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第三章:領主二年目第二部
捕虜の扱い(五)
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王都に向かって飛び始めたのはいいが、どうすれば王城の中庭に降りるのが一番問題にならないかを考えるのを忘れていた。一応鍋を巨大な国旗で覆っているが、それで効き目があるかどうかだ。
「クラース、うっかり忘れていたが、どうやって王都に降りる?」
《そのままではマズいか?》
「王都の上空を飛んだら騒ぎになりそうだ」
《それなら真上から降りるしかないだろう》
「薄暗くなれば少しは見られにくくはなるか……」
夕方が近くなり、薄暗くなれば空は見づらくなる。それでも見られないはずはないが、それが一番目立たないだろう。俺とクラースだけならともかく、鍋の中には八〇人ほど入っている。夜になって王都の近くで下ろしてそこから歩くのも面倒なのでそのまま戻ることになった。
◆ ◆ ◆
王城の中庭に鍋を持ったクラースが降り立った。そして鍋をゆっくりと下ろす。できる限り問題にならないようにと思いながらクラースの頭から降りる。
すぐに出入り口を開き、乗っていたジョゼフィーヌと軍監たちを外へ出す。軍監たちは見慣れた王城の中庭を見回して驚いていた。
「本当に中庭に着いたのですね」
「ああ。騒ぎになっていないようで何よりだ」
騎士や兵士たちが立っているが、思ったほどには騒ぎになっていない。クラースを見て声を出せないのかもしれないが。
そう考えていると王城の中から近衛騎士が一人やって来た。
「ノルト男爵ですね、中へどうぞ」
「俺たちがここに来ることが分かっていたのか?」
「今日だと分かっていたわけではないのですが、ノルト男爵が竜と一緒に来るという可能性が陛下から伝えられていました。そして到着したらすぐに案内するようにと。半信半疑でしたが……」
「そうか。それなら大きな騒ぎにならずに済んでよかった」
騎士の案内に従って俺と捕虜のジョゼフィーヌは王城に入るとして、クラースはどうするか。振り向くといつの間にかクラースは人の姿に戻っていた。
「そうだ、クラースはどうする?」
「ふむ。私も同行しよう。久しぶりに王城の中を歩くのもいいだろう」
「入ったことがあったのか?」
「三〇〇〇年も生きていれば、そのような機会もある」
うちの城はクラースが見た城を組み合わせた物だったか。この城の要素もどこかにあるかもしれないな。
今年に入ってからは何度も歩いた廊下を通る。去年の夏前のギスギス具合が嘘のようだ。
「ここは落ち着いた城ですね」
しばらく歩くとジョゼフィーヌがそのような感想を口にした。なかなか他国の城の雰囲気は分からない。話を聞ける機会は貴重だな。
「ゴール王国は違うのか?」
「ここの落ち着いた雰囲気と比べれば華美と言えるでしょうか。装飾の数が全然違います」
「国が違えば城も建物も違うんだろうな。クラースは見たことがあるか?」
様々な国を渡り歩いたクラースに聞いてみる。
「ふむ。城自体はあまり覚えていないが、あの国の国民は城を見て『麗しの城』などと呼んでいたはずだ」
「今でもその呼び方はあります。『麗しき我らが王城』と」
「国が違えば言い方も違うのか。呼び方からして流麗だな。うちにいるシュタイナーという石工が言ったが、この城は質実剛健だそうだ」
そのような王城談義をしていると部屋に着いた。騎士の案内で陛下の執務筆の一つに入る。
「陛下、ただいま戻りました」
「男爵、ご苦労だった。クラース殿にも手間をかけさせて申し訳ない」
「いえ、臣下としての務めでございます」
「私は義理の息子の手伝いをしただけなので、手間と言うほどの手間でもないが、私はこの国のために働くわけではないので、そこは勘違いしないでもらいたい」
「今回だけと思っておく。誠に感謝する」
陛下はクラースに向かって大きく頭を下げた。
「ところでそちらの騎士は? 甲冑を見るとゴール王国のもののようだが」
「はい、これはゴール王国軍の騎士でジョゼフィーヌという名前です。形としては捕虜になります。マルクブルク辺境伯から、事情説明のために連れて行くようにと」
「ジョゼフィーヌと申します。ヴァジ男爵の次女になります」
ジョゼフィーヌが陛下にした報告は俺が知っている情報とそれほど違わなかったが、ただ一点だけ新しい情報があった。それは向こうの王妃が戦争を主導していると。国王がというなら分かるが、王妃がというのがよく分からない。
「陛下はゴール王国の王妃殿下にお会いしたことは?」
「ないな。余が会ったのは国王だけだ。それも余もディオン王も王太子時代の話だ。当時は行き来もあったからそれなりに親しかった」
陛下が言うには、自分もゴール王国のディオン王も、それほど特徴のある性格ではないということだ。お互いに国王になってもそれなりの関係を築いていたと思っていたら、ゴール王国が攻めてくるようになったと。
「一体彼に何があったのかと思ったが王妃が原因かもしれないのか」
「好戦的と言えるほどではありませんが、クロエ王妃は毅然とした態度で指示を出していらっしゃいました」
「毅然とした態度か……」
国と国とが隣り合っていれば小競り合いくらいはいくらでも起きる。その程度のものは以前からいくらでもあった。ゴール王国がそれなりの兵力で侵攻してくるようになったのは、俺や殿下が生まれた頃かららしい。
「それでジョゼフィーヌの処遇だが、ノルト男爵、お主の領地で療養ということにしてくれ」
「療養ですか?」
「そうだ。ノルト男爵領はこの国でも一番北にある。戦争で傷ついた心身を癒やすために、しばらく療養をすることにする。もしゴール王国から聞かれたらそう答える」
