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第六章:領主三年目、さらに遠くへ
戦闘指南
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「うむ、なかなかやるようだな」
前マルクブルク辺境伯のクリストフ殿は新しい部下たちを前にして満足げだった。そう、大方の予想通り、長男のアルノルト殿に無理やり家を継がせてこちらへやって来た。「老い先の短いこの身、せめて最後くらいは好きなことをして果てたいものだ」と妻子に言ったとか。髪はかなり白くなってはいるが、そもそもまだ六〇くらいだろう。あと五〇年から六〇年くらいは剣を振り回しそうだ。
「それでは儂は指南役とさせていただく」
「そのあたりはお任せします」
「うむ、任された」
俺の義父になるわけだが、そんなことはお構いなしに魔物と戦うことを人生の楽しみにし始めた。結局グリフォンを騎獣にして盆地の北方に出かけ、強い魔物と戦っては帰ってくる。合間にはうちの狩人たちを鍛えている。
「私の代わりにはなるかな?」
「なるなる。というかエラはゆっくりしたらいいだろう。子供がいるんだから」
エラは妊婦向けの遊泳場で泳いできたらしい。体を動かさないと落ち着かないのだとか。生まれるのは冬に入る頃だろうか。
「いずれはエルマー君とも親戚になるんだから、元気な子供を産まないとね」
「親戚?」
「男の子ならセシリアちゃんかダニエラちゃんの夫、女の子ならアウグスティン君かカールハインツ君の妻。そっちは側室でいいから」
「気が早いな」
「家臣との繋がりを作ることも大切な仕事だよ」
「それは分かっているが……」
秋に生まれたばかりの子供たちに婚約者の話か。俺の場合は地位が低すぎてそういう話は全くなかったが、うちの子たちは違う。こちらはこちらで大変なことになりそうだ。
「エルマー君、子供を作るのは貴族の務め。子供をより地位の高い家の子供と結婚させるのも親の務め」
「それくらいは俺にでも分かる。分かるが……俺自身が貴族の中でも一番下で、そういう話と縁がなかったから、正直なところ実感がない」
「それは分かるよ。準男爵の嫡男から数年で辺境伯って、普通は英雄譚でもなかなかないくらいの出世だから」
「どこでどう間違ったのやら」
個人的には僻地にある小さな領地を受け継いで、そこで領民たちと一緒に細々と麦を育て、狩りをし、今年も無事に終わることができたと喜びを分かち合う、そういう暮らしを送るものだと思っていた。それがどうだ。竜が妻になり、ペガサスが荷物を運び、グリフォンが魔獣を運んでいる。
「まあまあ、終わり良ければ全て良しって言うじゃない」
「まだ終わりは先なんだが。俺は病気や怪我がなければ多分長生きするぞ」
人は魔力量によって寿命が延びるらしい。らしいというのは魔法使いは概して長生きだからだ。魔法が使えない者が八〇歳から一〇〇歳あたりで亡くなるとすると、魔法使いはそれよりも数十年は長生きするらしい。魔術を極めたような宮廷魔術師の場合は二〇〇歳くらいになるそうだ。
ただそういう人は単に魔力が多いだけではなく、他にも理由があるらしい。魔法剣士と呼ばれる剣も魔法も使える者よりも、魔法使いの方が長生きだからだ。
俺は剣も魔法も使うが魔法剣士とは呼べないだろう。魔法も使える軍人だ。軍にいるわけではないが、必要があれば馬に跨がって指揮を執る。だからちょっと魔法も使える軍人という程度で考えていたところ、人並み外れて魔力が多くなってしまい、自分がどういう立ち位置にいるのか分からなくなってしまった。
ただ普通の人間よりも魔力が多くて長生きしそうなのは間違いない。寿命の長いカサンドラやローサ、寿命という考えがなさそうなカレンたちを悲しませるのが少々遅くなりそうなのはありがたい。ただ怪我や病気で死ぬのはどうしようもないので、そういうことがないように、せいぜい健康と周囲には気を配って生きなければな。
「しかしこれで領軍を編成することができそうだな」
「そうだね。あのお爺ちゃんに任せておけば大丈夫だよ」
「お爺ちゃんって、そこまでの歳でもないだろう」
「私からするとイメージはお爺ちゃんなの」
エラからすれば父親の年齢だと思うが。まあ頑固な爺さんが似合うか。
領軍という言い方をしているが、必要なのは領内の警備隊兼狩人だ。戦争のための兵士ではない。
この領地で一番戦闘経験があるのは狩人たちになる。彼らが魔獣を狩ってくれるから、普通では珍しい魔獣の肉が気軽に口にできる。
