の足でこの領地を見たいと言い、あちこち観察していたようだ。それで久しぶりに城に戻ってきた。
そもそもリサ殿はここにいるはずの人ではない。シエスカ王国の王弟の妻だ。
「辺境伯、忙しいところを時間を作っていただきありがとうございます」
「いえ、リサ殿。あなたは妻となったラドミラの母君。それくらいの時間は作りましょう」
ラドミラの母親のリサ殿。黒髪をした、いかにもシエスカ王国の女性という外見だが、シエスカ王国の生まれではなく、遠い別の大陸にある国の出身らしい。
「アルマン王国は海を持ちませんが、この領地のおかげで初めて港ができるとか」
「ええ。それで現在港を作っているところです。運河と合わせて来月あたりにでも完成するでしょう」
「はい。そこまで連れていっていただき、自分の目で確かめてまいりました」
竜の誰かに頼めば乗せていってくれるだろう。帰ってくるのにはそれなりに時間がかかるだろうが。
「さすがに運河に大型船は入れないと思いますが、そこはどうですか?」
「それは無理ですね。港で積み替えないと。盆地から出るのに閘門を使いますので、大型船ではそこには入れません」
「それはよかった」
「よかったとは?」
うちとしてはよくないことだ。大型船が運河に入って盆地の向こう側まで渡り、それで王都まで入れれば楽なのは間違いない。ただしそれが無理なことは最初から分かっている。
「荷の積み替えについてです。どこの国でもやっていない方法があるのですが、それを試してみませんか?」
「どこの国でもというと、シエスカ王国だけでなく、リサ殿の生まれ故郷も含めると?」
「はい。有用であることは分かっています。ですがそれを実証するための機会が私には与えられませんでした」
リサ殿の祖国でもシエスカ王国でも、女性の立場というのはそれほど高くはない。彼女は祖国では高官の娘だったらしく、それでエヴシェン王の弟に嫁いだ。
だが王弟の妻であってもそれほど女性は重視されない。それでシエスカ王国よりも女性の立場が強いアルマン王国にラドミラを嫁がせようとした。
ラドミラもこの話は初めてらしく、母親の言葉にすっかり驚いている。まあ一〇歳の少女だから仕方がない。
このあたりの国で女性の立場が高いのはゴール王国だろう。しかし、ゴール王国はここしばらく他国と戦争を起こしがちだった。敬遠されても仕方がない。
アルマン王国では女性の立場は悪くはないが、それでも男性の方が上だとみなされているだろう。例外があるとすればここだろうか。うちは特殊だからな。
俺はどうということのない準男爵の息子だが、カレンはこの盆地で長年暮らしている竜の娘だ。俺よりも圧倒的に強い。その両親のクラースとパウラもここで暮らしている。
たまたま妻になった昔馴染みのカサンドラだが、彼女のはとこであるローサはクラースの二番目の妻だった。その後クラースとローサは別れ、ローサは俺の妻になった。
そのローサの知り合いの竜が次から次へとここにやって来て働いている。その中の一人マリーナは俺の妻になった。
要するにだ、この領地はカレンと知り合ったからこそこの規模になれた。あの時、もし俺がカレンから逃げていたとしたら、俺は死んでいたか、それともここで領地を作るのを諦めたかもしれない。
「もしその案が実用に耐え、有益であると判断すれば採用しましょう」
俺はハッキリとそう言った。
◆ ◆ ◆
「たしかにこれなら楽なのは間違いない」
「でしょう?」
俺の目の前にあるのは石と鉄と木とロープを組み合わせた巨大な塔のような物体。一部は地面から垂直に立ち、一部はその最上部から斜めに伸びている。そのさらに先からロープが伸び、その先には巨大な鉤が付いていた。それが城の中庭に立っている。
四隅にロープが付けられ板の上に荷物を乗せ、そのロープを鉤で引っかけて釣り上げる。そのまま巨大な塔が荷物を吊り下げて別の場所まで運ぶ。
「これをクレーンと呼びます」
「クレーン?」
「この国にはクラニッヒという鳥はいませんか? クレーンやグルー、ツルと呼ばれることもあります」