「分かりました。ジョゼフィーヌもそれでいいな?」
「はい。指示に従います」
そう言って右手を挙げた。
「クラース、うっかり忘れていたが、どうやって王都に降りる?」
《そのままではマズいか?》
「王都の上空を飛んだら騒ぎになりそうだ」
《それなら真上から降りるしかないだろう》
「薄暗くなれば少しは見られにくくはなるか……」
夕方が近くなり、薄暗くなれば空は見づらくなる。それでも見られないはずはないが、それが一番目立たないだろう。俺とクラースだけならともかく、鍋の中には八〇人ほど入っている。夜になって王都の近くで下ろしてそこから歩くのも面倒なのでそのまま戻ることになった。
◆ ◆ ◆
王城の中庭に鍋を持ったクラースが降り立った。そして鍋をゆっくりと下ろす。できる限り問題にならないようにと思いながらクラースの頭から降りる。
すぐに出入り口を開き、乗っていたジョゼフィーヌと軍監たちを外へ出す。軍監たちは見慣れた王城の中庭を見回して驚いていた。
「本当に中庭に着いたのですね」
「ああ。騒ぎになっていないようで何よりだ」
騎士や兵士たちが立っているが、思ったほどには騒ぎになっていない。クラースを見て声を出せないのかもしれないが。
そう考えていると王城の中から近衛騎士が一人やって来た。
「ノルト男爵ですね、中へどうぞ」
「俺たちがここに来ることが分かっていたのか?」
「今日だと分かっていたわけではないのですが、ノルト男爵が竜と一緒に来るという可能性が陛下から伝えられていました。そして到着したらすぐに案内するようにと。半信半疑でしたが……」
「そうか。それなら大きな騒ぎにならずに済んでよかった」
騎士の案内に従って俺と捕虜のジョゼフィーヌは王城に入るとして、クラースはどうするか。振り向くといつの間にかクラースは人の姿に戻っていた。
「そうだ、クラースはどうする?」
「ふむ。私も同行しよう。久しぶりに王城の中を歩くのもいいだろう」
「入ったことがあったのか?」
「三〇〇〇年も生きていれば、そのような機会もある」
うちの城はクラースが見た城を組み合わせた物だったか。この城の要素もどこかにあるかもしれないな。
今年に入ってからは何度も歩いた廊下を通る。去年の夏前のギスギス具合が嘘のようだ。
「ここは落ち着いた城ですね」
しばらく歩くとジョゼフィーヌがそのような感想を口にした。なかなか他国の城の雰囲気は分からない。話を聞ける機会は貴重だな。
「ゴール王国は違うのか?」
「ここの落ち着いた雰囲気と比べれば華美と言えるでしょうか。装飾の数が全然違います」
「国が違えば城も建物も違うんだろうな。クラースは見たことがあるか?」
様々な国を渡り歩いたクラースに聞いてみる。
「ふむ。城自体はあまり覚えていないが、あの国の国民は城を見て『麗しの城』などと呼んでいたはずだ」
「今でもその呼び方はあります。『麗しき我らが王城』と」
「国が違えば言い方も違うのか。呼び方からして流麗だな。うちにいるシュタイナーという石工が言ったが、この城は質実剛健だそうだ」
そのような王城談義をしていると部屋に着いた。騎士の案内で陛下の執務筆の一つに入る。
「陛下、ただいま戻りました」
「男爵、ご苦労だった。クラース殿にも手間をかけさせて申し訳ない」
「いえ、臣下としての務めでございます」
「私は義理の息子の手伝いをしただけなので、手間と言うほどの手間でもないが、私はこの国のために働くわけではないので、そこは勘違いしないでもらいたい」
「今回だけと思っておく。誠に感謝する」
陛下はクラースに向かって大きく頭を下げた。
「ところでそちらの騎士は? 甲冑を見るとゴール王国のもののようだが」
「はい、これはゴール王国軍の騎士でジョゼフィーヌという名前です。形としては捕虜になります。マルクブルク辺境伯から、事情説明のために連れて行くようにと」
「ジョゼフィーヌと申します。ヴァジ男爵の次女になります」
ジョゼフィーヌが陛下にした報告は俺が知っている情報とそれほど違わなかったが、ただ一点だけ新しい情報があった。それは向こうの王妃が戦争を主導していると。国王がというなら分かるが、王妃がというのがよく分からない。
「陛下はゴール王国の王妃殿下にお会いしたことは?」
「ないな。余が会ったのは国王だけだ。それも余もディオン王も王太子時代の話だ。当時は行き来もあったからそれなりに親しかった」
陛下が言うには、自分もゴール王国のディオン王も、それほど特徴のある性格ではないということだ。お互いに国王になってもそれなりの関係を築いていたと思っていたら、ゴール王国が攻めてくるようになったと。
「一体彼に何があったのかと思ったが王妃が原因かもしれないのか」
「好戦的と言えるほどではありませんが、クロエ王妃は毅然とした態度で指示を出していらっしゃいました」
「毅然とした態度か……」
国と国とが隣り合っていれば小競り合いくらいはいくらでも起きる。その程度のものは以前からいくらでもあった。ゴール王国がそれなりの兵力で侵攻してくるようになったのは、俺や殿下が生まれた頃かららしい。
「それでジョゼフィーヌの処遇だが、ノルト男爵、お主の領地で療養ということにしてくれ」
「療養ですか?」
「そうだ。ノルト男爵領はこの国でも一番北にある。戦争で傷ついた心身を癒やすために、しばらく療養をすることにする。もしゴール王国から聞かれたらそう答える」
「分かりました。ジョゼフィーヌもそれでいいな?」
「はい。指示に従います」
そう言って右手を挙げた。
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