しかし人口が急に増えた。小麦はいくらでも作れるから問題はないが、肉は畑からは生えてこない。だから狩人を増やしつつ、領地の各所を巡回する警備隊も増やそうとしている。
「それならエラはできる範囲でいいからクリストフ殿の面倒を見てやってくれ」
「エルマー君は?」
「俺はまだ色々とあるんだ。レオナルト殿下の結婚式とかビアンカ殿下の結婚式とか」
「ああ……」
もう少しするとお二人の結婚式がある。レオナルト殿下の方は俺は列席するだけでいいが、ビアンカ殿下の結婚式については陛下から一つ仕事を頼まれていた。ヴァーデンからブラーノまで行列を作って移動することになるはずだが、南部の方はまだまだ盗賊団も出るそうだ。だからその対策だ。
王都から南は大公派の領地が多かった。領主が罪に問われて多くが地上からいなくなり、その部下たちの中でも罪の重い者たちは同じような扱いになった。それでも全員が捕まったわけではなく、上手く逃げおおせた者たちもいる。あるいは下っ端であっても上司のおこぼれに与っていた者たちもいた。彼らも領主が変わった際に罪に問われるのではないかと思って逃げ出したようだ。
こういう者たちがどのようにして連絡を取り合うのかは分からないが、ロクでもない者たちが集まってまともなことを考えるとは思わない。村を襲ってその村で暮らす村人に扮し、立ち寄った商人たちを襲うという話すらあったそうだ。それこそシエスカ王国と接しているバーレン辺境伯は気が気でないだろう。
ビアンカ殿下がシエスカ王国に嫁ぐことが決まると、王都からバーレン辺境伯領あたりまでの盗賊が減ったそうだ。減ったということはどこかに移動したのだろう。それはどこか。国境付近だと思われる。
王女が嫁ぐなら金銀財宝も一緒に移動する。そこを襲う。そのために仲間を集めているはずだ。
「そっちの方にも力を貸すんだっけ?」
「まあな。レオナルト殿下から頼まれれば断りづらくてな」
殿下の結婚式が終われば、今度はビアンカ殿下の婚礼の行列に紛れ込んでシエスカ王国まで護衛任務をする。これも俺でなくてもいいんだが、同行する戦力が戦力だからな。
「焼き尽くされる盗賊が可哀想なくらいだね」
「まともに暮らしていればいいだけだ」
俺には盗賊を哀れむような気持ちはない。事情はあるにせよ、人を殺して奪う者に遠慮をする必要は感じない。ただ願うとすれば、その中に明らかに俺より若いのがいなければいい、それくらいだ。
前マルクブルク辺境伯のクリストフ殿は新しい部下たちを前にして満足げだった。そう、大方の予想通り、長男のアルノルト殿に無理やり家を継がせてこちらへやって来た。「老い先の短いこの身、せめて最後くらいは好きなことをして果てたいものだ」と妻子に言ったとか。髪はかなり白くなってはいるが、そもそもまだ六〇くらいだろう。あと五〇年から六〇年くらいは剣を振り回しそうだ。
「それでは儂は指南役とさせていただく」
「そのあたりはお任せします」
「うむ、任された」
俺の義父になるわけだが、そんなことはお構いなしに魔物と戦うことを人生の楽しみにし始めた。結局グリフォンを騎獣にして盆地の北方に出かけ、強い魔物と戦っては帰ってくる。合間にはうちの狩人たちを鍛えている。
「私の代わりにはなるかな?」
「なるなる。というかエラはゆっくりしたらいいだろう。子供がいるんだから」
エラは妊婦向けの遊泳場で泳いできたらしい。体を動かさないと落ち着かないのだとか。生まれるのは冬に入る頃だろうか。
「いずれはエルマー君とも親戚になるんだから、元気な子供を産まないとね」
「親戚?」
「男の子ならセシリアちゃんかダニエラちゃんの夫、女の子ならアウグスティン君かカールハインツ君の妻。そっちは側室でいいから」
「気が早いな」
「家臣との繋がりを作ることも大切な仕事だよ」
「それは分かっているが……」
秋に生まれたばかりの子供たちに婚約者の話か。俺の場合は地位が低すぎてそういう話は全くなかったが、うちの子たちは違う。こちらはこちらで大変なことになりそうだ。
「エルマー君、子供を作るのは貴族の務め。子供をより地位の高い家の子供と結婚させるのも親の務め」
「それくらいは俺にでも分かる。分かるが……俺自身が貴族の中でも一番下で、そういう話と縁がなかったから、正直なところ実感がない」
「それは分かるよ。準男爵の嫡男から数年で辺境伯って、普通は英雄譚でもなかなかないくらいの出世だから」
「どこでどう間違ったのやら」
個人的には僻地にある小さな領地を受け継いで、そこで領民たちと一緒に細々と麦を育て、狩りをし、今年も無事に終わることができたと喜びを分かち合う、そういう暮らしを送るものだと思っていた。それがどうだ。竜が妻になり、ペガサスが荷物を運び、グリフォンが魔獣を運んでいる。