「ああ、あの首の長い鳥か。そのことか?」
「はい。その形を模して作られた装置です」
細い胴体と細い首。たしかにあの鳥の形とよく似ている。なるほど。
「ロープの操作に慣れる必要があるが、慣れればかなり有用だな。重い荷物でもあっという間に運べる」
「はい。ただ船に乗せる前にロープ付きの板に乗せておくなど、効率化がキモになると思います」
「そこは現場と相談だな」
これまで大勢の運び手が必要だったが、これで重い荷物を運ぶ必要が減る。もちろん完全に人をなくすことはできず、置く場所を調節するのに何人かが必要だ。仕事内容が変わるということだ。仕事が減れば、それはそれで困る。仕事を作るのも領主の仕事だからだ。
「それならこれを……どこに設置すると?」
「はい。港の海ギリギリの場所が、それとも海の中に石などで足場を作り、その上に立てるのもありでしょう」
「なるほど。船の邪魔にならない場所か」
次に港に出かけたらこれを設置してみるか。しかし……よくもまあこの規模のものを考えだしたものだ。才女というものはどこにでもいるのだな。
戻ってきた俺に張り付いているラドミラを見ながらカレンがそう言った。
「王女を増やしたいわけじゃないぞ。気がつけば増えるんだ」
カレンの言葉に思わず反応する。王族を挙げると、アルマン王国からはエルザとアルマとナターリエ、ゴール王国からレティシア、そしてシエスカ王国からラドミラ。
「欲がないからじゃありませんか?」
「なくはないがな」
「いえ、爵位を上げたいとか領地を広げたいとか」
「そういう意味で欲深くはないな。元から領地を維持したいだけだったからな。エルザもそれは知っているだろう」
「はい、それは承知しています」
旧エクディン準男爵領。俺の父親であるトビアス・アーレントが領主をしていた。父から譲られるはずだった領地を取り上げられ、結果として今の領地を与えられた。この新しい領地が大当たりだったわけだが。
「もう少しすれば運河が開通する。そうすればこのバタバタも落ち着くだろう」
領地の東の端に北から南へ、海から山まで運河を通し、さらに山を貫くトンネルを作っている。俺たちの担当は海から山までの運河と港の建設で、トンネルを作るのは国だ。それがおそらく来月には完成する。
「エルマー様、母が話したいことがあると」
「リサ殿か。ゆっくり話をする暇もなかったからな」
正直なところ、この忙しい時期に結婚式というのも考えものだった。できれば今の大工事が終わり、落ち着いてから行いたかったところだが、うちの国王とシエスカ王国から少々せっつかれたこともあり、転移ドアを使って無理やり人を集めた。
本来ならもっと国を挙げて盛大にと言われそうなものだが、そもそもシエスカ王国からするとこの領地は北にあるアルマン王国の中でも一番北の端。嫁ぐというよりも嫁がされたと思われる可能性が高い。もちろん俺はラドミラを幸せにするつもりだし、そう母親のリサ殿にも伝えた。
そろリサ殿だが、俺が忙しいと思ったのか、自分の足でこの領地を見たいと言い、あちこち観察していたようだ。それで久しぶりに城に戻ってきた。
そもそもリサ殿はここにいるはずの人ではない。シエスカ王国の王弟の妻だ。
「辺境伯、忙しいところを時間を作っていただきありがとうございます」
「いえ、リサ殿。あなたは妻となったラドミラの母君。それくらいの時間は作りましょう」
ラドミラの母親のリサ殿。黒髪をした、いかにもシエスカ王国の女性という外見だが、シエスカ王国の生まれではなく、遠い別の大陸にある国の出身らしい。
「アルマン王国は海を持ちませんが、この領地のおかげで初めて港ができるとか」
「ええ。それで現在港を作っているところです。運河と合わせて来月あたりにでも完成するでしょう」
「はい。そこまで連れていっていただき、自分の目で確かめてまいりました」
竜の誰かに頼めば乗せていってくれるだろう。帰ってくるのにはそれなりに時間がかかるだろうが。
「さすがに運河に大型船は入れないと思いますが、そこはどうですか?」