「まあまあ、終わり良ければ全て良しって言うじゃない」
「まだ終わりは先なんだが。俺は病気や怪我がなければ多分長生きするぞ」
人は魔力量によって寿命が延びるらしい。らしいというのは魔法使いは概して長生きだからだ。魔法が使えない者が八〇歳から一〇〇歳あたりで亡くなるとすると、魔法使いはそれよりも数十年は長生きするらしい。魔術を極めたような宮廷魔術師の場合は二〇〇歳くらいになるそうだ。
ただそういう人は単に魔力が多いだけではなく、他にも理由があるらしい。魔法剣士と呼ばれる剣も魔法も使える者よりも、魔法使いの方が長生きだからだ。
俺は剣も魔法も使うが魔法剣士とは呼べないだろう。魔法も使える軍人だ。軍にいるわけではないが、必要があれば馬に跨がって指揮を執る。だからちょっと魔法も使える軍人という程度で考えていたところ、人並み外れて魔力が多くなってしまい、自分がどういう立ち位置にいるのか分からなくなってしまった。
ただ普通の人間よりも魔力が多くて長生きしそうなのは間違いない。寿命の長いカサンドラやローサ、寿命という考えがなさそうなカレンたちを悲しませるのが少々遅くなりそうなのはありがたい。ただ怪我や病気で死ぬのはどうしようもないので、そういうことがないように、せいぜい健康と周囲には気を配って生きなければな。
「しかしこれで領軍を編成することができそうだな」
「そうだね。あのお爺ちゃんに任せておけば大丈夫だよ」
「お爺ちゃんって、そこまでの歳でもないだろう」
「私からするとイメージはお爺ちゃんなの」
エラからすれば父親の年齢だと思うが。まあ頑固な爺さんが似合うか。
領軍という言い方をしているが、必要なのは領内の警備隊兼狩人だ。戦争のための兵士ではない。
この領地で一番戦闘経験があるのは狩人たちになる。彼らが魔獣を狩ってくれるから、普通では珍しい魔獣の肉が気軽に口にできる。
しかし人口が急に増えた。小麦はいくらでも作れるから問題はないが、肉は畑からは生えてこない。だから狩人を増やしつつ、領地の各所を巡回する警備隊も増やそうとしている。
「それならエラはできる範囲でいいからクリストフ殿の面倒を見てやってくれ」
「エルマー君は?」
「俺はまだ色々とあるんだ。レオナルト殿下の結婚式とかビアンカ殿下の結婚式とか」
「ああ……」
もう少しするとお二人の結婚式がある。レオナルト殿下の方は俺は列席するだけでいいが、ビアンカ殿下の結婚式については陛下から一つ仕事を頼まれていた。ヴァーデンからブラーノまで行列を作って移動することになるはずだが、南部の方はまだまだ盗賊団も出るそうだ。だからその対策だ。
王都から南は大公派の領地が多かった。領主が罪に問われて多くが地上からいなくなり、その部下たちの中でも罪の重い者たちは同じような扱いになった。それでも全員が捕まったわけではなく、上手く逃げおおせた者たちもいる。あるいは下っ端であっても上司のおこぼれに与っていた者たちもいた。彼らも領主が変わった際に罪に問われるのではないかと思って逃げ出したようだ。
こういう者たちがどのようにして連絡を取り合うのかは分からないが、ロクでもない者たちが集まってまともなことを考えるとは思わない。村を襲ってその村で暮らす村人に扮し、立ち寄った商人たちを襲うという話すらあったそうだ。それこそシエスカ王国と接しているバーレン辺境伯は気が気でないだろう。
ビアンカ殿下がシエスカ王国に嫁ぐことが決まると、王都からバーレン辺境伯領あたりまでの盗賊が減ったそうだ。減ったということはどこかに移動したのだろう。それはどこか。国境付近だと思われる。
王女が嫁ぐなら金銀財宝も一緒に移動する。そこを襲う。そのために仲間を集めているはずだ。
「そっちの方にも力を貸すんだっけ?」
「まあな。レオナルト殿下から頼まれれば断りづらくてな」
殿下の結婚式が終われば、今度はビアンカ殿下の婚礼の行列に紛れ込んでシエスカ王国まで護衛任務をする。これも俺でなくてもいいんだが、同行する戦力が戦力だからな。
「焼き尽くされる盗賊が可哀想なくらいだね」
「まともに暮らしていればいいだけだ」
俺には盗賊を哀れむような気持ちはない。事情はあるにせよ、人を殺して奪う者に遠慮をする必要は感じない。ただ願うとすれば、その中に明らかに俺より若いのがいなければいい、それくらいだ。
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◆ ◆ ◆
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