「それは無理ですね。港で積み替えないと。盆地から出るのに閘門を使いますので、大型船ではそこには入れません」
「それはよかった」
「よかったとは?」
うちとしてはよくないことだ。大型船が運河に入って盆地の向こう側まで渡り、それで王都まで入れれば楽なのは間違いない。ただしそれが無理なことは最初から分かっている。
「荷の積み替えについてです。どこの国でもやっていない方法があるのですが、それを試してみませんか?」
「どこの国でもというと、シエスカ王国だけでなく、リサ殿の生まれ故郷も含めると?」
「はい。有用であることは分かっています。ですがそれを実証するための機会が私には与えられませんでした」
リサ殿の祖国でもシエスカ王国でも、女性の立場というのはそれほど高くはない。彼女は祖国では高官の娘だったらしく、それでエヴシェン王の弟に嫁いだ。
だが王弟の妻であってもそれほど女性は重視されない。それでシエスカ王国よりも女性の立場が強いアルマン王国にラドミラを嫁がせようとした。
ラドミラもこの話は初めてらしく、母親の言葉にすっかり驚いている。まあ一〇歳の少女だから仕方がない。
このあたりの国で女性の立場が高いのはゴール王国だろう。しかし、ゴール王国はここしばらく他国と戦争を起こしがちだった。敬遠されても仕方がない。
アルマン王国では女性の立場は悪くはないが、それでも男性の方が上だとみなされているだろう。例外があるとすればここだろうか。うちは特殊だからな。
俺はどうということのない準男爵の息子だが、カレンはこの盆地で長年暮らしている竜の娘だ。俺よりも圧倒的に強い。その両親のクラースとパウラもここで暮らしている。
たまたま妻になった昔馴染みのカサンドラだが、彼女のはとこであるローサはクラースの二番目の妻だった。その後クラースとローサは別れ、ローサは俺の妻になった。
そのローサの知り合いの竜が次から次へとここにやって来て働いている。その中の一人マリーナは俺の妻になった。
要するにだ、この領地はカレンと知り合ったからこそこの規模になれた。あの時、もし俺がカレンから逃げていたとしたら、俺は死んでいたか、それともここで領地を作るのを諦めたかもしれない。
「もしその案が実用に耐え、有益であると判断すれば採用しましょう」
俺はハッキリとそう言った。
◆ ◆ ◆
「たしかにこれなら楽なのは間違いない」
「でしょう?」
俺の目の前にあるのは石と鉄と木とロープを組み合わせた巨大な塔のような物体。一部は地面から垂直に立ち、一部はその最上部から斜めに伸びている。そのさらに先からロープが伸び、その先には巨大な鉤が付いていた。それが城の中庭に立っている。
四隅にロープが付けられ板の上に荷物を乗せ、そのロープを鉤で引っかけて釣り上げる。そのまま巨大な塔が荷物を吊り下げて別の場所まで運ぶ。
「これをクレーンと呼びます」
「クレーン?」
「この国にはクラニッヒという鳥はいませんか? クレーンやグルー、ツルと呼ばれることもあります」
「ああ、あの首の長い鳥か。そのことか?」
「はい。その形を模して作られた装置です」
細い胴体と細い首。たしかにあの鳥の形とよく似ている。なるほど。
「ロープの操作に慣れる必要があるが、慣れればかなり有用だな。重い荷物でもあっという間に運べる」
「はい。ただ船に乗せる前にロープ付きの板に乗せておくなど、効率化がキモになると思います」
「そこは現場と相談だな」
これまで大勢の運び手が必要だったが、これで重い荷物を運ぶ必要が減る。もちろん完全に人をなくすことはできず、置く場所を調節するのに何人かが必要だ。仕事内容が変わるということだ。仕事が減れば、それはそれで困る。仕事を作るのも領主の仕事だからだ。
「それならこれを……どこに設置すると?」
「はい。港の海ギリギリの場所が、それとも海の中に石などで足場を作り、その上に立てるのもありでしょう」
「なるほど。船の邪魔にならない場所か」
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